聞き取れない瞬間
2020.09.07 10:34
暑い。
私は話しをしている。
やけに明るく青い星が見える
一番星かな?
ふいに
彼が何を言っているのか
全くわからなくなった。
視界の情報量が全て均一に映り込んできて
選択をすることが出来ない。
目の前にある今と
ついさっきの記憶と
古い記憶と
見たことのない記憶
何故か、その全ての記憶達が
均一に、均等に合わさり
熱を浴びて広がってしまった。
混乱
やはり彼が何を言っているのか
何一つ理解をする事ができないままだ。
存在していたはずの言葉の音も
喉の奥で震えて発せられる音も
草の揺れる音も虫の音も
もうしばらく聴いていなかった音も
全部が平等に同じ量、強さを持って
私の中に入ってくる。
どれ一つとして待ってはくれない。
待っておくれ、
少しだけ
待っておくれ。
私にいつも通り選ばせ
あっけなく捨てさせておくれ。