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MICOTO

ココロの森でのおはなし

2016.07.11 09:20

その日の夜は

ふつうの夜だったの

あまりにもね


いつもどおりだと思っていたし


だけど、胸騒ぎというか

ざわざわと見える景色は揺れていて

すれちがう人たちは仮面のようだし

わたしやっぱりどこか

おかしいのかと思ってしまって

ふつうの夜だと思ったんだけど

どこかがポキンと折れて

深い深い、暗い奥底に落ちたんだ


何もみえなかったから

恐かったんだけど

心の中に透明の石が映って

そうだわたしは、透明の石をもってることを思い出したの


それは、たったひとつ

この世にひとつしかない石で

わたしのためだけに、ノームがつくってくれたものだった


水晶のランタン


手にすると、ほんわかココロでほらね

光りだして

「さあ、行こう!」と言った

わたしは聞き返す

「どこに行くの?」


「どこって、キミはえらばれたんだよ、それは自分の選択でもあるのだけど、この旅にでる人に選ばれたんだ。ここに来たのはキミが感じていたことがおかしいことではなくて

本当のことだったんだよ。まだね、気づいている人は少ないけれどね

キミは気付いたでしょ?

キミはおかしくなんかないの

仮面を付けて生きることを選択しなかった勇気ある人なの。

だからね、これから素顔の自分を見つけに行こう。そうして堂々と自分で生きるんだ。

キミがこの光に導かれ道をつくるよ。

そうして戻って

現実を生きる時

キミはわたしになる。」


「わたしになるって??」


「キミは自分として生き輝く時

水晶になるよ。わたしのように心の中で光る存在。そして、その光は次の旅人を導くようになるよ。」


だいじょうぶ

だいじょうぶ


そうだ わたしはおかしくなんかなかった

みんなとおなじようにすることはできないし

心の声を消すこともできない

仮面は着けられない


それで良かったんだ


わたしがポキンと折れたのは

そこに心の在り処がなかったから

居場所は別にあったから

そこに行くためだったのだ



真っ暗な中で

晴れ晴れと

水晶という透明な石とわたし

ランタンで道をかざして


「さあ、進もう!」