書評59 さのすけ-その18 【キョウダイ】by嶋戸悠祐
今回は、私が好きな島田荘司さんが選考員になっている
「ばらのまち福山ミステリー文学賞」で
「第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作」(長いな)
を取った
キョウダイ (講談社ノベルス) by嶋戸悠祐さん☆4
最初に言っておきます、面白いです!!
あらすじ(背表紙のあらすじを更に要約しました)
「 主人公「私」は、妻と娘に恵まれ、幸せな日々を送っていた。
が、妻が持ち出した小学校時代のアルバムが人生を狂わせ始める。
それは過去を封印した私に取って存在してはならぬものだったからだ。
その日から、過去に追い詰められた私は、過去と対峙することを決意する。
当時の過去とは…… 」
ってな感じです。
ホラーとミステリーの融合的な事書いてありますが、
ホラーらしきホラーは一箇所くらいで、後は、人間の狂気に根付くホラーですかね。
読んでは、エグくて本を閉じて床に置き、
その直後にやはり気になって本を再び手に取る
みたいな事を繰り返しまして、何だかんだで二日で読み終えました。
ストーリーが面白いので、序盤を超えたら一気読み出来ます。
私がそうでしたから。
ただね~、問題は、伏線とかはしっかり貼ってあるんですが、
もろバレ何ですよね。
ある程度ミステリーという類の本を触れてる人からすると、
犯人(?)的な存在には気付きます。
「〇〇は〇に〇〇ての〇〇みたいな〇〇だからな~、〇〇とこれ〇〇は……」
みたいなセリフは「あー」って思ってしまった。
木を隠すなら森の中って言います。
犯人を隠すなら人間の中に放り込めば良いんです
が、この本は荒地に一本だけ木が生えてる感じなんで、
もろに怪しいんですよね。
しかし、実は「〇が実は、〇の〇だった」ってのは、
やり過ぎじゃないか?
って思ったり……。
小学生にあそこまで出来るのか?
と思ったり。
ラストが上手く、比喩を使って、
〇が〇を〇したのが書かれてますが、
何故あのように書いたのかを是非聞いてみたいですね~。
ストーリーの作り方が上手かったので、
伏線の隠し方がもっと上手くなったら、
☆5もあった!!
ので、次回作に、これからが更に楽しみになった作家さんになりました。
読んだ人がいたら、一緒に語りましょうぜ!!
誰かと語り合いたくなる作品ですので、オススメです。