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からだ、こころ、たましいの学び屋

BOOK「ブッダの脳」著者:リック・ハンソン、リチャード・メンディウス、訳:菅 靖彦

2020.09.07 06:21

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焦点を当てたのは、ポジティブな幸福感、心理的な成長、スピリチャルな実践である。

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本書はツールを備えた脳の操作マニュアルのようなものである。

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私たちが目指したのは、満足感や親切心、心の平安などを生み出す神経回路をいかにすれば勝間性ができるかを、最新の脳科学の知見に基づいて明らかにし、実際の手法と一緒に提示することだ。それらの手法には誘導瞑想が含まれている。

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わたしが確実に言えることが一つある。あなたの心の中でするささいなことが脳の大きな変化やあなたの人生経験を大幅に変えることにつながるということである。

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第1章 自ら変わる脳

脳の主要な活動は自らに変化を生み出すことである。

マービン・L・ミンスキー(認知科学者)

あなたの心が変わるとき、脳も変わる。

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ブッダ、彼は徳やマインドフルネス(集中と呼ばれる)や知恵を教えてのだ。

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人間関係における徳も探求する。人間関係は徳がもっとも試される場であり、共感、親切、愛といったものを支える脳の状態を育むことに関わっているからだ。

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3つの基本的な機能

1)徳

2)マインドフルネス

3)知恵

調整、学習、選択によって支えられる。

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要するに徳やマインドフルネスや知恵を心の中で育てるかどうかは、脳内の調整、学習、選択の機能を改善できるかどうかにかかっている。

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いずれにせよ、こころの中のこうした変化、、、本来の純数さを明らかにし、健全な性質を育むこと、、は脳の変化を映し出す。「脳がどのように働き、変化するか」「脳がどのようにして注意散漫になったり、集中力を育んだりするか」「脳はどのようにして有害な選択をしたり、賢い選択をしたりするか」といったことを理解すれば、あなたは自分の能力、すなわち心をもっと制御できるようになるだろう。そうすれば、健全さ、愛情、洞察を育むのが容易になって実を結ぶようになり、あなたが独自の覚醒の道を行くのを手助けしてくれるだろう。

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◉自分に味方する

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自分自身の味方にならなければならない。それは最初、そんなに簡単なことではない。大半の人は他人には親切でも、自分自身にはそうではない。自分に親切にするには、想像力を働かせる必要がある。たとえば、次のような事例を考えてもらいたい。

●あなてはかつて小さな子どもで、他人の人と同じように、世話をしてもらうにふさわしい存在だった。あなたは自分自身を小さな子どもとみなし、その子に幸せあれと願えるだろうか?現在でも同じなのだ。あなたは他の人と同じ人間であり、幸せや愛や知恵を手に入れる権利をもっている。

●覚醒の道を歩めば、あなたは仕事や人間関係において、もって有能になるだろう。あなたがもっとユーモアに満ちた温かな物知りになることで、他人がどんな恩恵を得られるか考えてみてもらいたい。自分自身を発達させるのは利己的なことではない。実際のところ、他人への大きな贈り物なのだ。

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◉刃(やいば)の上の世界

恐らくもっとも重要なのは、あなた自身の成長が、貪欲、混乱、恐れ、怒りに満ちた世界を、暗黙のうちにより良い方向に向かわせる助けになると認識することだろう。

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歴史上のこの瞬間、わたしたちの目の前には、悲劇の暗雲と希望の光が同時に見えている。崖っぷちからわたしたちを引き戻すのに必要な自然資源や技術はすでに存在している。問題は資源の不足にあるのではない。意志や抑制の不足、本当に起こっていることへの無関心、自己啓発への無関心、、、、言い換えれば、徳、マインドフルネス、知恵の欠如、、、にある。あなたや他の人たちの心、すなわち脳とうまく付き合えるようになれば、この世界をより良い方向に向かわせる助けにきっとなる。

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⭕️第1章 まとめ

●あなたの心の中で起こることは一時的にも、永遠的にもあなたの脳を変える。ともに発火する神経細胞はつながり合う。あなたの脳内で起こることは、あなたの心を変える。なぜなら、脳と心は一つの統合されたシステムだからだ。

●したがって、あなたは心を用いて脳を変え、周囲の人に恩恵をもたらすことができる。

●瞑想の伝統で、本格的に修業した人たちは、こころの鍛錬の「オリンピック選手」である。かれらがどうやって心(すなわち脳)を鍛錬したかを学ぶことは、より大きな幸せ、愛、知恵を手に入れる強力な方法を明らかにする。

●脳はあなたの生存を助けるために進化してきたが、その三つの主要な生存戦略はあなたを苦しめもする。

●徳、マインドフルネス、知恵は日々の健康、個人的成長、スピリチャルな実践の三本柱である。それらは調整、学習、選択という三つの基本的な神経の働きを促す。

●覚醒の道は「心/脳」を変容させることと、ずっとあった素晴らしい本性をあきるかにすることの両方を含んでいる。

●日々のちょっとした肯定的な行動が積み重なると、長い間には大きな変化を引き起こし、徐々にあたらしい神経の構造を築きあげる。それを維持し続けるには、自分自身の味方にならなければならない。

●多くの人の脳の健全な変化は世界をより良くするのを助けてくれる。


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パート1

苦しみの原因

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あなたがいつでも戻っていける幸せや満足や平和の場所を心の中に養うことなのだ。

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◉イメージ

精神的な活動は普通、言葉による思考と同一視されるが、脳の大半は実際には、イメージを処理するといったノンバーバルの活動に従事している。イメージは脳の右半球を活性化し、ストレスになる可能性のある内的なおしゃべりを鎮める。

イメージはリラクゼーションと同じように、副交感神経系を刺激するために活用できる。

時間的な余裕があるときには是非イメージを想像する方法を活用してもらいたい。たとえば仕事の最中にストレスを感じたら、数秒間、穏やかな山の湖を思い浮かべるのだ。さらに家に帰ってもっと時間ができたら、湖畔を散歩しているところを想像し、松葉の良い匂いや子どもたちの笑い声で心の中の映画を彩ってもらいたい。

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◉心拍数のバランスを取る

心拍変動自体が心身の健康を改善させる直接的原因になりうる。心拍数を一定に保つ術を習得することが、ストレスを軽減し、心臓血管の健康や免疫系の働きを増進させ、気分をよくさせる。

1分間余り行う

1)吸う息と吐く息が同じ長さになるように呼吸する。息を吸いながら心の中で1〜4も数え、吐きながら1〜4と数える。

2)呼吸と同時に、心臓周辺から空気が出入りしていることをイメージする。

3)心臓呼吸をしながら、「感謝」「いたわり」「愛」といった楽しい感情を思い浮かべる。幸せだったとき、子どもと一緒にいたとき、人生の良き出来事に感謝したとき、ペットと遊んでいたときなど考えればいいだろう。

126◉瞑想

瞑想は、ストレスとなる物事から注意をそらす、リラックスする、身体を自覚するといったことを通して副交感神経系を活性化する。瞑想がもたらす効果は、以下のようなものがある。

●島、海馬などの灰白質を増やす。老化によって前頭前野の皮質が薄くなるのを抑える。これらの部位に関連づけられる注意、思いやり、共感といった心理的機能を改善する。

●気分をもち上げる左前頭葉を活性化させる。

●経験を積んだチベット仏教の実践家の間では、周波数が高いガンマ波のパワーが増し、遠くまで届く。脳波とは大量のニューロンが一緒に律動的に発火することによって生み出される弱いけれど測定可能な電磁波である。

●ストレスに関連するコルチゾールを減少させる。

●免疫系を強化する。

●心臓血管系の病、喘息(ぜんそく)、成人病タイプの糖尿病、多発性筋炎、慢性的痛みなどを含むさまざまな医学的状態を緩和する。

●不眠症、不安症、摂食障害などを含む多くの心理学的状態を改善させる。

瞑想の報酬に預かる鍵は、短くてもいいから毎日規則的に実施することです。たった1分でもいいから瞑想しないうちは眠らないと決めてはどうだろう。近くにある瞑想グループ入浴参加するという方法もある。

◉マインドフルネス(集中)瞑想

何にも妨げられることなく集中できる快適な場所を探そう。瞑想は立ったまましてもいいし、歩きながらしてもいい、横たわってしてもよいが、ほとんどのひとたちは、椅子に座るか、クッションの上に座ってする。背筋を伸ばし、リラックスしながら注意が行きと届いた姿勢を見つけてもらいたい。善のことわざにあるが、手綱さばきがうまい人のように、自分の心を扱わなければならない。手綱を引きすぎても、緩めすぎてもだめなのだ。

好きなだけ長く瞑想してもらいたい。最初は5分だけの短めの瞑想からはじめてもよいだろう。30分から60分ぐらい、長く座れば座るほど内面に深く降りていく助けになる。最初にどのくらい瞑想するか決めてもよいし、決めないでやってもよい。瞑想しながら時計を見ても構わない。タイマーをセットしておくという手もある。中には、お香を焚き、燃え尽きたら、瞑想を終えるという人もいる。以下に瞑想の手順に書いておくが、自由に修正していただきたい。

【瞑想の手順】

大きく息をし、リラックスしてもらいたい。目は開けたままでもいいし、閉じてもいい。耳から入ってきて消えていく音を自覚し、あるがままに受け止めよう。この時間が瞑想するための時間であることを認識しよう。快適な椅子に座る前に重いバッグを降ろすように、瞑想している間、一切の関心事を手放そう。もし、お望みであれば、瞑想が終わってから、再びそれらの関心事を拾い上げることができる!

呼吸する感覚を意識してもらいたい。呼吸をコントロールしようとしてはならない。冷たい空気が入ってきて、温かい空気が出ていくのを感じてもらいたい。胸とお腹がゆっくりと上下するのを感じよう。

一回一回の呼吸の感覚に、初めから終わりまで付き合ってもらいたい。心の中で呼吸の回数を数えたくなるかもしれない、、、10 まで数えたらまた1から数え直す。心に迷いが生じたら、1に戻ろう。あるいは自分自身に向かって、「入る」「出る」と唱えてもよい。心がさ迷うのは正常なことである。さ迷ったら、呼吸に戻ればいいのだ。自分自身をやさしくいたわってもらいたい。つづけて10 回の呼吸に注意を留めていられるかどうか見てみよう(最初は、難しいのが普通である)。瞑想をはじめてから最初の数分の相田 英利詩に心が落ち着いたら、ますます呼吸に没頭し、他のすべてのものを手放してもらいたい。呼吸をする単純な楽しみに心を開くのだ。ある程度慣れてきたら、何10回という呼吸をする間、呼吸に専念していられるかどうかに注意してみよう。

呼吸を一種の錨として活用し、心の中を通過していくものをすべて自覚してもらいたい。思考、感情、願望、計画、イメージ、記憶、すべてが来て去っていくのを自覚するのだ。それらをありのままに受け止めよう、それらに囚われてはならない。それらと戦ったり、それらに魅せられたりしてもならない。開かられた意識の空間を通過していくものには、いたわりをもってもらいたい。呼吸をしっかりと自覚しつづけていれば、多分、平和な感覚が広がっていくだろう。心の中を通過していくものの性質が変化していくことに気をつけてもらいたい。自覚の中を通り過ぎていくものに囚われるのがどのような感じか、それらが過ぎゆくのに任せるのがどのような感じなのか注意してもらいたい。穏やかな広々とした気づきそのものを自覚しよう。

お望みであれば、そので瞑想を終わらせでよい。どんな気持ちかに注意し、瞑想がもたらす良いものを取り入れよう。

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安心感は、集中力や直感を高める働きをする。

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●自分を支えてくれる人とつながる

わたしたちか進化する途上では、世話を焼いてくれる人や同じ部族の仲間たちと物理的な近さや感情的な近さが生き残っていく上で不可欠だった。その結果、近さを感じる感覚を活性化することが、より安全に感じる助けになる。

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第5章 まとめ

●自分の身体や精神の健康を増進させるために、心身のつながりを活用するもっとも強力な方法は、自律神経系を誘導することを通して行われる。副交感神経系を刺激することを通して自律神経系を鎮めるたびに、あなたは身体や脳や心を内的な平安と安寧の方向にどんどん傾けていく。

●副交感神経系はさまざまな方法で活性化できる。その中には、リラクゼーション、大きく息を吐く、唇に触れる、マインドフルネスを高める、イメージを用いる、心拍のバランスを取る、瞑想などが含まれる。

●瞑想は注意、思いやり、共感を扱う脳の領域における灰白質を増やす。また、免疫系を強化し、心理的機能を改善する。

●より安全だと故意に感じることは、脅威を探したり、脅威に過剰反応したりする頑固な傾向を制御する助けになる。リラックスする、イメージを活用する、他人とつながる、恐怖そのものに集中する、内的な保護を呼び覚ます、現実的になる、安全な愛着の感覚を増やすといった方法を通してより安全だと感じてもらいたい。

●あなたにとって聖域やエネルギーを充電できる場所に、避難所を見出してもらいたいです避難所になりうるものは、人々、活動、場所、理性のような触れられないもの、真実などが含まれる。

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◉何を除外するか?

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禅の世界には、「何事も除外しないことという言葉がある。「意識から何も除外しない」「ハートから何も除外しない」など。から内輪」のサークルを狭めれば、当然、「何を除外するか?」という疑問が生じる。

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あなたが「内輪」のサークルの外に誰かを位置づけるやいなや、心と脳は自動的にその人物を軽んじはじめ、つらくあたることを正当化する。これは憎しみの狼を目覚めさせ、飛びかかる準備をさせる。自分が一日に何度誰かを微妙な方法で「自分には似てない」「社会的背景が自分とは違う」「わたしのスタイルではない」と分類するかに注意してもらいたい。それが習慣化してしまっていることに気付いてきっと驚くだろう。意識的にそうした区別をやめ、代わりにその人物との共通点や、あなたのその人物を「内輪」にするものに焦点を当てたら、あなたの心に何が起こるだろう。「何を除外するか?」に対する一つの答えは、皮肉にも、否定されたり軽んじられたりすることが多い憎しみの狼そのものである。好むと好まざるとにかかわらず、憎しみの狼はわたしたち一人一人の中に生きている。国中で起きている恐ろしい殺人や世界各地で頻発するテロもしくは拷問、、、あるいは、身近で日常的になされているより目立たない形での乱暴な他人の扱い、、、などを聞いて、頭を振りながら「かれらはどうなってあるのだろう?」と思うのはたやすい。だが、実際のところ「かれら」は「わたしたち」なのだ。わたしたちは人員同じ基本的なDNAを持っている。わたしたちの遺伝的資質の中の攻撃性を否定するのは、苦しみの根源である一種の無知である。事実、集団間の猛烈な衝突は集団内の利他主義の進化を促した。憎しみの狼は愛の狼の誕生を助けたのだ。

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憎しみの狼は人類の進化の過去と、今日の個人の脳の両方に深く埋め込まれており、どんな脅威に対しても吼える(ほえる)準備ができている。憎しみの狼とその進化的な起源に関し、現実的で正直であれば、自分への思いやりをもつことができる。あなた自分の憎しみの狼は確かに飼いならす必要がある。だが、それがあなたのこころの陰に潜み、他の誰よりもあなたを苦しめるとしても、あなたのせいではない。さらに苦しみの狼を認めることは、隣人と口論する、子どもをしつける、仕事場での批判に反応する(いい加減にあしらわれたと感じ、憎しみの狼が動き出す)といったいった状況におかれた際、非常に有益な注意を促す。

2020/09/07