音楽が脳を育てる!(6)~音楽で思いやりのある子、我慢強い子が育つ本当の理由
前回は音楽のトレーニングによって、子どもの脳が変わるというお話をしましたが、
今回は「音楽で我慢強い子、思いやるのある子が育つ」つことを実証するかのような、
「マシュマロテスト」についてご紹介します。
マシュマロテストとは、スタンフォード大学で、行われた有名なテストです。
「今すぐならマシュマロ1個あげるけど、もう15分待ったら2個あげるよ」と言って、どちらを選ぶか観察するというようなテストです。
音楽トレーニングを受けたグループは、このマシュマロテストもいい数値らしいのです。
前回の南カリフォルニア大学の研究で、音楽トレーニングを受けた子に、このマシュマロテストをしたとのこと。
ハビビ先生のインタビューより
「検査のために子供達にはMRIに入ってもらい、その中で、やりたいことを途中でやめて、すぐその場でやりたくないことができるか、という自制する力のテストをしました。
さらに、ハビビ先生は言っています。
『音楽の授業は楽しいし、子供達を一つにまとめることができて社会性を養うことができるし、それ以上に脳と認知機能の発達に重要で、特に実行機能の発育に効果的で、衝動を抑えるという先生達が教えたいことを、音楽の授業で身に着けさせられる。』
音楽トレーニングを受けると、我慢強い子が育つのですね。
これは、ピアノの練習をすることでも養える能力です。
ピアノの練習は楽しいことばかりではありません。
特に同じことの繰り返しが苦手な小学校低学年以下の子どもたちには、
負担に感じることも多いようです。
我慢強さは、社会における成功に重要な能力とされています。
それを音楽を学ぶことで、自然に身に着けられるって、素晴らしくないですか!?
また、思いやりといった社会適応能力も身につくようです。
ハビビ先生のインタビューより
『音楽グループの社会適応能力、特に共感や思いやりの気持ちが高く、他人の気持ちを理解して同じ気持ちになれる能力が高かった。
この能力は実行機能よりも更に音楽的能力とはかけ離れていますが、グループで音楽を演奏する時に自分を制して周囲の音を聞き、また指揮者に注意を払い、その指示に従うなどの行動が、実際には意思決定能力や将来を考える計画性といった能力までも養っている。』
ハビビ先生の研究結果
音楽トレーニングを受けたグループは
当教室でも3か月に1回、グループレッスンを行ったり、リトミックも取り入れています。
それが、他人を思いやる気持ちを育み、コミュニケーション能力が向上していくことを、実感しています。
普段学校や幼稚園で接している子どもとは別の子どもと、音楽を通してコミュニケーションをとるのが、子どもたちにとって、いい刺激になっているようです。
最初は、恥ずかしくてレッスン室に入れなかった生徒さんも、何回かグループレッスンを行ううちに、皆の前で発言したり、演奏したりできるようになっていきます。
今回ご紹介した実験結果で、それが科学的に実証されてきて、
子どもたちに音楽を教える仕事をしていて良かったと思いました。