Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

妄想列島

少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口38-

2020.09.11 12:00

38  サンクの言葉



部屋に戻った白兎が彩里水にキャンドーとのことを話すと、彩里水も

「おお!味方が増えるの心強いな!」

と、キャンドーを連れて行くことを快諾した。

白兎は手を洗おうとサンクのところへ行く。

手を洗おうと手を蛇口の下へ出そうとしたとき、ふと、先程までと蛇口の形が少し違うような気がした。

――・・・?気のせいか。・・・あれ?

蛇口の下に手をかざしているのにまた水が出てこない。

1度手を引っ込めてもう1度同じ動作を繰り返すが反応はない。

――あれ?

「サンクさん、これって手を出すんでいいですよね?」

先程挨拶をしたサンクに、白兎は尋ねてみる。サンクからの返事はない。

――・・・っく!なんだよ!大きな独り言になっちゃったじゃん!返事ぐらいしてくれよなー。

仕方なくもう1度同じ動作を繰り返すがまたしても反応はない。

――あれ?また?またですか!?またしてもオレがちょっとばっかり可愛い顔してるからって嫌がらせでも始まってるんですかねえ。

白兎は卑屈にそう思ったものの、先程との形の違いに違和感を覚えていたためもう1度よく蛇口を見てみる。

すると先程とは違い、蛇口に手動で開閉できるバルブのようなものが付いていた。

――変わった形だけど、もしかしたら・・・。

バルブを横に動かしてみる。すると蛇口から水が出てきた。

――あ、出た。・・・あれ?さっきと出し方違うってこと?さっきはなかったよな?

頭に次々と疑問が浮かんでくるが答えが確かめようもないので、手を洗いそのまま水を止めて立ち去ろうとすると、声がした。

「コツは信じる事って言ったでしょ?君はいつも、何か信じ切っていないんですかねえ?」

そう言いながらサンクはまた白兎にウインクしてくる。

白兎は少し不満げな顔を浮かべながら答える。

――なんだよっ。人の質問には答えてくれないでわけわかんないことばっか言って・・・。

「それ、さっきも言ってたけどどういう意味なんですか?」

白兎は不満な顔を隠さず聞いた。

「君は信じてるの?って聞いてるんだよ。」

「・・・何をですか?」

「それは、いろいろさ。」

「・・・はあ?」

「まったく。・・・話が通じないねえ。まあ一つ助言をするとしたら、この国は信じる事が大切ってことを親切な僕が教えておいてあげるね。」

「はあ。」

サンがの言っていることの意味はよくわからなかったが、これ以上は話したくなかったので、白兎はその場から離れた。