ポケモンGOと旅行・観光
「ポケモンGO(Pokemon GO)」が海外で大人気だ。
まだ日本ではリリースされていないものの、日本でも話題になっている。
日本でも流行することは確実で、「ポケモンGO」を旅行や観光に役立てられることも確実だろう。
既に「ポケモンGO」はスポンサー向けのプログラムを検討している。
Financial Timesのインタビューにて、NianticのCEO(最高経営責任者)であるJohn Hanke氏は、アプリ内課金とは別に「スポンサード・ロケーションが新たなビジネスモデルになる」と予告。「仮想マップ内にある場所に足を運んでもらうため、スポンサー料が支払われるだろう」と述べています。
「レストランの外に40人以上が集まっているので何かと思って尋ねてみたら、ポケモンジムがあるんだってさ」とツイートする人がいるように、意図せずポケショップやポケモンジムといったロケーションになってしまった場所にも多くのPokémon GOユーザーが集まっており、その集客力は侮れないものとなっています。
スポンサーロケーションを使えば観光地にレアポケモンを出現させられ、それを目当ての旅行客を呼び寄せられるようになるだろう。
日本のここにしか出現しないポケモン等も出せるのであれば、海外からもその場所に押し寄せ、日本旅行をいわゆるゴールデンルート以外へ拡張させることも促進できるかもしれない。
「ポケモンGO」の開発は位置ゲーム「Ingress(イングレス)」の開発会社が担っている。「Ingress」は「ポケモンGO」よりもマニアックだが、非常に熱狂的なファンを生み出し、「Ingress」の陣取り合戦をやるためにゲームの重要なキーとなっている観光スポットを目指して旅行に出かけたり、各観光地の活性化に役立った。
私自身も一時期「Ingress」プレイヤーで、普通の旅行の味付けとして「Ingress」もやりつつの旅行をしたことがある。
「Ingress」のポータル(ゲーム内で重要な場所)があるからとわざわざ寄った観光スポットもあった。
その場では複数の「Ingress」プレイヤーがいて、皆が普通に観光している場所でスマホのなかで戦いを繰り広げていたものだ。
「ポケモンGO」は「Ingress」よりも知名度があるキャラクターを用いているため遊びの敷居も低く、プレイヤーも多いゲームとなるだろうから、今後「Ingress」と同様かつさらに大きな事例が多く出てくるに違いない。
「ポケモンGO」にしても「Ingress」にしても現実の世界の地図を塗り替え、リアルだけを見ている人には見えない仮想の世界をレイヤーとして配置するAR技術を利用した遊び方だ。
昨今、旅行の一ジャンルとして確立されたアニメの舞台への聖地巡礼も概念的にはこれに近く、AR技術を用いているわけではないが、そのアニメを知らない人にはまったくわからない場所や建物等を新たな価値ある記号として人を実際に現地まで移動させる力がある。
こうした既存の土地に新たなレイヤーをかけて価値を出す手法は古くから映画の撮影場所などへの観光や歴史マニアの旅行などがあったが、今後はARという新技術を用いたり組み合わせたものも地方創生の一手段として増えていくだろうし、旅行事業や観光産業に携わるものはこうしたものをどんどん活用したり生み出していかなくてはならない。