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【特別出演】泡瀬京太郎保存会

2020.09.16 05:00

「泡瀬のチョンダラー(京太郎)」 


沖縄市泡瀬(あわせ)は、太平洋に面した潮の香が満ちた風光明媚な地域です。戦前は「アーシマース(泡瀬の塩)」で有名でした。
 沖縄市には「泡瀬」の名前がついた自治会が 4 つあります。
今から 120 年ほどの明治時代からの古い集落が「泡瀬」、その後戦後すぐにできたのが「泡瀬第一」と「泡瀬第二」、そして昭和 60 年代の「泡瀬第三」と続き、それぞれの人口は 9300 名、3600 名、1000 名、2500 名で、泡瀬と名の付く四つの集落合計では、人口 1 万 6 千名となります。

 「泡瀬のチョンダラー(京太郎)」とは室町時代の首都であった「京都」から伝来した芸能集団のことで「京都からきた太郎」を意味します。
 これから上演する泡瀬のチョンダラーは、明治後半に泡瀬の青年が首里の芝居役者から習い受け、伝統文化座として泡瀬地域で保存継承が行われてきて今年で 114 年となります。
 チョンダラーは、2010 年にユネスコ世界文化遺産に登録された「組踊」へ影響を与えたことから沖縄市や沖縄県から文化財指定を、また文化庁から国選択を受けました。
 泡瀬の京太郎芸は、陣羽織衣装と黒衣装の二種類の演者と三線ジカタが演じます。
 陣羽織演者は、胸前に小太鼓を着けて両手の撥(バチ)で独特のリズムをとる太鼓打ちと腰に馬の頭部の形をしたものを付け手綱(たづな)を操る馬舞者(ウマメーサー)。
 また黒衣装の陣笠姿の舞い手は、今回は 4 名で踊りです。通常は 10 名前後で演舞します。
 舞台入場の出羽(ンジファ)は三線の早口説(ハヤクドゥチ)で登場します。
 ジカタが歌詞の一節を謳うと、舞い手たちが一節を謳う。これを繰り返しながら行進してきます。
 演舞者は「扇の舞(オージヌメー)」で手に扇子を持ち、太鼓のリズムにあわせて囃子歌を歌いながら踊ります。歌詞に「お祝いの万歳」など祝福の意味が含まれています。
 「御知行(ウチジョー)」では陣笠踊りを演舞、歌詞に「御知行は一万石」など知行地の収穫の豊かさを升(ます)で墓って祝うという意味が含まれています。
 「馬舞(ウマメー)」は馬頭の二人が万歳(まんざい)のように交互に抑揚をつけてウチナー口独特の言葉や台詞でやりとります。
 「鳥刺し舞(トゥイサシメー)」は鳥餅(トリモチ)棒で、鳥刺しのやり方を伝授するようなコミカルな仕草と鳥の真似をする演技や演舞を表現しています。
 太鼓打ちや囃子の言葉は、沖縄の古い言葉遣いであり、意味が難解な箇所が多くあります。