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手のひらにのせたいのち

2016.07.21 01:37

先日、少しだけupしていた、たまごをあたためていたお話し。


6月のおわり。

中2の息子の夏休みの自由研究にと、相談していたとても大好きなはちみつ夫婦に、産まれたてのたまごを頂いて、孵卵器まで貸して頂きました。

大興奮の息子は、半分まで意味のわかる日本語でかかれた海外製の孵卵器の説明書をめくりにめくりまくり、たまごを3つのせました。


たまご焼きのたまごが、みるみるうちに見たこともない世界のはじまりを見せ、たまご焼きのたまごが、孵卵器のなかで、カタカタと勝手に揺れだして。


予定日を1日すぎた時。


小さな穴から、小さなくちばしが見え

『ひょ』


『ひょ、ひょ』と、たまごが鳴くのです。


もう、私と背もかわらなくなった息子と娘と私が、カブトムシにむらがる幼稚園児のように孵卵器の前で、頭をあっちにこっちに、のぞきまくりのまくりです。



でも、しばらく動きがなく。

ネットで調べまくった息子の情報では、最大そこから12時間かかると。

息子は、ふとんを孵卵器の横に敷き、女子チームは就寝しました。


次の日も、なかなか産まれないものの、『ひょ』『ひょ、ひょ』は、続きます。

ネットで調べまくった息子の情報では、くちばしが出てからは、絶対に殻を割る手伝いをしてはいけないけれど、24時間たったら、タイムアウト。

何だかの問題があって、出てこれない可能性があると。

それまでは、絶対の絶対に助けてはいけなかったけど、そのままでは、産まれないかもしれない


『どうしよ』

『どうしよ』

しばらく、ネットを見たり、たまごを見たり、ウロウロしながら、つぶやいている息子。


何も言わない私に、

『俺が決めなあかんな』

『おれ、ちょっとやってみるわ』


そう言って、『ひょ』と鳴く、たまごを持った息子の手が、覚悟を決めれば決めるほど、緊張でガクガクに震えています。

何も言わず、ライトを持って横に座る娘。




たまごにとってはな、人間の生活温度は極寒なんやって。


そういいながら、押し入れから引っ張り出してきたヒーターの火傷しそうな目の前に、座り込んだ、息子たち。




すこし、殻を破った時、『ひょ』と言わなくなりました。

左手は震えたまま、ピンセットをとめて、

『あかんのかな、やったらあかんのかな





『でも、やらんかってもあかんしな』






『やってみるわ』


『ひょ』と言わなくなったたまごを持つ手は、少しずつ震えなくなりました。

少しずつ、ほんとうに少しずつ、殻を割っていくと、毛並みが見えてきました。


ちゃんと体できてる。


『がんばれよ』



『こいつ、大丈夫やわ』




『ほら、ここ。』

『がんばれよ』


『うん、こいつ、大丈夫や』


殻と体がうまく離れなかったようで、あと少し残ったたまごから、最後はひよこが自分で少しがんばって、たまご焼きのたまごから、無事にひよこが出てきたのです。




『あーーーーーーーーーよかったーーーー』

気の効く妹が持ってきてくれたほうじ茶を一気に飲んだ息子。




おがくずを敷いてヒーターも完備していたひよこのお家の前で、また3人で頭をあっちにこっちに、のぞきまくりのまくりです。



そんなこんなで、うさこ亭では、ただいまひよこがお出迎えをいたします。

ぴよ。

2羽目は、ばりーーーんと、速攻で豪快に産まれました。


つづく。