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思い込みは力3

2020.09.20 23:42

思い込みは、全ての人がもっといます。どんなに冷静に議論しても、それぞれの立場でしか見ようとはしません。


なぜ、このような話しを続けるかというと、鍼灸は、目に見えない経絡や穴を扱うからです。

経絡や穴は、上から下に物体が落ちるような明らかな現象ではありません。あると言えばあり、ないと言えばないものです。経絡も穴も、あると思わなければありません。

しかし、歴史が証明しているように、あると思えば、起こる現象なので、それに魅せられて様々な人が長年研究をし続けてきた結果が残っている訳です。ないとする方が異常ですし、効果がないとする方がおかしいのでは?


最初からないと思って穴や経絡を探っても、見ることも触れることもできないという特殊性を持っています。そこで、あるという前提で手の大腸経あたりを触って見ると大腸経が指先に触れます。しかし、ないと思って触れると何も触れません。

昔の人は、きっと人間の解剖を行って人間の身体の中で動き続ける臓器を見た時、これがつながっているだろうと言う予測をしたのだと思います。

そこで生きた人間でそれを調べてみると、このような経路があるのではないかとしたのだと思います。しかし、その当時は、今の図に示されたように確定したものではなく、もっと乱雑なものだったのではないかと思います。


そして議論を重ねて今のような形にして誰もが利用しやすいようになったのだとしたら、もっともっと原点のような経路があるはずです。それはかなり大雑把なもので、今のように、まとまっていたとは思えません。

そして、これも人によって見え方が違っていたと思います。つまり、それぞれがかなりバラバラで曖昧だったと思います。それをつなげて今の経絡のような流れにしたのだとしたら、図にかかれた経絡の流れそのものを疑う必要があると私は考えています。


そんな経路の治療で穴の効果を出せるのか?

出せます。


これは臨床上断言できるのですが、本来、穴や経絡というのは、あってないものです。決まっていません。術者がどう捉えるかで大きな変化をします。しかし、今のように、これが大腸経、これが胃経と決めてしまうと、経絡の本当に生きた姿を見ることはできません。つまり効果を半減させていると言えます。


一つ一つの経絡も、それぞれのシステムとして考える必要があると私は考えています。バラバラだったシステムを総合的に合わせたらこんな形になりました。というのが今の経絡の姿であり、実際のものとは違うようにも思えます。しかし、原則は、身中を早いスピードで巡って全身に影響を与えている。そういう姿が経絡なのではないかと思います。


物質的なものであったとしても人は見え方が違うのですから、目に見えない経絡は、もっともっと変化するはずです。変化しないとする方がどうかしている。それなら経絡を固定的に考えるのではなくもっともっと動的に考えた方が絶対に正しいと思っています。

反論があるのはわかりますが、人間の見え方ということから、このことを説明してみたいと思ったのでシリーズにしてみました。