少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口44-
44 みんな役に立ちたいんです
キップとクップは初めにベドとドッベの2人にここを本気で出ようとしていることを告げた。
ベドとドッベは予想通り、キップとクップを応援すると言ってくれた。
「・・・そうか。まあおまえたち2人はずっとそう言ってたもんな。」
ベドが言うとキップが答える。
「はい。」
「オレたちももっと身軽ならなー。一緒に行きたいけどな。」
ドッベは遠くを見ながら言った。
「ああ。だけどオレたちはどこへ行くにも重すぎるし遅すぎるからな。・・・おまえたちが出て行くならそれを応援するよ。」
「そうだな。・・・でも、もう会えなくなるよな。きっと。」
「・・・はい。」
「まあ、いつかはこうなる気がしてたよ、オレは。寂しくなるな。」
無理矢理のように明るい声を出して、ベドが言う。するとクップは涙声で答えた。
「僕たちにとってぇ、ベドくんとドッベくんが1番身近なお兄さんたちでしたー。僕ら2人の関係はぁ、お2人の関係を見習ってできあがったようなものですー。」
「・・・今まで本当にありがとうございました!」
キップとクップは声を揃えてベドとドッベにお礼を言った。
「でも、おまえたち2人でどうやってここから出るんだ?見つかったら最悪、ここに戻ることもできなくなるぞ。当てはあるのか?」
「・・・それについてなんですが・・・。」
キップとクップの2人はいつものように息をピッタリ合わせ、交互に彩里水と白兎一緒に行くこと、みんなで立てた作戦のこと、ベドとドッベの協力が必要なことを説明をした。
「なるほど。あの2人とね。確かに、二度とない機会かもな。」
ベドが納得したように言う。
「・・・でも、信用できる2人なのか?」
ドッベは、出会ったばかりの2人について行くと言っているキップとクップに少し不安を感じている。
「信用できるかどうか・・・正直、僕らも出会ったばかりのお2人がどういった方なのかそこまでわかりません。でも、僕らが彼ら2人が来たこと、そして、2人がここから抜け出そうとしている話をこっそり聞いて、連れて行って欲しいと提案したんです。」
「そうですー。そして僕らがついていくことをアッサリ許可してくれたばかりか、僕らがあまり役に立たなくてもむしろ励ましてくれたりするんですー。」
「はい。出会ったばかりですが、彼らはきっといい人です。それに、僕らは物型ですから純人型の彼らに使用していただけることが1番の喜びです!」
「え?あの2人・・・。純人型なのか?」
彩里水と白兎の2人が純人型と聞いてベドとドッベの顔つきが変わる。
「そうですー。」
「ベド、どうする?正直、オレたちにとっても純人型の役に立つチャンスは滅多にない。いや、これを逃したらもう二度とないかも。またとないチャンスだし、純人型の役に立つのはオレらにとっても夢みたいなことだ。・・・オレはキップとクップの2人が出て行くのに彼らが必要ならば、応援したい。」
「・・・そうだな。純人型に使用してもらえるチャンスなんて、もう二度とないかもしれない。キップとクップと過ごせることももう二度ないかもしれない。それなのに、疑うことばかりで自分のできることを出し惜しんでも仕方ないよな。」
「そ、それじゃあ・・・。」
キップとクップの2人はベドとドッベを期待を込めた眼差しで見ながら言う。
「ああ!オレたちにも協力させてくれ!」
「ベドくん、ドッベくん、あ、ありがとうございます!」
「ありがとうございますー。」
キップとクップは泣きながらベドとドッベにお礼を言った。
つづく