農協の課長に転生した儂がドロップ☆3の低火力スキルだったけど自己回復部分のおかげで半分鬼の美少女と能登無双な件 4
信長の野望20XXの二次創作です。
「思ってた○○像と違う」あったらごめんなさい。
読みたい人だけどうぞ。
~~~能登進軍中~~~
翌朝。
「こほん。我々はこの山の中腹にある地点を目指す。」
豪姫はタブレットに表示された地図を皆に指し示す。
「天狗が現れたとの話じゃ。そやつを倒せば此度の任務は完了、暫しの休暇となる」
「さて、この天狗じゃが...時に小野寺殿」
豪姫がタブレットの表面を人差し指でぺんぺんぺんと突きながら言う。
「『でーた分析』によると天狗は、小野寺殿のような術使いに弱い...こちらから見ると相性が良いというわけじゃ」
豪姫、妙玖、そして橋姫の期待の視線が小野寺に注がれる。
昨日の今頃は「よくわからないおじさん」だった彼が、今や「頼れるおじさん」として認識されているのだ。
「やってくれるな」
「御大将殿の仰せとあらば」
「よし、本日の先駆けは小野寺殿とし、二陣を橋とする。橋はくれぐれも無茶せぬように。出陣!」
道中、四人は粛々と「仕事」をこなしていった。
橋姫は昨日と異なり、味方から突出することもいたずらに敵を嬲ることもなく、鬼も獣も屍も妖も淡々と狩っていく。
機構の秘蔵っ子と噂されるだけのことはあるのだろう。
先程まで晴天であったのが急に曇りだし、ぽつりぽつり、と雨が降ってきた。
(...?鳥が飛ばぬ)
瞬く間に、ざあざあと強い雨に変わる。
「皆さん、雨合羽を」
四人は持参した機構特製のレインコートを羽織る。
(...雨の匂いがせぬ)
周囲に霧が立ち込める。種子島と異なり、現代兵器は降雨で使えなくなることはないが、小野寺の持つパニッシャーのような、重量級の兵器は扱いづらくなる。
(...よもや、これは何らかの術ではあるまいな)
その時、豪姫の持つセンサーが作動した。
「皆!...来るぞ!向こうから来おった!」
最初、霧中に立つ巨木にも見えたそれは...ばっさばっさと翼をはためかせ地より浮かび上がっていた。
天狗。一体は紅の袴、もう一体は白の袴。前衛に芋虫のようなものが3体。
「お目出度い成りをしおって。橋、まずは前衛を!」
豪姫の指示に応え、橋姫はすっと手をかざす。
紫色の毒霧が芋虫を覆うと、難なくそれらは動かなくなった。
しかし、紅白天狗に動ずる様子は見えない。何やらぎゃあぎゃあと紅白で相談しているような仕草だ。
「小野寺殿、私の合図で飛び出し、次こそ天狗めにトドメを刺すのじゃ」
「...情けない話をするが、儂の術であれを倒せるのであろうか」
「小野寺殿?」
「...儂には、化け物を倒す才が無いのかもしれぬ」
昨日、そこな橋姫の前で格好つけて諭したのはなんだったのだろうか。
「...デラさん...そんな」
一同、つかの間の沈黙。
豪姫が小野寺の前に立ち、ずいっと顔を近づける。雨合羽の下、金に染めた髪から雨が滴っている。
ーーーーーだーっ!
ぱちん。
「な、なにをするか、小むす...御大将!」
その手の趣味でもなければ、いきなり頬を叩かれるのはたまったものではない。
「外の国の『闘魂入れ』じゃ!小野寺殿...」
「格好よいところを、また私たちに見せておくれ」
豪姫の真剣な眼差し。妙玖も橋姫も、深く頷いた。
一瞬の光の後、天狗は地へと撃ち落とされた。
雨はぴたりと止み、雲が動く。
「デラさん!」
近づいてくる橋姫の声がする。
息子たちに会えるのはまだ先の事かもしれない。だがそれまでの間、この部隊に居てもよいかもしれない。
やがて雲のあいだから陽が差し、野は雨の滴を輝かせていった。
~~~おわり~~~
以上、20XX二次創作の試みでした。
農協要素全然無くてすいません!