秋の蝶
秋蝶の翅の破れて舞ふ陽かな 五島高資
The autumn butterfly
with a torn wing
in the bright sunshine Taka Goto
https://ameblo.jp/panndora2419/entry-12196838534.html 【「秋の蝶」そして季語について】 より
~戯れ句かも~
孤独といふ自由をもらひ秋の蝶
先日、近くの公園へ行くとき見つけました。黄色いコスモスに舞う蝶です。
歳時記を開くと「蝶」は春の季語で、傍題は膨大に(笑)あります。
そして、「秋の蝶」は秋の季語です。傍題: 秋蝶・老蝶この蝶は秋にだけ現れる蝶というものではないのです。
高原に乱舞するさまざまな蝶は鮮やかな風景ですが、華麗のなかに、なにか必死の営みを感じさせるものがあります。また秋深みゆくころ、路傍でふとみかける孤蝶の姿はもの淋しいもの。その行方がなにやら気にかかるものです。
ませに咲く花にむつれて飛ぶ蝶の うらやましくもはかなかりけり 西行
ませ=籬 間塞(ませ) 竹や木で作った目の粗い垣のこと
秋ふけて破れわけたる芭蕉葉の 露すふ蝶の翅黄ばめり 久貝正典
『最近ドナルド・キーン氏と逢ったとき、アメリカ人は蛾は美しいと思うが、蝶は美しいと思わないと聞き、びっくりした。日本人にとって蛾は厭うべきものの代表だが、外国
産の蛾は極彩色のものが多く、彼らの好みに合うのだろう。』と山本健吉氏が「基本季語五〇〇選」の中で語っています。
また、漢語の「胡蝶」が和語化して、平安時代に「こてふ」として和歌、和文に使われるようになった。と述べています。
秋蝶や人に七曜の早さあり 長谷川かな女
七曜とは、太陽と月と五星(金星・土星・火星・水星・木星)曜はかがやきの事。
人はいつも輝いているんすね。
病む日又簾(すみ)の隙より秋の蝶 夏目漱石
秋蝶の驚きやすきつばさかな 原 石鼎
今日は「季語」について振り返ってみました。
「季語のはたらき」
季節感 連想力 安定感 がありますが、それに季語を信用する季語を説明しないということでした。
向日葵がぶしく照りて坂の上 物干せばコスモスの花ゆれてゐる
学校へ行く子カラカラ落葉舞ふ この三句の共通点はわかりますね。言わなくてもいいことをわざわざ言って作品を薄っぺらにしている点です。
向日葵=まぶしく照り コスモス=ゆれてゐる 落葉舞ふ=カラカラ などです「20週俳句入門」藤田湘子著を参考にしました。「ときどきは読み返してもいいのかな」
と蝶を見てから感じていました。今日はこれで、ちょいと疲れました。御機嫌よう
http://kigosai.sub.jp/?s=%E7%A7%8B%E3%81%AE%E8%9D%B6&x=0&y=0
【秋の蝶】 より
あきのちょう/あきのてふ
三秋
秋蝶/老蝶
立秋を過ぎてから見かける蝶のこと。春や夏の蝶にから比べるといくらか弱々しい印象を受ける。冬が近なるとその数もめっき り少なくなる。
薬園の花にかりねや秋の蝶 支考 「梟日記」
山中や何をたのみに秋の蝶 蝶夢 「三夜の月の記」
あきの蝶日の有るうちに消えうせる 暁台 「暁台日記」
しらじらと羽に日のさすや秋の蝶 青蘿 「青蘿発句集」
秋のてふかがしの袖にすがりけり 一茶 「七番日記」
秋蝶の驚きやすきつばさかな 原石鼎 「花影」