mei to yasuha めい*と*やすはうす。

表現の先生⑨~mei~

2020.09.28 11:54

☆エレファントカシマシ、宮本浩次さん


きちんと認識して、曲に出逢った瞬間は、

忘れない体験です。


テレビを何の気なしに見ていたところ、

はた、と止まって聴いてしまったのが、


当時、シングル発売のコマーシャルで流れていた、

「普通の日々」という曲。



声が、聴覚をとびこえて、

心臓に直接届いてくる感覚。


骨太な声とは対象的に、美しくて悲しいメロディ。

"普通の日々よ"という言葉だけで、

なぜ、こんなにも、"いと、おしい"と掻き立てられてしまうのか。


薄暗い劇場の映像とあいまって、

今までに好んで聴いてきた音楽とちがう世界に触れた瞬間でした。


初めて、

個の自分が、個の音楽に向き合った感覚。



そこから遡って探し始めた、

エレファントカシマシという音、宮本浩次さんの声、歌、叫び、語り、言葉。


あまりにも独特な個性でありながら、

なぜこんなに、人が求める激しさや、優しさを歌にすることができるのだろう…



どのような感じ方や捉え方をしているのだろう…



聴いても聴いても、わからないけど、

心臓を鳴らしてくれる音、

知りたくて知りたくて、聴き続けていく、探しつづけていく。


赤羽の地をひとり、ぶらぶら歩いたり。



高校生くらいから、世の中と自分の間にできていた、大きな溝に気づいてからというもの、

自分の存在が疎ましくて、邪魔でしかたなくて、

行き場もなく、干からびていた魂に、水をさしてくれた音楽。



出逢っていなかったら、

いまの自分の歌はあり得なかったです。




~つづく~



◆エレファントカシマシさんの音楽があって、

ライブ会場に行くということを覚えたり、

会場の人が発する熱気と汗で、ずぶ濡れになることを知ったり、

狂ったり、暴れたり、走り回ったり。

そういうことのできる空間の大事さを知ったり。

年代のちがう方とも、親しくさせてもらったり。


まだまだ、その活動の姿勢を、視線を、

追い続けていく自分でありたいと思います。