HGUC ガンダムTR-6[キハールⅡ] レビュー
2020.09.13 03:30
今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードユニバーサルセンチュリー より、
“HGUC ガンダムTR-6[キハールⅡ]” です。
“ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに(AOZ)” より、
TRシリーズの最終形、TR-6のバリエーションの1つ、
“RX-124 ガンダムTR-6[キハールⅡ]” が
プレミアムバンダイ限定のハイグレードユニバーサルセンチュリーで発売されました。
ガンダムTR-6[ウーンドウォート]を素体としたバリエーションの1種で、同じくTR-6の最終形態、[インレ]の随伴機として、その護衛を目的とした仕様らしい[キハールⅡ](以降、基本的に[ ]は外します)。
その名の通り、キハール(とその原型であるアッシマー)に相当するもので、もちろん直接の後継機ではないのですが、機種統合計画においては後継機という・・A.O.Zならではのややこしい設定(笑)。
さらに複数の仕様変更機や色違いの機体があるようですが、今回キットされたのはいわゆるティターンズカラーの標準仕様・・ということになるのかなぁ?
ちなみに、単体での購入以外に6個まとめ買いが可能なページも用意されていました。インレに搭載される数が最大6機ということでなんでしょうね。
とくにセットで専用の箱に入っているわけではなく、あくまで単品6個のまとめ買いというだけのようでしたが。
それではレビューしていきます。
キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールでの仕上げです。
MS形態
素体であるウーンドウォートに飛行能力強化用のオプション、キハールⅡユニットを装備した形態。
キットもウーンドウォートに新規ランナーを追加したものになります。
頭部前面と胸部外装、それに腰部フレームはキハールⅡ形態を前提とした新規造形パーツが使われているので、オプションユニットを外すだけでティターンズカラーのウーンドウォートにできるわけではありません。
パーツは余剰でそのまま付いてくるので、組むことはできますが。
オプションユニットは上半身に集中しており、下半身はほぼウーンドウォートのまま。
ただ、本体に対してオプションユニットがかなり大きく全身をすっぽり覆うような格好になるため、シルエットはガラリと変わっています。
小さな子供がぶかぶかのポンチョを着ているような感じですね。
さらに胸部から長く伸びたバインダー(?)も特徴的。
ティターンズカラーのせいもあるのでしょうが、ウーンドウォートの可憐で女性的なイメージはほぼなくなった印象です。
強大なトサカ状のアンテナを備えたユニットは腰部フレームから繋がって背中越しに頭部後方に位置しており、頭部とは連結はしていません。
両肩のユニットは胴体と腕部の間に追加されたフレームに接続され、腕部とは独立して可動。ユニット自体に可動部があり、若干の左右スイングが可能です。
脚部は先にも言ったように素体のままなので、スキッドを展開することで接地状態にもできますが、重量バランスが酷いため、自立ほぼは不可能。
胸部のバインダーとの3点支持でなんとか立てないこともない、という感じです。
お馴染みのタッチゲート式の簡易スタンドが付属。専用アタッチメントでのディスプレイが基本となります。
色分けに関しては例によって細かい部分が足りませんが、ティターンスカラーということもあってあまり気になりませんので、今回は塗装なし(笑)。
一方で、肩のユニット内側のスラスターはしっかり黄色で色分けされていたりします。
付属武装
コンポジットシールドブースター
TR-6系がほぼ共通して装備している複合武装。
特集ページにも載っているイラストで装備しているのは明らかに違う形状のものですが、キットに付属するのはこれまで同じ基本仕様。
今回は汎用持ち手による保持のみとなるので、非常に不安定です。
しかも前腕に装着するシールドが干渉するため、素体状態が持つとき以上に取り回しも悪いです。
クローモードへの変形ももちろん可能。
肩への接続もなんとか可能ですが、オプションニットが干渉するで画像の状態からほぼ動かせず(説明書には肩への取り付けは記載されていません)。
射出状態を再現するためのリード線も付属しません。
ラージシールド
前腕に装備されるシールドでスプレッドビーム(拡散ビーム)砲を内蔵。
名称にはラージと付いていますが、サイズ的にはむしろ小型の部類になるような・・
ヘイズルⅡが装備していたものと同じもの・・というか、そもそもこのキハールⅡの本装備ですね。
ヘイズルⅡからの流用ではなく新規造形になっているのですが、
横幅がけっこう違っています。
左が今回のキハールⅡ、右がヘイズルⅡに付属するシールドです。
ヘイズルⅡの企画段階でキハールⅡの発売までは想定していなかったことがよくわかります・・
なお、変形にも必要なパーツなので左右両方の腕に装備されます。
腕部への接続には専用アタッチメントを使用。
左から右手用、左手用、そしてヘイズルⅡに付属したアタッチメントです。
ヘイズルⅡ用とは軸の位置が違いますね。
腕部は素体のままなので、アタッチメントの共用は可能です。
MA形態
キハ-ル、そしてアッシマーのそれを踏襲したような円盤状の飛行形態。
アンテナは収納されユニットごと機体前面に移動、胸部のバインダーは左右に分割されて後ろに回り、肩のユニットはシールドと連結されて本体を守るように側面に配置されます。
本体の変形は素体状態からあまり変わらず、脚部が折りたたまれ、リアアーマー(ブーストポッド)が前を向いて上半身を覆い隠すようなかたちになります。
キットでは例によって差し換えによる再現となり、腕部を除く上半身はそっくり専用パーツと交換します。
折りたたまれた脚部も、相変わらずとくに固定はされません。
しかし素体状態でもそうでしたが、MA形態でメインの武器をマウントできないというのはどうなのか・・?
なお、サブフライトシステムとしての運用も想定されているそうですが、グリップなどもありません。適当なところにしがみつくのかな?
スタンド用のアタッチメントはMS形態と共用です。
中間形態
説明書ではとくに言及されていませんが一応再現可能。
MA形態から手脚のみを展開した形態・・ということのようですが、MS形態とさほど変わりがないです。
アンテナユニットが横向きに、肩のユニットがシールドと連結状態のままこれも横を向いているくらい。
まぁ、確かにMSとMAの中間ではありますが。
武器には設定画などで持ってるヘイズルⅡに付属していたライフルを持たせてみました。
そもそもこのライフルもキハールⅡの基本装備になるんですかね?
背面は・・ブーストポッドの向きはこれで正解?
なお、肩のユニットとシールドの連結には実は差し込み位置の選択により2パターンあり、
中間形態では少し外側に開くこの状態が正しいものと思われます。
もちろんこれも、説明書ではとくに触れられていません。
比較画像
同じティターンズカラー縛りで、ヘイズルⅡ、ハイゼンスレイⅡと。まずはMS形態で。
素体状態に大型武装を追加しただけ(ではないけど)のヘイズルⅡと、TR-6シリースの最終形としてコアとなるプリムローズⅡを2機搭載し、分離合体を可能とした大型機、ハイゼンスレイⅡ、そして今回のキハールⅡ・・それぞれにコンセプトも異なりますが、とくにキハールⅡは見ためもかなり異質ですね。
MA形態でも。
MS形態もそうですが、ベースは同じながらここまで形状の違うMA形態になれるのがおもしろいです。
アッシマーとその後継機であるアンクシャと。MS形態で。
このレビューを書くまで、アッシマーの試作機がキハールだと思っていたんですが、違うんですね。
いや、プロトタイプアッシマーとか言われたらそう思うじゃないの(笑)。
まぁ、そもそもアッシマーはティターンズ製じゃないんですが。
アッシマーの試作機を接収して独自の改修を加えたものがキハールで、今回のキハールⅡはそのキハールに近い機能を持ったオプションユニットを増設したウーンドウォートということは、結局のところこの3機に血の繋がりはないという・・
実際に並べてみても、思ってたほど似てなかった・・
まぁ、頭部(キハールⅡの場合はその後ろのユニット)の形状がなんとなく似てるかなぁ、というくらいのことですか。
MA形態でも。
一応、みんな円盤形。
アッシマー、アンクシャのまとまりのよさに較べると、キハールⅡはかなり強引な部分はありますが。
一方で、アッシマーはともかく、キハールⅡとアンクシャのMA形態にはなんとなく似た部分があります。
たぶん設定上の繋がりはなにもないと思いますが、アンクシャがUC96年に連邦軍が運用したMSということを踏まえると、なにかしらのフィードバックがあってもおかしくない・・とか考えてしまいます。
以下、画像
小柄な本体に大きめのオプションをすっぽり被っている状態なので、本体の可動がほとんど目立ちません。
というか、満足に動かせるのは脚部くらい。ほかは常にどこかが干渉するのため思うように動かせず、なかなかのストレスです。
まぁ、イメージ的にあまり派手なアクションをするような機体でもないので、飛行姿勢がそれらしく決まってればいいという気もします。
しかし相変わらず・・というか、これまで以上にコンポジットシールドブースターの扱いが難儀です。サブアーム的なものでの補助があればよかったんですが、それもないし。
クローモードで。
肩のユニットの角度もちょっと変えて、さらにあまり曲げている印象のない膝も曲げてみると、けっこう雰囲気が変わりましたね。