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「宇田川源流」 「行政目安箱」の中に見る菅首相の「狡猾な官僚管理術」と「内閣の中の次期首相候補」

2020.09.22 22:00

「宇田川源流」 「行政目安箱」の中に見る菅首相の「狡猾な官僚管理術」と「内閣の中の次期首相候補」


 普段は毎週水曜日は大河ドラマについて書いているのであるが、菅内閣が発足したばかりということもあって、今週はお休みさせてもらおう。

一応簡単に「大河ドラマ麒麟がくる」のところを書いてみると、今週は、将軍足利義輝が三好勢力に攻められて暗殺されるというシーンから始まる。

今回の内容は実際にはフィクションが多く、ユースケ・サンタマリア演じる朝倉義景は別段将軍などには全く興味がなかったというか、かつて守護であった斯波義廉の子を鞍谷公方(足利義持の弟、足利義嗣の子・嗣俊を祖とする。

足利将軍家の越前における分家、鞍谷御所と呼ばれて尊崇を集めていた。)の養子として足利義俊と名乗らせた上で、幕府の反対を押し切ってこの義俊を"名目上の越前国主"として擁立していたので、そもそも京都の足利将軍家本家などは全く気にしていなかったはずである。しかし、それではドラマにならないので、うまく脚色していたということになるのではないか。

それにしても足利義輝の散り際などは非常によく書かれている。もちろん、将軍の周辺に誰もいないなどと言うのはおかしな話であるし、また、刀一本で甲冑具足を切れるというのもちょっとやりすぎではあるが、まあ、それでもうまく表現できていたのではないか。

当時の将軍という地位と、そこにある権力の問題、うまく言えば「権力と権威」という二つの問題が、わかる人にはわかるように書かれていた気がする。

さて、話を本来の方に戻そう。

要するに菅義偉首相も、この将軍のようにならないように、かなり様々なことをしているということになる。今回の内閣については、なかなか面白い配置になっており、この辺の読み解き方がしっかりとできているかどうかはなかなか面白い。

足利義輝の流れをそのままくみ取れば、菅首相は「自分が寝首を掻かれないように、もっとも裏切りそうな官僚を先に抑えた」ということになる。なぜ「行革目安箱」がそのようになるのか、少し解説をしてみたい。


「行革目安箱」に4000件、一時停止も河野氏「目通す」

 河野行政改革担当大臣は、17日に設置した縦割り行政の弊害について相談できる「行政改革目安箱」に関して、通知が4000件を超えたため、新規受付を一時停止したことを明らかにしました。

 「きのう、結構へろへろになりながら明け方まで読んでましたけど、それでも処理した件数、結構限界がありますので、ちょっとちょっと頑張ります」(河野太郎 行革相)

 河野大臣は「4連休に一生懸命、目を通していきたい」と述べ、「具体的な問題提起にはきちんと対応していきたい」と規制改革について改めて意欲を示しました。また、再開のめどには言及せず、“一時停止中は規制改革ホットラインに意見をいただきたい”としています。(18日15:59)

2020年09月18日 16時35分 TBS

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12198-797991/


 あえて言っておくが、詳しいところはメルマガ「宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話」やオンラインサロン「陰謀渦巻く世界情勢の中であなたが生き残る方法」でしっかりと書くことにする。また、この辺のところは、知る人は知っている「宇田川国際レポート」にも書くことにするので、ここでは簡単なことしか書かない。

さて、自民党の議員というのは、「首相を批判する」ということは、自分と違うことを言っているのであれば批判したいものである。

しかし、首相を批判し続けてしまえば、石破茂氏のように自民党の中で誰も相手にしてくれなくなってしまうとか、または、自民党そのものが下野してしまい、結局自分が議員としての地位を失ってしまうということになる。

その時になって自分の責任ではないと言ってみても始まらないし、議員でなくなってしまえば、これほどみじめなことはない。古来「元議員はタダの人どころか人間以下」というような言葉もあるくらいであり、よほど人望のある人でなければ、生きてゆくのさえやっとであるという感じであろう。そのようになりたくなければ議員は基本的にはマスコミなどであまり批判をしない。

政権を批判できるのは「身分が安定しているもの」の特権だ。つまりマスコミのように、金は他からきている人か、あるいは、官僚のように法律によって身分が守られている人であろう。そして最も近くで見いていて警戒しなければならないのが官僚なのである。

官僚というのは、文字通り「面従腹背」であり、何を考えているかよくわからない。その人間たちを管理するのは「身分」ではなく「組織変更」や「予算」そして「行政改革による人事異動」で抑圧しなければならないのである。

官邸には菅首相の腹心ともいえるし杉田和博前人事官(現官房副長官)がおり、その辺の人事に関してはしっかりと握っている。

正確に言えば、前川喜平などをそのまま退任させたのはすべて杉田氏であり、基本的に安倍首相とは何の関係もないのである。このように考えれば、日本のマスコミは全く見当はずれなことを批判ばかりしていたということであり、あまりにも取材がしっかりとできていないということになる。

さて、「行革」といえば誰もが自分に有利なように動いてもらわなければならないために、様々な意見を言う。その中には話を持っているものも、捏造もあると考えられるし、また、思い込みなども少なくない。しかし、それらをどれくらいうまく使って管理するかが一つの手法であり、その資料を初日から4000件も集めたということになる。

一方、そのような強硬手段を取れば、当然に、官僚からも、またクレームを寄せた国民からも恨まれることになる。官僚が恨むことに関しては誰も異論はない。そうではなく国民は、「期待したのに、自分が意見を言ったのに、全くその意見が通らなかった(無視した)」というように恨んだり、政治の実力不足を言うようになる。その時の的が「河野太郎」である。

つまり、同じ神奈川県連でありなおかつ来年の首相候補の河野太郎を、さっそく菅義偉は「潰し」にかかったということになる。

では来年の首相は誰なのか?

それは、オンラインサロンやメルマガに譲ることにする。