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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

30年戦争11-グスタフ・アドルフ大勝利

2020.09.06 09:32

スウェーデン王グスタフ・アドルフ、彼は古ゴート神話にインスパイアされたようだ、すなわちかつてヨーロッパを席捲したゴート王ベリクになるべし、と。しかし皇帝フェルディナンドは「スウェーデンとかけて雪だるまと解く。南へ来れば溶けてなくなる」と舐めていた。

両者の争点がマクデブルクとなった。ティリー伯を新司令官とした皇帝軍は1630年11月からここを包囲し、翌年5月末に陥落させた。しかし旧ヴァレンシュタイン軍も入った皇帝軍は統制を欠き、大規模な略奪となった。なんと町の3万人のうち2万5千人が殺害され、残り5千人は婦人でレイプされた。

このマグデブルグの惨劇の衝撃で、躊躇していたドイツプロテスタント諸侯はスウェーデン軍に合流してしまった。さらにフランスが保険のためにバイエルンとも協定を結んだため、司令官ティリーは微妙な立場となった。

9月17日両軍8万人はブライテンフェルトで大会戦となった。ドイツプロテスタントは崩れたが、何とスウェーデン軍は3人で運べる4ポンド砲100門を有し、旅団中心の陣形は柔軟に変化して皇帝軍を押し返し、皇帝軍死者1万2千に対しスウェーデン千5百人と大勝利を収めたのである。この戦闘を機に、戦争は砲兵中心に変わっていく。

下はブライテンフェルトの戦いの颯爽たるグスタフ・アドルフ