「I am a Bunny」RICHARD SCARRY OLE RISOM
2016.07.20 06:54
先月に翻訳出版されたばかりの「うさぎのニコラス」の原書版「I am a Bunny」です。
作者のリチャード・スキャリーは様々な絵本を描いていますが、その中でもとびきり美しい一冊です。
彼は絵柄を作品ごとに大分変える器用な作家なのですが、この絵本では日本でもよく読まれている「スキャリーおじさん」のシリーズの猫のキャラクター(この猫も親しみやすくて可愛らしいのですが)などよりも、かなり美的な要素を前面に出した絵を見せてくれます。これは彼の60年代の作品の特徴かもしれません。
お話を書いているOle Risom(オーレ・リソム)はこの「I am〜」シリーズを色々な絵本作家と作っているのですが、「I am Bunny」では一匹の子どものウサギが、巡る四季の中で、自然の美しさ、それを享受できることの喜びを子どもらしい視点でほんの短い文章で語っています。
In the spring, I like to pick flowers.
I chose the butterflies,
and the butterflies chase me.
In the summer,
I like to lie in the sun
and watch the birds.
スキャリーの繊細な絵に添えられたリソムの簡潔な文章が胸にじんわりと染みこんでいきます。
本を閉じるときにはとても温かい気持ちになれる、素晴らしい一冊です。
また、こちらの原書Golden books版は所謂ボードブックタイプになっておりますので、小さなお子様に渡してもビリビリになってしまうことがないので安心ですよ。
「I am a Bunny」RICHARD SCARRY OLE RISOM