9月7日、あの夢をなぞって
2020.09.06 15:00
どうして誰かを想うとき、
わたしはこんなに悲しくなってしまうんだろう。
あなたが本質的に残像だってことが頼りなくて
手をぐっと握ってしまう。
目の前でよく笑う、よく口元を触る、
髪を撫でるあなたの一挙手一投足が
ほんの少し遅れてわたしの頭に認識される。
そのほんの少しが悲しくて仕方がない。
あなたはすぐにわたしの歴史になってしまうのだ。
わたしという水脈、地層に飲み込まれて
何十億年も前の記憶に繋がっていく。
大きなものに目を向けていると
些細なことがこれまた悲しくなる。
たとえば、あなたの生活のことを想う。
テレビを見てあなたが笑う。
どうして笑えるんだろうと、思う。
だって死んじゃうのに。
いつか死んでしまうのに
なんでテレビなんて見てられるのって。
そんな時間があるなら会いたい。触れていたい。
会っても会っても、
死んじゃったらまだ会いたかったって思うのに。
できるなら、あたたかいあなたに触れていたい。
冷たくなったら冷たくなったで
わたしはそのときあなたをいとしくおもうけれど
できればぬくいあなたがいい。
これってわがままかな?
あなたはすぐにわたしの歴史になってしまうのだ。
歴史の天使になってしまうのだ。
でも、天使は見つけた方がいい。
悲しさは拭えないけれど、
あなたが天使ならばわたしは嬉しい。