カンチェッレリーア宮(尚書院宮)Palazzo della Cancelleria
1485年着工、1513年完成の初期ルネッサンス様式のカンチェッレリーア宮(尚書院宮、Palazzo della Cancelleria)は、枢機卿ラッファエーレ・リア―リオの命で建設。ローマにおける初のルネッサンス建築である。
レオ10世が自分への陰謀を企てた枢機卿からこの建物を没収した。
現在はヴァチカン市国の尚書院宮として証書類を作成する施設などとして使われている。
サン・ロレンツォ・イン・ダマゾ聖堂がカンチェッレリーア宮と一体となっている。
建物地下には、初期キリスト教のバジリカと墓地が埋まっている。
エジプト製の赤いトラバーチンの円柱は、近くのポンペウス劇場遺跡から運び使われ、他にはこの建物の地下に埋まっているバジリカやコロッセオやゴールディアン遺跡から運んできた石が再利用された。
枢機卿ピエトロ・オットボーニが住んでいた頃、音楽のイベントをここで開催していた。1694年と1705年にはミサを行ったアレッサンドロ・スカルラッティらがいる。
外観
フィレンツェのルチェッラーイ宮に似ている。玄関は16世紀の、シクストゥス5世で甥の枢機卿アレッサンドロ・モンタルトの命で、ドメニコ・フォンターナ設計。
ファサード
ヴィニョーラ設計。
入り口には、
"R. CARD. RIARIIS SIXTI IV PRONEP. CAM. AEDES FECIT. A. CARD. MONT. SIXTI V PRONEP VICECANC. PREFECIT AN. SAL. 1589 SIX. V PONT. AN. V.
と書かれている。つまり、”シクストゥス4世の甥で枢機卿ラッファエーレ・リア―リオとカメルレンゴがこの家を建てた”と記されてる。
中庭の回廊
ルネッサンス様式の中庭はブラマンテ設計だとされている回廊は、ローマで一番美しいと言われる。二階と三階部分は回廊で、ファサード側の回廊部分はトリックアートとなっている。花崗岩はこの建物地下のバジリカから発掘し再利用したものである。
上の画像はWikipediaより
100日の間
マニエリズム画家ジョルジョ・ヴァザーリがパウルス3世の命で、たった100日で、大広間の壁面全てにフレスコ画の装飾を完成させた”100日の間(Sala dei Cento Giorni)”がある。ミケランジェロが冷たく「わかるね。」と言ったと伝わっている。
上の画像はWikipediaより
参考
Wikipedia