【IWSC金賞記念インタビュー】マスターディステイラー井上氏に直接インタビュー
2020.09.09 03:24
先月発表された世界三大酒類品評会のロンドン International Wine & Spirit Competition でLAODIスイートブラウンが金賞95点を獲得したことを記念し、現地ラオスにいるマスターディステイラーの井上育三氏に受賞記念インタビューを行いました。
(写真左:マスターディステイラーの井上育三氏 右:LAODI CEOのシハッタ・ラスフォン氏)
Q1.今回のロンドンIWSC金賞受賞されたご感想を教えてください。ご自身、そしてスタッフ、ラオスにとっての意味も合わせて教えていただけると幸いです。
井上:我々のような小さな蒸留所がつくったラムを評価してもらえたことは大変うれしく思っています。スタッフにもロンドンのコンペティションで金賞をいただいたことを説明しましたが、いまいちこの評価の意味はピンとこないようです。自分の村さえも出たことないスタッフが多く、ロンドン、ましてや世界がどんなものか実感できるものは少ないですね。そんな彼女たちの反応は私にとって新鮮であり、気に入っています。
ラオスにとってですが、長いIWSCの歴史の中で初めてMade in Laosのお酒として、その歴史に登場したことの意味は大きいと思います。
Q2.今まで2018年は香港のIWSCで銀賞、そして昨年のTWSCでも特別賞を獲得されていますが、今回のIWSC金賞をどう感じましたか。連続受賞となるとまた来年も期待が高まりますが、その点はどうお考えでしょうか。
これらの受賞は今までやってきたラム酒作りに対する評価だと思っています。LAODIはまだまだ若い16歳の蒸留所です。これからも新たなチャレンジをしていきたいと考えています。
Q3.スイートブラウンラムのこだわりや秘話を教えてください。
井上:甘さのあるラム酒は世界にはたくさんありますが、我々のスイートブラウンラムは自社さとうきび農園で収穫した、ラム酒づくりのためのさとうきびを使用しています。自然な甘さを追及するために堅い外皮部分を手作業で剥がし、鮮やかな黄緑色をした新鮮なケーン部分のみを60%を超えるホワイトラムに漬け込みました。
この作業は大変手間暇がかかりますが、そこまでしてでも偽りのない美味い酒をつくる。これが我々LAODIのスピリッツです。
Q3.コロナ禍におけるラオスでの生活状況や日本のLAODIファンへメッセージをお願いします。
井上:この国も含め3月下旬から東南アジア各国は陸路・空路の全てにおいて国境閉鎖が続いています。私は日本には帰らず、蒸留所のある村で生活をしていますが、このような状況下でもまだまだ新たな発見があります。この時間を使い、さとうきびの品種別の栽培試験を行うなど、立ちどまることなく、これからも美味い!といえるラム酒をつくっていこうと考えています。今後ともご愛飲よろしくお願いします。帰国して皆様にお会いできる日が来ることを願っております。
取材: 稲子きよみ(株式会社シィクリエイティブインターナショナル)