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🌸ブログで読む『ただいま大須商店街⑨-後編-』~OSU五番街計画・賛成派vs反対派~

2021.11.10 07:30



いよいよ動き出そうとしている「OSU五番街計画」。


発展と豊かさは欠かせない。
今、本当に大切にしなければならないものは何かと、生きとし生ける者すべてに問われているのかもしれません。。



🔶前回のお話🔶





杉山議員の演説に賛成派の住民は拍手喝采の熱狂ぶり。
反対派の住民たちは、苦虫を嚙み潰したような顔で呆然と壇上を見つめている。

会場の異様な空気と緊張で、固まる大輔。
その横では久美子が、悔しそうな顔でオロオロとしていました。






杉山議員「ありがとうございます。」






司会者「ありがとうございました!」






司会者「では、続きましてはこの計画の反対派の代表、近藤大輔さん。お願いします。」


久美子(頑張って!)






カチコチに緊張した大輔の耳には、
久美子の声は届きません。







大輔「私は、この計画に反対です。
この大須には…、大須の良さがあり…、それは………」







会場「どうした~!!」


会場「早く~!!」


久美子「はっ・・!」





会場「どうしたーーーっ!!」


大輔「紙⁉」





久美子「(持ってない!!)」





大輔「(あっ…)」






久美子「持ってない!!…あっ…!!」







杉山「(大輔に)どうしました?」


大輔「!!」


杉山「もう終わりですか?」


大輔「あっ!いや、いや……」





杉山「ああ~(大輔を手で制止する)いいです。では、私から質問しましょう。」


大輔「えっ…」


杉山「この、大須の良いところってのは…、何ですか?」


大輔「ああ…」






杉山「このままで良いという根拠は?」


大輔「・・・」


杉山「ちょっと具体的に仰って頂けますか?」


大輔「あっ…ええ~~⁉ええ…」






堪らず、飛び出した久美子。







久美子「大須の街は・・」







杉山を見つめ、大輔を見つめ・・
久美子は覚悟を決めました。






久美子「“ごった煮”だから良いです!」







大輔「!!」


杉山「ごった煮~⁉」






杉山「貴女、いきなりなんですか?」


久美子「あっ…、本来登壇予定だった、松田正の娘です!」


大輔「そう!そう!そうです!」


杉山「ああ!!松田さんの娘さん?」






久美子「大須は、色んな人たちが居て…」


大輔「(うんうんうん…)」


杉山「・・・」


久美子「一見、ごちゃごちゃして見えるけど、それが良くて!!」


大輔「!!」





杉山「ごちゃごちゃの何処がいいんですか?」


久美子「個性があって、魅力的です!!」


杉山「《OSU五番街計画》だって、最先端の魅力がありますよ。必ず…!今よりもお客さんが増えますよ!」





久美子「しかし、それだと…」


杉山「(遮って)ところで貴女…。あの…
大須にはずっと住んでいらっしゃるんですか?」


久美子「(俯いて)しばらく離れていました…。」


杉山「何年ぐらい?」


久美子「27年です。」





会場「おい!何だよそれ~!!」


杉山「27年…。おお~(笑)
27年も街を離れていた貴女が、この街を残せと言っている…。」


久美子「!?」


杉山「(会場へ向かって)皆さん?これ、可笑しいと思いませんか?」





会場「可笑しい!!」


久美子「・・・」


会場「可笑しいぞ!!」


会場「可笑しい!」


久美子「それは…」






久美子「この街を…
出たからこそ分かることもあるんです!」







久美子「27年ぶりに帰って来た、私のことを覚えていてくれた、八百屋の西田さんとか…!」







久美子「同級生の大輔だって…」


大輔「(うんうんうんうんうん…!)」








久美子「昔と変わらず、受け入れてくれて…。
そんなあたたかさが、この街にはあるんです!」


大輔「(うんうんうんうんうんうん!)」








杉山「ああ~~~。やれやれ…。あたたかさですか…」


久美子「!!」


大輔「!?」


杉山「これじゃあ、議論になりませんね…」






久美子「最先端だか、何だか知らんけどねぇ!」








久美子「今までも大須は、何度も危機に晒されては皆で力を合わせてこの街を守って来たんだわ!最先端が何~!?」






杉山「・・・」


久美子「今の大須を壊すなんて、許さない!!」





西田さん「そうだ~!!そうだ~!!」


会場「おお~!!」


久美子「ほら!ほら!見てみぃ~や!皆んなだってそう思っとるんだわ!」





杉山「いや、そう感情的になられましてもねぇ…。
”壊そう”としている訳じゃないんです。
私だってね、この街のことを考えて提案しているんです。リニューアルですよ。」





久美子「!!」


大輔「・・・」


杉山「今はね…。インターネットで何でも買えますけど…。でもね…。街に魅力がないと、皆さん買い物に出掛けないんですよ!」


会場「その通りっ!」







久美子「今の大須にだって、色々な文化を受け入れて来た大須ならではの魅力が…!良さがあります!」


会場「ほぉ~だわ!」


会場「その通りっ!」







杉山「いやぁ…。困りましたねぇ…。」


久美子「・・・」


大輔「・・・」


杉山「ずっと話が平行線で、交わりそうにありません。」







杉山「ここはね…。投票で≪街の皆さんの声≫を聞くことにしましょう!」


久美子「!?」


大輔「・・・?」





杉山「いいですか?皆さん?このアンケート用紙に、【賛成】か【反対】か記入して頂き…」


会場「賛成!」







杉山「…投票は1週間後。」


久美子「!!!」


大輔「・・・!」







杉山「商店街の皆さんの過半数の票を獲得出来たら…。それが、≪街の総意≫ということで…。皆さん、それでよろしいですね?」







会場「賛成!賛成~!!」


会場「楽しみ!楽しみ!」


杉山「では、これで決まりということで…」








久美子(ちょっ・・・)






🔶ロケ地情報🔶


このシーンと、物語のクライマックスシーンと、とても重要な場面の撮影が行われたのは豊橋公会堂。

豊橋鉄道東田本線、市役所前停留所のすぐそばに位置します。


式典や講演会の他、各種イベントにも広く利用されていて、まるでお城みたいな外観はロマネスク様式を基調とし、円形のドームは、スペイン統治時代の建築様式を復興したものだそう。



(※画像は豊橋の観光とお土産ガイド「ええじゃないか豊橋」さんから引用)




撮影は2018年12月4日、5日の2日間。


撮影現場を訪れた、佐原光一市長さんの訪問を告げるこちらの東愛知新聞社さんの記事で知りました。

愛知県は様々なテレビドラマや映画のロケがかなり行われているのことが広く知られています。中でも豊橋は積極的に≪ロケ誘致≫を行っている街。

また実際のロケには、豊橋観光コンベンション協会が運営する「ほの国東三河ロケ応援団」さんの全面バックアップ体制で行われた模様。

松下由樹さん、西村和彦さん、ベンガルさんを始め、市民エキストラさんが約250名も参加して行われた大掛かりな撮影。

緊張感とともに、クライマックスのあのシーンは、ピーンと張り詰めた空気の中、さざ波のような静かな感動が会場全体を包んでいくのが伝わって来ました。



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