わたしは、湯浅譲二です
「わたしは、湯浅譲二です」
開演の合図はこの一言から。
壇上に立った湯浅先生が今日のコンサートについて話している。
私は先日ブログにも書いた湯浅譲二先生の80歳記念コンサートに来ていた。
先生の話が終わり、会場は暗闇に包まれる。
そうすると、先程先生が言った言葉「わたしは、湯浅譲二です」と「お楽しみください」
の言葉がいろいろな角度から聞こえてくる。
その声は段々とBlessの多い声に変質していく。
最後の「お楽しみください」が終わった後、パッと明るくなり、壇上にはピアノ二台。
サーカスバリエーションが始まる。
・・・という具合にコンサートは始まりました。
後、歌曲やハープと自然音(テープ)、トリオなどの曲が演奏される。
転換中には、谷川俊太郎さんとの短い対談もありました。
全て書いてはキリがないので少しだけピックアップして記します。
数日後に"死"を迎えることになる武満さんが、亡くなる直前先生に、
自分の代わりに書いてくれと頼んだヴァイオリン協奏曲(トリオ)、これがとてもよかった。
頼まれたときには誰も予期しなかったそうだが、結果これが湯浅先生が友人に送る追悼の曲となった
『ソリテュード・メモリアル・イン T.T.』
この曲は、楽譜を見ながらもう一度聴きたい。
クラシックの現代音楽というものに遠ざかってしまっていた自分にとって
今回のコンサートをどう感じるだろうかと思ったのですが、
私にとってはとても楽しいコンサートでした。
”小難しい”と捕らえられがちな現代音楽ですが、
そうではない部分、システマティックな中に人間味のようなものを感じられるコンサートでした。
そして、『サーカスヴァリエーション』については、エンターテイメント精神に溢れているというか、
これは誰しもが楽しめる作品だと感じました。(勿論、好みはあると思いますが)
最初に記した色々な角度から聴こえてくる声。
4Chのスピーカーからだったのに4方向ではない所から聴こえ、不思議に思っていたのですが、
コンピュータのプログラミングでそんなことが出来ちゃうらしいです。
だからなんだってことを記してしまったのですが、
本当に、昨日の、これは日記。
では、今日はこのへんで。 昨日の話、でした。 Au Revoir!