Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

高橋キノエネのーと

20200915所感

2020.09.15 16:19

8月28日午後2時過ぎだっただろうか。仕事の移動中の車内でその速報に接した。

「安倍首相 辞任の意向固める」

一瞬、頭が真っ白になったのを覚えている。嘘だろ…と。

あまりの衝撃でその後の仕事は身が入らないというか、どこか上の空で、とりあえず午後5時に始まった総理会見は仕事しながらBluetoothイヤホンで聞いていたけれど、全くもって頭に入ってこない。ただ、次の言葉だけは強く深く私の耳に届き、いつまでも残った。

「拉致問題をこの手で解決できなかったことは痛恨の極みであります。ロシアとの平和条約、また、憲法改正、志半ばで職を去ることは断腸の思いであります。」

私は自民党の党員でもなければ党友でもない。けれども安倍晋三という政治家が掲げている政治的な理念や国家観、にじみ出る信念といったものは第1次安倍内閣のルポ本やいくつかの新書、記事などを読み通じて、極めて難しい国際情勢下あるいは国内の様々な問題が山積する中において、2012年12月の総選挙によって誕生した第2次安倍内閣こそが、バブル崩壊後の失われた20年、リーマンショックによる経済の悪化、マスコミ扇動型ポピュリズムによって誕生した民主党政権という暗黒期によってすっかり閉塞してしまった日本を立て直してくれるんだ!と強く思っていたし、現に安倍首相はこの約8年間で経済を立て直し、世界をリードする外交を展開し、諸問題を着実に解決してきた。

故に、自らの手で解決するという強い意志を示していた拉致問題や日ロ問題を解決することなく、また憲法改正を遂げることなく総理大臣の重責を退くはずはないと思っていただけに、私の中ではそのショックはあまりに大きいものだった。

だが、当の本人が最も辛く苦しいものだと感じているはずであって、耳に残る安倍総理の言葉は、ただただ悔しい思いが伝わってくるものだった。この夜、ネット動画で改めて会見を見直して、伝わってくるその悔しい感情に涙を流しながら聴いていた。

その日から当分の間、「安倍ロス」であったことは言うまでもない。


この約8年間、安倍内閣によって私の生活が改善したと思ったことは無い。

よくマスゴミが街頭インタビューで程度の悪い質問をしているけど、1億2千万人以上いる国民すべての運命を抱える国政によってチッポケな一人の国民の生活が劇的に変化することなんて滅多に無い訳で、それを尺度に政治を論評することはあまりに馬鹿げているので、敢えて述べておく。


明日9月16日。歴代最長の首相在任期間というまさに歴史に名を刻する安倍晋三総理は内閣総辞職する。

8年近くこの日本を守り抜き、世界に堂々たる姿勢を示し、国民に寄り添い、リーダーとして走り続けてこられたことに深く感謝したい。そして、ご苦労さまでした。


願わくば、体調が万全になった暁には、再び表舞台に立ち、成し遂げられなかったことを今度こそ果たしていただきたく存じ上げます。