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芭蕉と藤袴

2020.09.13 02:33

https://ameblo.jp/ouroboros-34/entry-12606708307.html 【回文俳句日記6月25日兼題「短夜(みじかよ)」「藤袴」】 より

  短夜の白けゆけらし野よ赤染み

  ———みじかよの しらけゆけらし のよかしみ /

短夜(みじかよ):夏は夜が短く暑苦しいので、すぐに夜明けになるように感じる。「明け易し(あけやすし)」「明易(あけやす)」いずれも同じ意味の、夏の季語。

白けゆけらし:「白(しら)け」【動詞】白く(下二)の連用形。気づきの助動詞「けり」と、推定の助動詞「らし」が付いて縮合した。

もう夜明けなのか、思いなしか野のものが赤らんで見えるが、夜はしらしらとなっていっているらしい。

俳句ポスト365の兼題が「藤袴」で思案中です。

「藤袴」に芭蕉の句があって、〈藤ばかま誰窮屈にめでつらん〉(「雁がねも」の巻(あら野))。

「袴」の戯称を「窮屈袋」と言ったらしい。「はかま」そのものはゆったりした衣服で、決してキュークツなものではない。芭蕉のころは「窮屈」の意味が現代とは異なり格式ばった礼服としての佶屈を言ったものではなかろうか。越人がこれに付けて〈理をはなれたる秋の夕ぐれ〉。理屈を言っても始まらん、と前句に、詮索するような余情があるのを窘めるかのような受けをしたと学者の解説にあるが、これは解釈が間違っていると思う。むしろ越人は芭蕉に同調しているのだと見る。越人の付けは「おっしゃるとおりですね。自然は偉大ですよね。フジバカマなんてチンケな名をよそにやさしく咲いている。にんげんの粗雑な営為をよそに秋の夕暮れの凄いこと」であると思うのです。


『増殖する俳句歳時記』検索: 20040927

www.longtail.co.jp/~fmmitaka/cgi-bin/g_disp.cgi?...

-キャッシュ

同じく秋に分類している金子兜太編の歳時記によると、秋の七草の一つである「 フジバカマ」を昔は「ラン」と言ったからだと書いてある。だから、芭蕉や蕪村の句の蘭はフジバカマのことかもしれないのだが、こればかりは ...


芭蕉の藤袴の句が検索できない理由でしょうか?


https://kotobank.jp/word/%E3%83%95%E3%82%B8%E3%83%90%E3%82%AB%E3%83%9E-1585969  【フジバカマ(読み)ふじばかまEupatorium japonicum Thunb.ふじばかま / 藤袴学】 より

キク科の多年草。茎は直立し、大きいものは2メートルに達する。葉は対生し、下部のものは3裂し、裏面に腺点(せんてん)がない。8~10月、茎上部に散房状花序をつくり、頭花を多数つける。頭花は普通、淡紫色の管状花5個からなる。古く中国から帰化したという説もあるが、中国から日本に分布する自然野草の一種とする考えもある。秋の七草の一つとしてよく知られるが、最近ではほとんどみかけなくなった。一つにはフジバカマが生育するような平地の自然草地が、開発によってほとんど姿を消してしまったことによる。薬用としては、利尿、通経、黄疸(おうだん)などに用いる。[小山博滋]

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中国では古くは蘭(らん)とよばれ、紀元前の『易経(えききょう)』や『礼記(らいき)』にその名はみえ、蘭と同義の(かん)はさらに古く『詩経』に顔を出す。蘭は現在ラン科の植物に使われるが、『楚辞(そじ)』(2世紀までに成立)には「蘭草大都似沢菊」(蘭草はだいたい沢菊に似る)の記述があり、キク科であることがはっきりわかる。それが現在のランと同名でよばれたのは、ともに芳香を有するからで、区別する場合はフジバカマに蘭草、ランに蘭花をあてる。蘭の香を孔子は「蘭当為王者香」と表現した。日本には上代に渡来したと推定され、『日本書紀』の允恭(いんぎょう)天皇紀には、のちに皇后となる忍坂大中姫命(おしさかのおおなかひめのみこと)からブユを追い払う鞭(むち)にと庭の蘭をむりやりもらう闘鶏国造(つげのくにのみやつこ)の話が載る。山上憶良(やまのうえのおくら)は『万葉集』でフジバカマを秋の野の7種の花の一つにあげるので、当時すでに野に逸出していたことがわかる。名は藤袴の意で、筒状の花を袴に見立て、藤色とあわせてつけられた。[湯浅浩史]

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『万葉集』(巻8・山上憶良)に秋の七草の一つとして詠まれ、早くから知られるようになった。『古今集』には「何人(なにひと)か来て脱ぎ掛けし藤袴来る秋ごとに野辺をにほはす」(秋上・藤原敏行(としゆき))などとあり、その名から「袴」が連想され、薫香やほころびが趣向として詠まれている。『源氏物語』では、「匂宮(におうのみや)」で薫(かおる)や匂宮の体や衣服の薫香の表現に用いられ、「藤袴」では喪服の「藤衣(ふじごろも)」を意味する歌として詠まれて巻名にもなり、自然の花としてよりも、人事的な意味で用いられていることは、和歌の場合と同様である。

 異名を「蘭(らに)」「紫蘭(しらに)」といい、『拾遺集(しゅういしゅう)』、『源氏物語』「藤袴」、『平家物語』巻5「月見」に記され、『古今六帖(こきんろくじょう)』6の項目名も「らに(蘭)」である。季題は秋。[小町谷照彦]