🌸ブログで読む『ただいま大須商店街⑩-後編-』~反撃~ 2022.01.02 04:00 一週間後に行なわれる、『OSU五番街計画』の投票。商店街の総意が、この街の未来を決める。杉山議員の「必ず今よりお客さんが増えます!」の言葉が大きくこだまする。《今の大須商店街》を守ろうとする、久美子、大輔、優太を始めとする反対派の住人たちの運命は——🔶前回のお話🔶 🌸ブログで読む『ただいま大須商店街⑩-前編-』~反撃~ 《賛成派》の人たちの家を一軒一軒回った、久美子と優太。 俯いて歩く2人の目に、一台のタクシーが停まっているのが見えた。 久美子「お父さん!」優太「!!」正さんが、杖をつきながら、そんな2人を一瞥し、通り過ぎた。正さん「退院して来た。」久美子「まだ、安静のはずでしょう?」優太「…」正さん「大丈夫だ!」 「休業」の張り紙を勢いよく外した、正さん。正さん「饅頭作る。」 久美子「まだ無理よぉ~!」正さん「うるさい!」久美子(もぉ…)優太「・・・」 ふれあい広場前―たくさんの人が集まる中…《OSU五番街計画》を強力に推し進める、杉山大作の声が響く。杉山議員「この大須に・・」 今や杉山は、完全に人の心も、時流も、その掌中におさめていた。杉山議員「世界屈指の建築家、このフレデリック・スチュアート氏をお招きします!」 その様子を、たくさんの聴衆の後ろからボーッと見つめる大輔。 杉山議員「皆さん!どうか明日…」久美子「ねぇ!!」大輔「(慌てて)ん!?」杉山議員「夜7時!」久美子「これ、どういうこと?」大輔「俺にも、分からん…」杉山「ぜひとも!彼の講演に来て下さい!」 久美子「ちょっとぉ!」 久美子「どういうことですか!!」すごい剣幕の久美子。だが、杉山はびくともせず、微笑んでいる。大輔「どういうことだ!!」杉山議員「どうしました?お二人とも…。血相を変えて…?」大輔「どうしたも、こうしたもねぇよっ!」杉山ににじり寄る、大輔。久美子「再開発するって、まだ決まってないでしょう!!」 杉山議員「ええ…。そうですよ…」 久美子「なのに、何よ!建築家なんて呼び込んで…!」杉山議員「私が何か、悪いことしてますか?」大輔「…」久美子「…」 杉山議員「《OSU五番街計画》のアピールの一環ですよ。」3人のやり取りを見つめる人たちは、明らかに、久美子と大輔に批判的な様子だ。杉山議員「あなた達もアピールすればいい。」大輔「…」久美子「…」杉山議員「今の、この、大須の街を…」 杉山議員「…(笑) 負け犬は、ワンとも吠えられませんか…?」杉山と一緒に、微笑む人もいた。杉山議員「ふふふふ…(笑)」 久美子「やってやるわよ!」 大輔「見とれよ!」 久美子の後を追う、大輔。杉山はそんな二人を見送り、集まった人たちと再び握手を交わし始めた。大輔「で、久美子!どうすんだ?」 久美子「分からん・・・!!」 大輔「分からんのぉ…?」 大輔の後ろで、大きな拍手が沸き起こった。 *: .。. 🌸。.:*: .。. 🌸。.:*: .。. 🌸。.:*🌸まつだや・2階—デスクライトの灯りが仄かに灯る中、久美子は熱心に本に目を走らせる。その後ろでは、もうぐっすりと優太が眠っていた。 杉山が、大須商店街を託そうとしている…世界的建築家、フレデリック・スチュアート氏の特集が組まれた専門誌を読む久美子。 久美子「(はぁ…)大須の魅力……魅力…」 ペンを置き、一心に考える久美子。 ふと、勉強机に目を遣る久美子。 「………!!」 何かが、繋がりかけて…久美子は、慌てて立ちあがった。 🔶ロケ地情報🔶🌸ブログで読む『ただいま大須商店街⑩-前編-』~反撃~で登場したロケ地情報の続きです🙋♀️(※住所や営業時間などの情報は なごや大須商店街公式ホームページ『@大須』様より引用しております。)🏠婦人服のマルイチ住所:中区大須3-37-31TEL:052-261-1874営業時間:10:00~20:00定休日:第2、第3月曜日、🎌の時は火曜日前編の《ロケ地情報》でお伝えした、『広光時計舗』さんと同じ、東仁王門通り沿いにあります。「その体を触ると、一生着るものに困らない」と言われる、『たんすのばあば』の近くにあります。 ドラマの中では、優太が署名をお願いに行ったお店として登場しました。 🏠帽子のハセガワ住所:中区大須2-29-4TEL:052-231-5501営業時間:10:00~19:00定休日:第3火曜日仁王門通りの、大須交番に近い場所にあります。冒頭映像に出て来た、老舗せんべい屋の『せんべい朝日軒』さんのほぼ目の前になります。 ドラマでは、大輔が2軒目に署名嘆願に行ったお店です。 漆喰の白い壁が、異国を想わせます。。ノックス、ボルサリーノ、シンプルライフ、ラコステ、カンゴール、クレージュ、ケンゾーなど取り扱いメーカーさんも豊富。 創業は1900年だそうで、三代続く、歴史ある帽子専門店さんです。ドラマの中で《OSU五番街計画》の賛成派として登場したこれらの店舗は、古くからここ大須で店を構える店舗ばかり、というのが心に強く残りました。「守る」という想いは…人それぞれにカタチが違うのだと。。 🖥️FODにて好評配信中~!🔗