昔・社員教育を請け負っていた時の資料が出て来た。
うちの社員は28年いる古参社員やそれに続く社員がいるので、昔こいつらは徹底的に経理に至るまで教え込んだので、今更遣りたくないし、彼らが定年の時に私は完全にフィリピンのビジネスから手を引く覚悟は出来ている、しかし法律事務所のパートナーに成った時にクライアントの関係で社員教育を数社であるがした事がある。
その時の教材として使ったのはPeter Drucker(1909年11月19日 - 2005年11月11日)、知る人ぞ知る有名な経営学者であり、社会学者である。私自身ジェロントロジスト(高齢化社会学者)として遣って来たので、社会学は興味があるし、経営学はサラリーマンを遣ったことが無いので、多少の知識があったので、今まで死なずに遣ってこられた。
私が遣った5日間の社員教育の冒頭で投げかけた事は、「何故、同じ仕事をして日本人のアルバイトは月20万円の給与が取れるのに、何故フィリピン人は月2万円なのか」から始めるもので有った。同じ時間を使い、同じ売上目標、しかし何故?? 仕事とは何か=management by objectives and self-control 目標と自己管理であり、そこから得た知識を持つ人をKnowledge workers 知識労働者 と言い、その知識労働者の集団が出来た時に始めて利益をもたらす源となる。これが結論なのだが、フィリピン人は大学を出ていても、自分しか考えない幼稚な人種に、これを教えるには随分5日に分けるほどの具体例を作って教えたが、残念な事に、うちの事務所は別だが、教えた会社は全部潰れた。(涙)勿論、フィリピン人の会社であるが。。
役所ですら、役人の目的(objectives)は国民の豊かな生活と安全だが、それすら自分の利益の為に役人の地位を利用するだけで、役人の目的など全くない。目的は「自分の金」。生産者は消費者を考え、途中にある流通業者も消費者を考える。我々はそれが当たり前だと考えて来たが、世界は殆どそれを考えていない。フィリピンだけの問題では無い。出先で同じく社員教育をする人と話したが、こういう根源には程遠く、ただ目先のテクニックだけで、ではそのテクニックを使う目的はそこには存在しなかった。勿論、Peter Druckerの名前すら知らなかった。日本の教育がそうならない事を祈るばかりである。