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市場の変化に乗り遅れるな!チームでデザインが機能するための仕組みづくりと育成のポイント

2016.07.25 03:00

こんにちわ、スワンです( 'ω')

夏だしちょっと外に出かけたくなるこの頃(梅雨は致命的ですが...)

ということで、先日7/8に開催されたService Design Night vol.2 〜 “ユーザーに愛されるサービスデザイン”と“組織作り&デザイナー育成” 〜に参加してきましたのでざっくりレポートしようと思います。



目次


1.Service Design Night とは
2.デザインが機能するための仕組みづくり

 2-1.なぜ仕組みなのか

 2-2.デザインを組織のものにする

 2-3.ミドル人材の育成

3.まとめ




1.Service Design Night とは

事業開発やプロダクトの構築プロセスにおいて、 ビジネス要件に偏ったユーザーファーストでないプロダクト開発になってしまう。ビジネス、エンジニア、デザイナーでコミュニケーションが分断され、デザイン思考を活用したプロダクト開発ができない。意思決定プロセスが不明瞭で、ユーザビリティに欠けたちぐはぐなプロダクトが出来上がってしまうなどの課題を持つサービス開発チームは少なくない。
 組織・チームとしてデザインを実践していくために何をすべきか、デザイナー育成をどのように取り組んでいるのか?など、登壇者と来場者でディスカッションを通して、プロダクト開発に関わる人々のデザインへの理解を深め実践へ活かしてもらうことを目的としています。


個人的には他社の仕組みと育成についての話が気になって参加しました。

それではさっそくレポート行ってみよう( 'ω')




2.デザインが機能するための仕組みづくり


最初にに登壇された上谷さんを始め、終始仕組みについての話題が何度も上がりました。デザインを仕事で機能させ、理解してもらい、成果につなげるための仕組みづくりとはどんなものでしょうか。

(デザインへの期待値上げすぎおじさんが個人的にツボでした、笑)


2-1.なぜ仕組みなのか

昨今でデザインの領域は異様に膨れ上がっていて、UIUX,ディレクション、マーケティング、エンジニアリング...加えて経営層の間でもデザイン思考の経営がバズワードであったり、フルスタックデザイナーと呼ばれるような人材が必要だとネットでも騒がれる記事が多い。社会的にもデザインやUXそのものの価値が押し上げられている波をひしひし感じているしそれはデザイナーとしても嬉しい時代の流れではある。


うん!その理想はすばらしい、けど現実は? 



上谷さんの場合は創業期にCTOがいたのでエンジニア主導で開発が進み、デザイン、企画、マーケ部分はメンバー個々のスキルとパフォーマンスに依存していたそう。しかし規模が大きくなったり、会社を移ったりする中で現場からアピールするボトムアップのやり方では限界があるし長期的に見て思想が曲りやすい、会社やプロダクト全体を引っ張るようなミドルデザイナー自体の育成も追いつかないと感じたそうです。


あと、そもそも一人で出来ることじゃない

プロダクトにおいてデザインの必要性や重要性がどれだけ叫ばれようとも、結局は絵に描いた餅にならないためにはエンジニアやマーケターなど様々な人の協力が必要不可欠です。デザイナー1人で全部やれる人もごくごく稀にいるとは思いますが、非効率だし思考や発想が尻すぼみになる危険性もはらんでいます。


ということは、やはり周りの協力=理解が必要ということ。なので理解と協力を促すためのアプローチの1つが今回の議題にもなる「仕組みをつくる」ということに繋がっていきます。  



2-2.デザインを組織全体のものにする。


まず、仕組みづくりの土台に当たる部分です。今回はあくまでデザインへの理解が浸透していない組織へのアプローチ方法の話です。


①フィロソフィーを作りデザインへ一貫した考えを持つ

フィロソフィーは英語でPhylosphy、日本語ではつまり哲学のことです。

難しく見えますが、要は会社にとって「何のためにデザインするのか」「そのためにはどんなデザインであれば正しいのか」といった解をみんなで持つことです。俺のデザインといっていいほどにデザインへの感覚やイメージ、捉え方はまさに人によって千差万別です。そこでデザイナーのためのフィロソフィーではなく、他職種の人が理解できるような一般的に落とし込まれた哲学をつくること。


使いやすさのためのデザイン、ブランディングのためのデザイン、安全のためのデザインなどなど。自分の会社やチームにとって「何のためにデザインを取り入れるのか」を共通認識として持っておくだけで目線が合い、議論が主観的に四方八方に飛び火するのを防ぐ効果がありそうです。またそこから具体的なアプトプットをしたときに先述の「なぜ」を掲げておけば「どんなデザインが正しいのか」が自ずと見えてくるので「女性はピンクで!」みたいな場当たり的なジャッチも避けることもできそうです。


②様々な方法で社内外に定期的にアウトプット

組織にデザインの正しい立場や役割、意義を理解してもらうためにまず上谷さんは意識して外部のデザインイベントでの登壇回数を増やしたり、社外の講師を招いてデザインのワークショップを非デザイナー層に頻繁に開くなど、社内でのデザインの印象づけにすごく気をつけているように思いました。

またポイントは、第三者からの声の方が浸透しやすいということ。内部がゴリゴリに意見を押し付けるのでは「どうぜ自分の立場を良くしたいだけ」と逆に悪く見られてしまうこともあります。そういうときに外部での活動や評価は目に見えてフラットですし受け入れやすさも格段に違うこともあるようです。


③企画や開発にデザインを組み込む

理解が進んだら、実際に現場で成果を上げていく段階に入らなければなりません。例えば昨今で話題のモックアップの作成です。私はアプリ開発に携わっているので特に感じますが、企画や開発においてデザインで頭を引っ張ることの大きなメリットを実感しています。それは決して「デザイナーが開発のトップへ!」とか「企画はデザイナーがするもの!」という話ではなく、言葉だけでは議論が進まないときの潤滑油としての役割や、複雑化するプロダクト開発において作ってみたけど思ったのと違った、もっとこう良くできたなどの理想や妄想がもたらす後の祭りにならないためにデザインやデザイナーができることがもっとあると思います。


[実際にモックアップを導入した例]


このように①〜③を通して、まず共通の思想を共有し、次にその意義を理解してもらい、最後に現場で実感してもらうという仕組みの広げ方の流れになります。一見遠回りなようですが、一番納得感を持ってお互いが進めていける方法だと思います。もちろん①と②がささっと済んですぐ③の段階へ行けるチームもいれば、①で躓くこともあると思います。それは会社やチームそれぞれで違ったタイミングや方向があると思うので、ときには②や③から始めてみて、現場が回り出したところで他のことを試すのもいいと思いました。



2-3.ミドル人材の育成

それなりにデザインをできる人はいくらでもいる。でも提案された内容の落とし穴を別の角度から提案したり、周りの能力を引き上げたり、その人の行動や発言が職種にかかわらず周りへ影響を与えられるような人材はいそうでいないのが実情。

近頃、こんな声を聞くことが増えたように思います。

これからのデザイナーに必要と思われるスキルはおおまかに3つ。


ハードスキル

photoshopとかIllustrator、sketchにコーディング、swiftなど


ソフトスキル

働かないとわからないスキル。

ex) マネジメント、リーダーシップ、ディスカッション、アジャイル回しなど。


メタスキル

ハードとソフトを使いこなす、生かすスキル。

また一般的に「組織に適応するためのスキル」「知識・技能を生み出すための技能」および「学習を進めるためのスキル」などとも言われています。


厄介なのは、ただただ目の前の膨大な量のデザインをこなしてもこれらは身につかないということ。また基本ハードは変化が激しいのでソフト/メタを重視すべき(逆に言うとハードは使えて当たり前、最新情報もキャッチアップする意識がなければいけない)これらを身につけ使いこなす人材をミドル人材と位置づけ、チームにおいてこれらをもつデザイナーをいかに増やすかが良い開発やUIUXを生み出す鍵にもなる。


ただそんじょそこらにいないのでみんなで成長し、また育てなければならない。

手始めに以下のことを実行してみよう。


対策1:成長グラフを書く

デザインを始めてからどういう成長曲線で自分が成長したかを書いてもらう。自己俯瞰できてないとふわっとした緩やかなグラフになる傾向がある。強い成長体験や失敗だんがあると上下に激しくガクガクしたグラフになる。面接で使うのもいい。


...わたし就活の時、面接でこれ書かされました(笑)

めっちゃガクガクしてたきがする( ˘ω˘ )


対策2 : 個人のビジョンを持つ

具体的な目標と達成する年を決める、できれば3年〜10年単位で(アンカリング効果あり)例えば五年目までにディレクターになるとか、XXXでデザインの発表するとか。

上に立つ人間は良きリーダーである必要ななく帆走者になり、できるなら目標が見えない人がいるなら対話を続けてアイスブレイクするまで付き合う。言語化できてないことや想像できてない部分を引き出してあげる(ただしその場で全部言うと長期的に見て育たない)

常に自分の成長をドライブできる状態にする意識を持とう。


またハードは得意だけどソフトは苦手、ソフトは得意だけどハードで新しいものを導入するのは腰が重いなどなど各々の中で得意不得意があると思います。その落とし穴になっている部分を埋めれるように意識し、可能なら穴が逆の人と一緒に仕事できるとお互いのいいところを参考にできるのでベストかなあと思いました。またそれが実行できるサポート体制や押される雰囲気がある組織でありたいですね。



まとめ

改めて、デザインで会社を乗っ取ってやろう!なんて思ってるデザイナーはそうそういないと思いますし(笑)絶対こうしたほうが会社のためにもプロダクトのためにもなるんだけどなあ…という貢献の気持ちのほうが実際は多いと思います。それをいかに相手に伝えられるかがこれからのデザイナーにとって肝になると実感しました。

そして今回の勉強会を経て個人的に勧めたいことは2つ。


デザイナーこそ、もっと発信しよう。

もともとコミュニケーションが苦手で表に出たがらない人も多いのは事実ですし、気恥ずかしさや下請けでクライアントとの苦いトラウマから、足を突っ込まないほうが良い、言われたとおりにしたほうが摩擦が起きないようにしたほうが安全だとすり込むような社会の流れがあるのも確か。ただ、結局それでは本来デザイナーがJOINする意味が半分も生かせない、積極的に声をあげ対話をすることを強く意識した方がいい。


「自分は何を提供できるのか」

「それがチームや開発にどうメリットが生まれるのか」


少なくともこの二つははっきりと人に言えるようにならなければと思います。

あとはどうしても内部で落ち着きがちだけどブログでも登壇でもLTでもなんでもいいから外部への発信も心がけたいですね。


育成力のある組織を作ろう。

おんぶに抱っこではしょうがないですが、やはり組織としてのレベルを上げる意識が持てないデザイナーはチーム開発向きではないと思います。個人のスーパースター選手がいるのはもちろん素晴らしいことですが、その人が周りを生かせないむしろ潰してしまうようであればチーム全体のレベルはその人に依存してしまいます。またここで指す育成対象は決してデザイナーtoデザイナーだけでなく、エンジニアやマネジメント層まで広げていくべきものです。自分も含め、周りを引き上げるようなデザイナーでありたいとも思いました。


おまけ:すべてにデザインは必要なわけではない

ちょっと番外編で面白いなあと思ったのが、すべての企業やチーム、業界に必ずしもデザインは必要でないということをデザイナーは認識した方がいいよねって話。フェーズ的にもいらないこともあるし、そこで変にデザインを持ち込むのはデザイナーのエゴであり避けなければならないよねって。



以上、Service Design Night vol.2のレポートでした!

ちょっと長くなってしまいましたが、改めてデザイナーに求められるスキルや立場が社会的にどんどん変わっていっていることを再認識した日でした。この転換期とも言える時期に自分の波に乗れるよう日々精進していかねばなりませんね( 'ω')b


それではまた!