Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

【24番】日本史上指折りの学者だった!!菅家!!

2020.09.22 05:32

ジャンル:旅
時代:平安時代 
超要約:拾い物です

歌の意味(子ども向け):おそなえの代わりに、このすばらしいもみじをどうぞ。
歌の意味:今度の旅は急のことで、道祖神に捧げる幣(ぬさ)も用意することができませんでした。手向けの山の紅葉を捧げるので、神よ御心のままにお受け取りください。
☟この首に関するクイズ

Q 「ぬさ」とは何か?
①お金(紙幣)
②米ぬか
③色とりどりの木綿や錦、紙を細かく切ったもの。 

A ③
 「幣(ぬさ)」は色とりどりの木綿や錦、紙を細かく切ったもの。旅の途中で道祖神にお参りするときに捧げた。

👇語呂合わせ(覚え方)


 この歌は、898年秋、作者である菅原道真が宇多上皇(「上皇」は、天皇が退いてからの尊称)の奈良への旅(宮滝御幸)のお供をした時に、詠んだ歌です。


 「とりあへず」は「用意するひまがなく」という意味になります。つまり、この旅は急だったので、お供えする幣(ぬさ)を用意することができませんでした。

※「幣」と言うのは、布や紙を小さく切って棒につけたもので、旅に出た時に安全を祈願して、道祖神(道の守護神)にお供えします。

 上皇は、菅原道真に相談しました。すると、道真はこの歌を詠んだのです。この歌の意味は、「手向山(たむけやま)の見事な紅葉を供えますので、神の御心(みこころ)のままになさってください。」という感じです。紅葉(もみじ)を織り物の錦(にしき)に例え、その素晴らしさに対する感動を表しているのです。


 最後の「まにまに」が、特に耳に残る歌です。この「まにまに」は、「・・・のままに」と言う意味で、その思いや動きに任せるさまを表します。この歌では「神のまにまに」と使われ、「神の御心(みこころ)のままに」という意味になります。


 作者の菅家(かんけ)は、菅原道真(すがわらのみちざね)のことです。学者の家に生まれ、35歳の若さで最高の権威・文章博士(もんじょうはかせ)となり、54歳の899(昌泰2)年には右大臣にまで出世します。しかし、藤原時平(ふじわらのときひら)との争いに敗れ、九州・太宰府に流され、59歳で没しました。死後、その御霊(みたま)は、北野天満宮に祀(まつ)られ、今は「天神様」「学問の神様」として、全国で信仰されています。日本史上指折りの学者でしたので、尊敬をこめて「菅家」とか「菅公」と尊称で呼ばれているのです。

 今回、「菅家」の呼ばれ方が尊称だったことや、上皇に相談された時、このスケールの大きな歌が生まれたことを知り、やっぱり知恵のあるすごい人だったんだと思いました。

 その後、奈良県にある手向山八幡宮という所に、菅原道真が「このたびは〜」と詠んだ時に腰掛けていた岩がある、との情報を知りました。