睡蓮(スイレン)と蓮(ハス)の違い
https://ameblo.jp/hiro-1/entry-12607286838.html【睡蓮(スイレン)と蓮(ハス)の違い】より
タイ国の「熱帯睡蓮」は、ほゞ一年を通して咲いていたように思いますが、日本で咲く「温帯睡蓮」の「未草」(ひつじぐさ)は、5月から9月にかけて開花するようですね。
残念ながら、新型コロナ禍による外出自主規を続けている僕は、鎌倉の池で咲いているであろう日本自生の「未草」(ひつじぐさ)を観に行くことが出来ていません。と言う訳で、本日は、タイ国在住時代に撮った「熱帯睡蓮」の写真を捲りながら、「蓮」と「睡蓮」の違い、そして「温帯睡蓮」の「未草」(ひつじぐさ)との違いを思い起こしてみる事にしました。
浅い鉢に浮かぶタイの熱帯睡蓮
僕の個人的印象によると、タイ国の「熱帯睡蓮」は、花色の少ない日本睡蓮の「未草」(ひつじぐさ)と比較して、「青色」、「紫色」、「赤色」、「黄色」、「桃色」、「白色」と多彩で賑やかさがあると思っていたのですが・・・最近の日本睡蓮の「未草」(ひつじぐさ)は、野生種との交配によって花色が増えていると聞きました。
深夜の池で就眠中の熱帯睡蓮
「スイレン」の漢字名は、「水蓮」ではなく「睡蓮」と書きますが、その由来は、スイレンの花が朝方5~6時ごろから開花し、夕方になると睡眠に入るように花弁を閉じることから、「睡る蓮のような花」=「睡蓮」と名付けられたと聞きます。
「蓮」の花は4日前後咲き続けてから落花しますが、睡蓮の一個の花の命は、咲き始めてから3日~5日に亘って起床と就眠を繰り返し、最後の夕方になって漸く水中に没して終わりとなります。
早朝の五時頃から開花する熱帯睡蓮
日本の温帯睡蓮が「未草」(ヒツジグサ)と書かれるのは、午後2時頃(未の刻)に開花することから名付けられたとの説明がありますが、実際には早朝から夕方近くまで花を咲かせているのを何度も観たことがあります。どうやら「熱帯睡蓮」の中にも昼咲型や夜咲型があるように、「温帯睡蓮」の「未草」(ヒツジグサ)にも様々な種類があるようですね。
水面に浮かぶ深い切り込みのある睡蓮の浮き葉
「睡蓮」も「蓮」も地面に埋もれる地下茎を持つ植物ですが、「睡蓮」と「蓮」の決定的相違は葉の形態にあります。水面に浮かぶ睡蓮の広楕円形の葉には深い切り込みがあります。
更に「睡蓮」の葉には、多少の濃淡があるものの班入りの緑葉や緑混じりの赤葉しかありません。更に「睡蓮」の表面にはツヤツヤとした光沢感((matte))があります。睡蓮の葉の表側に気孔が分布しているのも「睡蓮」の特徴らしいです。
水位の低い池面に咲いた熱帯睡蓮の茎と花
根茎から直接伸びる花柄の先端に咲く直径10cm前後の「睡蓮」の花は、葉と同じように水面に浮いていることが多いのですが、水位が下がっている場合には、水面上よりも僅かに高い位置に咲いていることもあります
但し水面が下がっていたとしても、「睡蓮」の水面上の茎の長さは、「蓮」の茎の長さにはとても及びません。睡蓮の花弁の枚数も「蓮」の花弁よりも多く、その一枚一枚の花弁は、「蓮」よりも細くてシャープのように見えます。
水面よりも高い位置に突き出た蓮の立ち葉と花蕾
「蓮」の特徴は、水面よりも高く伸びた茎頂に咲く花と、高い位置に開く見事な「立ち葉」にあります。「立ち葉」には睡蓮の葉のようにツヤツヤ(matte)とした質感も無いし、大きな丸葉の表面には切込みもありません。大きな沼などで咲く「蓮」の中には、水面上2m前後の高さまで伸びている茎もありました。
「睡蓮」と「蓮」の違いは幾つかありますが、小さな葉に切り込みが有るのが「睡蓮」、大きな葉に切り込みが無いのが「蓮」と見分けるのが最も簡単な方法ではないかと思います。昔の子供用の絵本には、防水能力のある「蓮」の大きな茎付き緑葉を、雨降りの時の傘代わりにして遊ぶ様子が描かれていたものでした。
新型コロナ菌の対応(?)をした花店先の熱帯睡蓮
英語名では、「蓮」と「睡蓮」の植物分類学上の違いから、「蓮」=「ロータス」(Lotus)、「睡蓮」=「ウォーター・リリー」(Water Lily)と完全に独立した花名が命名されています。
タイ国では、「蓮」=「ดอกบัวหลวง 」(Dok-Bua-Luang)、「睡蓮」=「ดอกบัวสาย」(Dok-Bua-Saai)と呼ばれています。その意味合いは、「蓮」=「大きな花の蓮」、「睡蓮」=「細くてシャープな「蓮」となり、植物分類学上の違いを頭から無視して、どこまでも「蓮」の仲間として捉えているのがとても面白いと思ったものでした。
https://hamacul.at.webry.info/201607/article_46.html 【スイレン(睡蓮)】より
スイレン属 @Wikipedia
スイレン属(スイレンぞく、water lily、学名:Nymphaea)は、スイレン科の属の一つ。水生多年草。
日本にはヒツジグサ(未草)の1種類のみ自生する。日本全国の池や沼に広く分布している。白い花を午後、未の刻ごろに咲かせる事からその名が付いたと言われる。睡蓮はヒツジグサの漢名であるが、一般にスイレン属の水生植物の総称として用いられる。
特徴
水位が安定している池などに生息し、地下茎から長い茎を伸ばし、水面に葉や花を浮かべる。葉は円形から広楕円形で円の中心付近に葉柄が着き、その部分に深い切れ込みが入る。葉の表面に強い撥水性はない。多くの植物では気孔は葉の裏側にあるが、スイレンでは葉の表側に分布する。根茎から直接伸びる花柄の先端に直径5-10cmほどの花をつける。
種
日本において一般的なスイレンは、いくつかの野生種を交配、品種改良し、作出された園芸種である。花の色、葉の色、模様、などについて様々な姿の品種が存在する。
・ヒツジグサ (N. tetragona) - 日本を含めアジアからヨーロッパ、北アメリカなど北半球に広く分布している。
・ブルー・ロータス (N. caerulea) - 青スイレン。英名「Egyptian Blue Water Lily」。アフリカから東南アジアに分布。古代エジプトの壁画などにも描かれている。
・ヨザキスイレン (N. lotus) - 白スイレン。英名「Egyptian White Water Lily」。別名タイガー・ロータス。アフリカから東南アジアに分布。古代エジプトの壁画などにも描かれている。
・ホシザキスイレン(N. nouchali) - 別名セイロン・ヌパール。インド、ラオス原産。ヌパール(コウホネ属の総称)と呼ばれるが、スイレンの仲間である。葉は、黄緑色のグリーンと、濃い赤のレッドがある。
・アカバナスイレン(N. rubra) - 別名タイ・ニムファ。葉が真紅に染まる東南アジア原産のスイレン。一般的にはアクアリウムで水中葉を観賞するが、戸外で保温が可能なら、花を楽しむことが可能である。
・ティナ (N. 'Tina') - 園芸種。小型だが非常に花付きが良く育てやすい。ムカゴで増えるため繁殖も容易。色は青みがかった紫だが、生育条件によって変化することもある。昼咲き。初心者用として最も有名な熱帯スイレン。
ヒツジグサ @Wikipedia
ヒツジグサ(未草)は、スイレン科スイレン属の水生多年草。
地下茎から茎を伸ばし、水面に葉と花を1つ浮かべる。
花の大きさは3~4cm、萼片が4枚、花弁が10枚ほどの白い花を咲かせる。
花期は6月~11月。
未の刻(午後2時)頃に花を咲かせることから、ヒツジグサと名付けられたといわれるが、実際は朝から夕方まで花を咲かせる。
分布と生育環境
日本全国の池や沼に広く分布している。寒さに強く、山地の沼や亜高山帯の高層湿原にも生えている。
日本以外ではシベリア、欧州、中国及び朝鮮半島、インド北部、北アメリカに分布している。