【練習法】高く跳ぶためには”BEAT”と”POP”の動きを身につけよう
『Beats & Pops』
--- "The Pole Vault -A Violent Ballet", p.140より
Beating the Tip
“Beat the tip(ポールの先端を追いかける)”は、助走後半、選手が踏み切りへと向かう時の加速を指します。
選手は、ポールの先端がボックスの壁に当たる前に、踏み切ろうとします。
ポールの先端がボックスに当たるタイミングと同時に、踏切ができれば、それは良い踏切です。
Beating the Tip(ポール降ろしに注目したポール走)は、重いポールを用いてトラックで実施するのに最適なドリルです。
重いポールでActive pole dropをすると、選手は、そのポール降ろしのタイミングが早すぎる/ 遅すぎることを感じとることができます。ポール降ろしが早すぎると、助走は失速し、重さにより突っ込み動作が難しくなります。
ポール先端を追いかけようとすれば、選手の動きのリズムは高まり、踏み切りに向けて走ることができます。
バランスのとれたスムーズなポール降ろしができれば、良い姿勢のまま、脚は踏み切りに向けて回転し、体から空中に向けてポールを押し上げ、加速するような突っ込み動作に繋がります。
シーソーのように、体は持ち上がり、ポールの先端は落下し、地面に当たります。
選手は、動きのシンプルさと流れ(フロー)を感じるでしょう。
正しくできれば、この動きは簡単に感じられます。
ポールを降ろすタイミングが早すぎる/ 体から遠すぎる/ 遅すぎると助走は失速し、「重いポール(ポールを重く感じるため)」を突っ込むことは、動きを乱します。
ひとつアドバイスとして:ポールの先端が体を離れる(ポール降ろしを開始する)前に、加速をしていることを確認してください。あなたが加速しリズムをあげる前にポール降ろしを始める、追いつくことができません。
The Hollow POP
ポールの先端がボックスの壁に当たる直前に、選手は肩からさらに伸展(Hollow)を行うべきです。この伸展では、頭を潰すかのように三角筋と上腕二頭筋で顔を挟みます。
The hollow pop(踏切での伸展)は、肩周りが緊張し、身体が伸び切らず、筋力で身体を固めて、突っ込み動作を行うのとは反対の動きです。
突っ込みの動きは、ポールの先端がスライドし、ボックスに当たるのと同時に、斜め上方向に向けて、止まることなく、加速しながら、そして“non-stop attack of extension (伸展し続ける動き)“であるべきです。
選手が踏み切ると、体の前面が大きく伸びます。The hollow popは、エラスティックな踏切をすることにつながる、突っ込み動作です。
The “Elastic Pop” From a Blocking Blast
グラスファイバーポールが登場し、長年、練習で用いられてきたドリルに“Blast”があります。選手はポールを曲げますが、スイングはしません。
このドリルを行う時に2つの方法があります。
1つはブロック(両腕をまっすぐにして固める)方法で、もう1つは下の腕(右利きの左腕)が曲がりながら体の上まで動くようにする方法です。
ブロックして行うblastは、主に、踏切でポールと体の間にスペースを作ることを選手に教える方法です。つまり、ポールを曲げる時の「伸展を作る」方法を、選手に教えるための方法です。ただし、ポールの曲がりが低くなり、選手の体は固まり、止まってしまいます。この技術は、選手が跳躍をする時には使えません。
選手がブロックする方法で踏切での伸展ができるようになったら、次に、肘を曲げながらもポールに力を加えることで、体が(右利きの選手の場合)左腕の下まで進んでいくようにさせます。
動きがポールの曲がりに与える影響は、驚くべきものです。
踏切後にエラスティック(体が硬直せずに、伸展する)ことで、ポールの曲がりはより高くなり、選手の体を引き上げ、そして選手自身を空中に弾き上げます。身体が左腕の下まで進むことで、ポールの湾曲と身体が連動すると、体を上方へと弾き上げるようなポールの動きに繋がります。
ポールは選手に違いを教えてくれます。エラスティックな動きをすると、ポールの動きが変わり、そして身体が垂直に持ち上げられます。
これは確かに起こります。
Beating the Bend and Feeling the POP !!
ポールの曲がりに対抗する、つまり、選手が垂直方向に「強く」ポールを押し返す(Realign)すると、その瞬間にスイングが加速します。
Realignとは、ポールの曲がりに対抗して、腕/肩を再び垂直方向へと伸展させる動きです(踏切時のHollowの位置に上肢を戻します)。
この動きが、高速で大きな、積極的なスイングを引き出し、そして連動することで、選手は自然と、ポールが曲がっている間に、ポールの湾曲の上へとスイングできます。
正しく行うことができれば、ポールが伸展するときには、選手は垂直に逆さまの姿勢になることができます。
身体が真っ直ぐの姿勢でポールの伸展を受けられると、身体を押し上げられ、さらに上へと上昇していきます。力強い“realign / swing”動作ができれば、選手は空へと打ち上げられるように感じます。
エラスティックな突っ込みができなければ、realign(ポールを押し返すこと)はできません。
選手の身体が大きく伸展し、ポールの曲がりと一体となることで、垂直方向へのポールの押し返しが可能になります。そして、選手は、上肢を再び垂直方向へと進展(Re-hollow)させるためにも、左腕までは身体が進んでいる必要があります。
スイングを行ったとき、ポールが曲がっているままのとき、垂直方向の倒立になっているとき、そして選手が真上へと弾き上げられた時に、動きが正しくできていることがわかります。
(Translate: 榎)
より詳細な内容、コーチバトラーによるイラスト付きの解説は、本書中にて!!
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