ねこじゃらしボタルとオオバコずもう
連休中、久々に出かけてみた。
行先は二つ隣町の自然公園。特に計画したのでない。近くを通りかかったのでちょっと休憩にと停まったのだ。その日は良く晴れていたが、駐車場は森の中にあり、程よい日影が心地よかった。もう9月も下旬だというのに、ツクツクオーシが盛んに鳴いており、辺りの草花はほんの少し秋色になりかけているものもあるが、まだ緑色を保っているため、ちょっとだけ夏にタイムスリップしたかのような感覚を覚えた。
車を降りて周辺を探索してみる。連休の午後、赤ちゃん連れの家族、年配のご夫婦と時々すれ違うくらい。とても静かだ。この公園は山歩きが出来るコースがある。「かんたん」「ふつう」「そこそこハード」の3つに分かれていた。休みなのでカジュアルなデニムとパーカーではあるが、山歩きのスタイルではなかったので、「かんたん」コースを選んで歩いてみる。木々が生い茂る道は完全に山の中だった。山らしく、急な階段を上ったり下りたり。時には蜘蛛の巣に顔を突っ込んだり、蚊をよけたり、落ちている完璧な形のドングリを探したりしながら、山道をズンズン進んだ。
足元を見ると、なじみの深い雑草がたくさん。つゆ草、メヒシバ、オオバコ、エノコログサ…。思わず手に取る。小学校時代、通学路に雑草がたくさん生えていたので、それらをちぎっては結わえたり、何かの形にしたり、遊んだことを思い出した。私のお気に入りはエノコログサ。ねこじゃらしとも言われる。穂をくるっと結び、丸型にする。丸いふわふわした毛が細い茎の先にくっついた様子をなぜか「ホタル」と呼んだ。手製のホタルをゆらゆらさせながら学校の帰り道を歩いた。また、オオバコを見つけると友達と「オオバコずもう」をした。2本のオオバコを引っ張り合って、千切れなかった方の勝ちというゲーム。不思議なんだけど、茎が太い方が強いとは限らない。細い茎で何回戦も勝ち抜いていくのは格別の楽しさがあった。ねこじゃらしボタルとオオバコずもう。今日はどちらもやってみた。
小学生の頃は、雑草も草花も、虫もたまにちらっと姿を見せる小さな生き物も、すべてがサプライズで、すべてがエンターテイメントだった。しかし、その楽しさはいつになっても損なわれるものでもないのだなと、久々に山道を歩きながら思った。
計画せず、外に出かけるのもいいものだ。
Be ambitious, boys and girls!