#富田高久 - 三角形力学と人体 #丹田 #正中心
富田高久 - 新解・肥田式強健術入門 第一回 「肥田式強健術とは何か?」様より
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詳しくは一番下を参照。
古来より、丹田の位置は臍下三寸(ヘソの下三寸・約9センチ)と称され、曖昧模糊としていましたが、肥田春充先生が自分の身体を実験検証した結果、人体の物理的中心はここにあると、「正中心」としてはっきりと示され、その著書『強い身体を造る法』(1916・大正5年刊)に発表さています。
そこにはこう述べられております。
「人間の精神にも身体にも中心があり、中心に触れない精神修養はそれが如何に偉そうに又如何に形式が備わっていても全く無価値なものです。
中心を土台としない肉体の鍛錬も労多くし効果が極めて薄弱であると断言する。
身体の中心とは幅も厚さもないただその位置が一点にあるのみ。
解剖模型と生きた人間とを対照としながら幾何学、力学、生理学を応用してまず腰椎と仙骨との接合点に力を入れて反った姿勢を造りそこから臍の方へ地平に対して平行線を引き、鼻柱と胸骨の中央から地平に対して垂直線を下ろし先の平行線とが臍のところで直角に交わる。それと仙骨の上端と恥骨を結ぶ線とで直角三角形ができ、その各々の角を二等分した線を相対する辺に結びつけると三線は一点で交わる。
その点が人間を一つの物体と見たとき重心となる。
そこが人間の中心(※筆者注 正中心)となる。その点を円心として先の直角三角形に内接した円を描く、円を標準として腹の中に球を想像する。
腹に力を入れると球の表面から球心に向かって同一の力量で圧迫すると中心力が生じる。この球は力学的無形のものである」
また、この「正中心」を得るために必要な、正しい姿勢については、
「両足を直角に踏み開いて立ち体重が踵と爪先とに等分に落とす。
爪先と爪先を結びつけ両足の中心線(爪先の幅を二等分した点と踵と幅を二等分した点とを結んだ線)を後方に引いて直角三角形とする。
各辺を二等分した直線を相対する角に結ぶ。そうすると三線が一点で交わる。正中心球の球心がこの点に落ちてこの線が垂直となる。