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ショック!ウエイトレスで大失敗の話し③

2020.09.28 08:05

アルバイトの二日目を迎えた。


初日とは言えオーダーミスを連発した上、注文を忘れてお客様を怒らせてしまった罪は重い、と自分を責める思いを止められなかった。が、いちいち落ち込んでいられないのが仕事なのである。翌日もシフトに入っていた私は、暗澹(あんたん)とした気持ちを抱え「S」に向かった。


ウエイトレスの仕事は多い。

私はランチタイム担当だったため、仕事は午前9時頃に始まった。まずは店内や店外、トイレを徹底的に清掃する。そしてドリンクバーのドリンクや材料、備品の補充。大きなスープポットにはその日のスープのプレートをセット。テーブル席、カウンター席用の備品(塩こしょうやメニュー、ペーパー類など)を確かめて補充。その日の日替わりメニューを確認して、下準備をする。また、混み合う時期に即座に注文を取りに行けるように、各接客係の注文の機械、カトラリーセット等をセッティングする。時間があれば店内の観葉植物の水やりもした。


しかしこれらは開店前の準備である。11時のオープンと同時に盆と正月とゴールデンウィークが一緒に来たかのような忙しさが始まる。近くのオフィスで働く会社員たちや学生の集団、主婦仲間だろうか、女性のグループなどがこれでもかというほど詰めかけるため、店内はまるで戦闘中のように混乱した。ウエイトレス達は制服のポケットに例の機械を装備し、お客様の元へさながら誇り高き戦闘機のごとく向かう。しかしいかに急ごうともお客様に焦りは見せてはならない。あくまで丁寧に「いらっしゃいませ。何名様でいらっしゃいますか?。」「お席にご案内いたします。」と対応する。


絶対に間違ってはならないとガチガチに緊張していたのが仇になったのだろう。しかし、この日もやっぱり私は何度もミスをした。ほとんどは熟練のパートさんや上司によってカバーして貰えたが、機械にはどうしても慣れることができず、お陰でまたもオーダーを間違って送信してしまい、調理場に訂正と謝罪に行くことが2度あった。1度目、調理係の男子学生は思いっきり不機嫌な顔で「分かりました。」と答えた。2度目、彼は返事をせず誤送信された注文用紙をびりっと破って傍らのゴミ箱に投げつけるように捨てた。怖い。



その日、仕事を終えた私が調理場を通って「お先に失礼します。」と帰ろうとすると、調理係の彼は振り向かない代わりに、履いていた長靴でガツンと壁を蹴飛ばしたのだった。


相当怒らせたようだ。私は情けなさと申し訳なさで、ひどく落ち込んだ。

(続く)


Be ambitious, boys and girls!


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