アウトドアは簡単だ!
新型コロナの影響でにわかに注目を集めたアウトドア。でも難しそうと躊躇している方も少なくないのでは?須坂市内と野尻湖でアウトドアの楽しさを体験するイベントを主宰している山﨑晶之さんに、アウトドアにかける思いを伺った。
山﨑さんの後ろに写っているアートも、端材を組み合わせて山と湖を表現した作品
こんな楽しいことしてお金もらっていいの?
山﨑さんとアウトドアの出会いは中学生の時。群馬県高崎市に住んでいたが、夏休み中、野尻湖でマリンレジャー関係事業をしている父親の友人の元へ行かせられた。(地元にいると悪いことばかりするから、だそう 笑)湖でのアクティビティは今でこそSUPやウェイクボードなど様々なものがあるが、当時はモーターボートやアヒルボートくらい。しかしながら、野尻湖にはペンションラッシュに湧いていた斑尾から学生のお客さんが押し寄せ、人を楽しませてお金をもらえることにカルチャーショックを受けたそう。
1997年に野尻湖に移住し、4月〜10月はバス釣りやレンタルボートをメインに、5・6月は関西から来る修学旅行生に向けてカヌーやいかだ作り・釣り・サイクリング、7・8月はウェイクボードやバナナボート、11〜3月はワカサギ釣りを提供した。1年を通してどう湖で楽しんでもらうかを企画し、働きながら空いた時間で遊ぶ生活。やがてキャンプの師匠と呼べるような人との出会いがあり、どんどんアウトドアにのめり込んで行った。
※SUP…スタンドアップパドルボード サーフボードのような板の上に立ち、カヌーのようなパドルを漕いで水面を進む
アウトドアを気軽に楽しむ暮らしを提案したい
常日ごろから百々川緑地は犬の散歩をしによく訪れていて、こんなにいい所なのに活用されていなくてもったいないと感じていたそう。また、アウトドア=キャンプのイメージがどうしても強く、初心者には敷居が高いと感じている人が多いことも気になっていた。「アウトドアとライフスタイルをつなげたら、もっと自由に、もっと身近に楽しめるのに、と思ったんです。自宅の庭やベランダに椅子を出して外の風を感じながらコーヒーを飲む。それだって立派なアウトドア。」
また、近年自然災害が多発・甚大化しているが、災害時にもアウトドアの道具や知識は大活躍。アウトドアの可能性と必要性を確信した山﨑さんは、2019年に臥竜公園を対象に実施されたトライアルサウンディングに事業者として手を挙げ、キャンプの講習会や火おこし体験などのイベントを行った。2020年3月にはキャンプサイトやキャンプ講習、マルシェなどアウトドアを楽しむライフスタイルを提案するイベント「Outdoor Lifestyle and Feel Suzaka」を企画。しかし新型コロナウイルスの影響で延期し、今年10月10(土)・12(日)に規模を拡大して開催する。
※トライアルサウンディング…公共施設を試験的に民間事業者に使用してもらい、市場調査を行うこと
トライアルサウンディングでの焚火ワークショップ 薪をナイフで削ってフェザースティック(着火のための部材)を作っているところ
サマーランドでのSUP体験も提供
遊んでゴミが無くなれば最高
山﨑さんがもう一つ力を入れているのが「アップサイクル」。リサイクルは不用品を再利用することであるのに対し、アップサイクルは不用品に手を加えてカッコよく(=価値を高く)して再利用することだ。20代前半の時に訪れたアメリカのフリーマーケットで、ジャンクアート(ガラクタを利用した作品)がけっこういい値段で売っているのに衝撃を受けた。
そんな山﨑さんは、仕事や遊びの合間に流木や倒木を拾い集めて、色々なものを作る。その時にゴミが落ちていれば、ついでに拾う。ストイックに環境保護、というよりも自分が遊ぶところを気持ちよく使いたいという思いからだ。そして、拾ったゴミで何かを作れば、それはゴミではなくなる。遊んだ結果ゴミがなくなれば、最高だ。
不用品をアップサイクルした作品の数々
左上:スプーンを加工したネックレス 中:パラコード(パラシュートに用いられるコード)を編み込んだ取手のプレート 右:空き瓶と端材の壁掛けフラワーベース
今後も須坂市内でアウトドアの楽しさを伝えるイベントやワークショップを開催していきたいとのこと。初めての方もこうした機会を利用して、アウトドアの世界に一歩踏み出してみよう。
Naturance OutdoorStyle(ナチュランス・アウトドアスタイル)
住所 <須坂オフィス>長野県須坂市須坂369-32
<野尻湖ベース>長野県上水内群信濃町古海4437-1
TEL 090-1401-9414
※掲載内容は2020年9月15日現在の情報です。内容は予告なく変更になる場合がございます。