【横浜市立寺尾中学校(後編)】朝の穏やかな時間を手に入れて、子どもとゆったり向き合える幸せを
◆前編はこちら>>「コロナ禍で学校とPTAがタッグを組んでスピード導入!COCOO 24時間欠席連絡&連絡ツール即活用|横浜市立寺尾中学校(前編)
ーーーではここからは、実際に使い始めてからのお話をお伺いしたいと思います。今、一番使っている機能は何ですか。
蛭田副校長:出欠の確認ですね。これは一番使っています。もうどこにも代えられないというか。
ーーー今まで朝の電話は鳴りっぱなしのような状態だったんですか。
蛭田副校長:そうです。実際に使ってみての一番の感想は、とにかく朝の電話が激減したということです。これには本当にびっくりしました。
横浜市の中学校は大体2〜3回線なんです。1,000人いる学校でも3件しか取れませんから、電話はずっと鳴るし、何か作業をしている途中に電話を取って、終わって作業に戻ろうとしても、どこまでやっていたか忘れている。そしてまた鳴る。すごく非効率なんです。
そして保護者からすると、かけてもかけても繋がらない。お仕事前の忙しい時間に何度かけても繋がらない、そうなるともう後回しになりますよね。
安中さん:そうなんです、それで忘れるんですよね。
蛭田副校長:その通りです。そして生徒が登校していないから、こちらから保護者に連絡してみるんですが、今度はもうお仕事をされているので保護者が電話に出られない。
そういった朝の電話のストレスが、COCOOによってなくなりました。朝の貴重な時間を、授業の準備や生徒のために落ち着いて使える。この時間はもう何ものにも代えがたいです。
ご家庭にとっても、24時間受付なのでいつでも連絡できるし、通院のような先に決まっている予定も気づいた時に入れられるので忘れないんですよね。保護者が自分のタイミングで連絡を入れられる。これはすごいなと思います。
ーーーお互い忙しいのに、ストレスでしかないって辛いですものね。
蛭田副校長:それに、もし繋がらないからと後回しにして忘れちゃったら、保護者が「すみません」って言わなきゃいけないじゃないですか。ちゃんとかけたのに。電話が繋がっても、朝だと「熱なのでお休みします」「わかりました、お大事に」みたいな短い会話しかできません。
COCOOで欠席連絡ができれば、お互い忙しい朝にそれもしなくて済むし、夕方には連絡事項などをお伝えするために電話をかけるので、その時にちゃんと話した方が効果的ですよね。先生も保護者も、少し余裕がある状態で落ち着いて会話ができる。お互いにとって気持ちのいいやり取りができるので、すごくいいと思っています。
ーーー保護者としては、COCOOを使い始めてから何かご家庭内での変化はありましたか。
安中さん:うちは個別学級に通っていて、精神的な疲れとかでも休みが多くなりがちなんです。普通の生徒よりたくさん休むので、その立場からすると欠席連絡はもう本当に便利になりましたね。
ほとんど休まない元気なお子さんの場合、欠席連絡は使うことがないので特にわからないようですが、休みがちなお子さんを持つお母さんにとっては、すごく便利になったと聞きます。
場合によっては今週はずっと欠席、となってしまうこともあって、そうなると流石に申し訳ない気持ちになるんです。すごく具合が悪いというわけでもないのに、理由を何て言おうかなとか。子どもが休みがちなお母さんにとっては、そういった気持ちの負担が減っているのは間違いないと思います。こんなに便利なものはないと。
逆に休みやすいので、じゃあ今日はもう休もうかという感じになることもあるんですが、まあそれにしても、気持ちが非常に楽です。
そして、子どもにとってもいいみたいです。いちいち親に電話させなくて済みますし、その電話を聞かなくていいことが、気持ちがものすごく楽みたいですよ。子どもを見ていてわかります。先生に何て言うんだろうとか、やっぱり気になるんでしょうね。だから、不登校のお子さんがいるご家庭とかも、間違いなく親子にとっての幸せだと思います。
ーーー子ども、保護者、先生がみんな幸せなんですね……。では、お知らせ機能についてはうまく活用できているでしょうか。
蛭田副校長:お知らせ機能については、今は紙を子どもに持たせるものもありますし、確実に届けたい重要なものはCOCOOでも送ったりして、ダブルで使っています。
個人としては、紙でのお知らせを完全になくすつもりはないんです。確かにコストなどを考えれば予算負担が減るのですが、子どもたち本人が文字で見るのも大事だと思うんです。担任も配る時に、これは大事な案内だとか説明をすると思うんですよね。そういったことも含めて、予算に問題がないうちは続ける予定です。
安中さん:保護者は、実はそこまで紙のお知らせが大事だとは特に考えていないと思います。子どもは持って帰って来ないし、出さないし。それがCOCOOだと、年間予定にしても何にしても見れば全体がわかるので、本当に助かるというのが大多数です。みなさん年間予定がカレンダーでわかるのはすごくいいと言っています。
蛭田副校長:そうですね、年間予定カレンダーは変更も簡単ですし、同時にお知らせを送ったりしています。特に今はコロナのことで変更ばかりなのでよく使っています。
ーーー今こそあってよかったということなんですね。もし今COCOOを使っていなかったら、どうやって変更をお知らせしていたんですか。
蛭田副校長:紙とメールです。変更、変更で似たような案内がいっぱい届いていると思います。
安中さん:そうなると、どれが最新かわからなくなるんですよね。それが、COCOOだとカレンダーが最新になるのですごくわかりやすい。ここまで年間予定を把握したことは、今までなかったです。しかもログインして開いた画面にカレンダーが出ているから、朝忙しくてもすぐ見られて非常にありがたいです。
ーーー1,000人規模のマンモス校で、しかもコロナ禍で、こんなにスムーズに導入できているのは非常に驚きました。どれだけ大変だったかという苦労話があると思っていたんですが。
蛭田副校長:そうですね、苦労話がなくて残念でしたね(笑)。導入に関して人数の多さというのは関係ないと思いますよ。
ーーーでは、導入を検討している方々に向けて何か伝えるとしたら、どんなことがありますか。
蛭田副校長:それはもう「朝の静けさを手に入れましょう」ですね。本当にこれはすごい効果ですよ。電話は鳴る、会議はある、準備が間に合わない、といったドタバタ感が全くなくなったんです。職員室の朝の雰囲気がガラッと変わりました。
今朝も、打ち合わせが早めに終わると、もう誰もバタバタ動いていなくて、先生方がみんな自分の席で静かに仕事をしているんです。穏やかな朝だなあと思って見ていました。落ち着いた気持ちで生徒と接することができるので、教育的にすごく利益があると思うんです。
ーーーPTAの望みとしては、先生方の負担を減らして、余裕を持って子どもたちとしっかり向き合ってくれること、と最初に安中さんがおっしゃっていたその通りですね。
安中さん:きっと、お金がネックになる学校も多いと思うんです。他校のPTAとCOCOOの話もするんですが、すごく導入したいんだけど問題は費用だと。そこで、PTAの会費が大事だと思うんです。会費の使い方として、どこに重点を置くか、何に使うか。
先生方ではPTAのお金ってどうすることもできないわけですから。PTAの様々な委員会活動や、昔からの慣例で使っているお金を、今の時代にあったものだけを残してちょっとずつ削減すれば、だいぶお金が浮きます。それをCOCOOに使えば、便利なだけではなくて保護者の安らぎも得られる。
学校だけではなく保護者や子どもにとってのメリットも大きくて、しかもそれが全員に還元されるわけですから、PTA会費の使い道としては、こんなに正しいものはないと思います。
ーーーお金だけに関わらず、PTAの協力がないと成立しない取り組みですよね。
安中さん:PTAをやっていると先生方がどれだけ忙しいかがわかります。保護者からすると、教員でしょ、仕事でしょ、という発想になりがちですが、それは私たちと同じ人間ですから、気持ちに余裕がないと子どもとしっかり向き合うなんて無理ですよ。
蛭田副校長:教員だけでなくご家庭だって同じですよね。忙しいのに、なんでこんなに何度も電話しなきゃいけないのってイライラするじゃないですか。
ーーー子どもたちの教育にどう影響するか、大事なのは根底の部分ということですね。
蛭田副校長:そう、重要なのはその根底であって、上っ面はいらない。小手先の便利さや機能ではないんです。子どもが幸せであれば、そのご家庭が幸せに近づくことは間違いありません。子どもや保護者が幸せであることが学校の幸せで、そのためには、先生たちが安定していて余裕がないと絶対にダメだと思うんです。そこが安定するということはすごく大変なことなんですが、これからもチャレンジしていきたいと思います。
帰り際、蛭田先生が「実は写真が趣味なんですよ」と名刺の裏を見せてくださいました。そこにはご自身が高台から撮影した、夜景と打ち上げ花火が収まった見事な写真が。
「先生方に余裕ができたら、こういった好きなことにもたくさん時間を使って欲しいんです。そして生徒にも色んな話をしてあげて欲しいんですよね」と優しい笑顔でおっしゃっていました。
マンモス校でも、コロナ禍でも、ここまでスピーディに導入できたのは、学校とPTAが同じ想いで協力体制を組めたから。COCOOを導入することは、先生方、保護者、そして子どもたちと、みんなの幸せなのだということを、お二人のお話から強く感じました。
取材・文:橋本里香子