Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

八丁堀のオッサン

コロナ禍の今、相次ぐ豪雨や台風の襲来に心躍らないまま溜息さえ出る

2020.09.07 08:26


 米国の童話作家アーノルド・ローベルの作品「ふたりはともだち」に、カエルとガマガエルの話があります。

 春が訪れたころ、カエルはガマガエルの家へ遊びに行きます。

 しかし、ガマガエルはまだ冬眠中でした。

 寝ぼけ眼のガマガエルの気分は冬眠に入った昨年11月のままで、春がやってきたことを信じていません。

 どうしても一緒に遊びたいカエルは何とかガマガエルを起こそうとし、ガマガエルの家にあったカレンダーをビリビリと破り捨てます。

 4月だったのにそれも破り捨て、ガマガエルにこう語りかけます。

 「ガマくん、起きて。もう5月だよ」  

 ガマガエルは起き上がり、カレンダーを見てこう言います。

 「おやおや、もう5月だ」  

 カエルの悪戯を思っても、今年の春の訪れは早過ぎました。

 気象庁の「生物季節観測」によると、春を告げる開花や鳥の初鳴きが平年よりもかなり早い傾向にあったといいます。  

 たとえば梅の開花では新潟市が2月2日に記録し、これは平年より41日も早いものでした。

 大分のウグイスの初鳴きは1月20日で、過去最も早かった2012年の2月1日を抜き去っています。

 福岡市のタンポポは1月21日で、これも平年のカレンダーより1か月以上も早い開花でした。

 厳しい冬の後にやってくる優しく明るい春の訪れは、誰もが待ち遠しいものです。

 しかし、あまりに早い春には「地球温暖化」の心配も頭を過り、コロナ禍の今、相次ぐ豪雨や台風の襲来に心躍らないまま溜息さえ出てきます。