Dacora 35 C
Made in W Germany の表記があります。Dacoraは、ドイツで比較的安価なカメラを製造していたメーカーのようです。
こちらは、1972年に会社が買収され製造終了する直前の最後のシリーズです。
プラパーツが多く使われて安価な感じですが、自社シャッターだったり底面にワインドがあったりでおもしろい。
中でも1番好きなところは、前面のレリーズボタンがエレベーターのボタンみたいでかわいいところ。
不具合箇所
■シャッターが押せない
■巻き上げが出来ない
■セルフタイマーの粘り
■フィルムカウンターのカバーが無い(自作か代替品探す)
■ボディに錆多い
■ファインダー、レンズ汚れ
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軍艦を開ける
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ファインダーしか入ってませんが、軍艦から開けていきます。
リワインドはネジ1本で外れます。
上面2本のネジと後ろの1本のネジ、横の裏蓋ロックのカニ目(カニ目は順ネジ)を外すと軍艦部分を持ち上げられます。
シューと横のネジ基部にリード線が繋がっているので、ハンダを外しておきます。
プラスチックのファインダーカバーを外し、ファインダー内を清掃します。
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シャッターを開ける
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シャッターを開けて、セルフタイマーの粘り取りとレリーズ出来ない理由を探ります。
銘板はねじ込みではなく、接着剤でくっついていたので隙間にドライバーを差し込み持ち上げます。
距離環のネジ3本を外すと、前玉を外すことができます。
その下のシャッタースピード切替環、真ん中のカニ目で中玉を外します。
シャッタースピード切替環の下にクリック感の為のベアリングボールが入っています。無くさない様に。
シャッター内を直接操作するとシャッターは切れます。
シャッターが切れないのはレリーズボタン付近と、リンク部分に原因がありそう。
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シャッターユニットを外す
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レリーズ部分を見る為、シャッターユニットをボディから分離します。
前の貼り革をベンジン等を使って剥がします。
ネジ4本が見えたら、外します。
底面カバーも邪魔なので外します。巻き上げが動かない原因もみてみます。
ワインドノブの貼り革を剥がし、ネジ3本を外します。
両サイド2本のネジを外すと、底面カバー外れます。
巻き止めロック解除したら、ワインドまわりました。
シャッターが切れない為、巻き止め解除出来ず巻き上げノブが回らなかったみたい。
まだレリーズは出来ないので分解進めます。
底面カバー外した時、なんかパーツが落ちてきた。
フィルムカウンターカバーだ!ラッキー作らなくてすんだ。
シャッターユニットを本体から抜く際、巻き止めロック付近にシャッター金具が引っかかるので、斜めに抜きます。
軍艦部に伸びたリード線を穴から抜くと、シャッターユニットはボディから分離できます。
金具と後玉を外します。
構造を見ていて、レリーズ出来ない理由分かりました。
レリーズリンク金具が変形して、シャッターを押し切る前に外れてしまうみたい。
金具の変形を戻すと、ボタンでレリーズ出来る様になりました。(⌒▽⌒)
背面の板も少し外しにくいので、上側から下のチャージ穴へ順に抜いていきます。
これで、絞りとシャッター羽だけのシャッターユニットに分離出来ました。
セルフタイマーの粘りを取りたいのですが、自社シャッターは参考文献が少なく戻せなくなるので分解したくありません。
ズルしてこのままベンジンにつけて、セルフとシャッターを切りまくります。
これで、セルフタイマー、シャッター共に快調になりました。
残り作業のサビ取りをして、最後に無限遠を出して終わります。