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Yoshiko Watanabe

音の世界

2020.09.29 05:51

少し前に

映画「ようこそ映画音響の世界へ」を観ながら、

6年前に作った映画「tig☆hugちぐはぐ」の創作過程を思い出した。


大事な大事な思い出。

映画「tig☆hugちぐはぐ」は撮影前に低予算で作る事は決まっていたのだけれど

(と言っても私にとっては大金💦映画予算として考えたらスズメの涙ほど💦)

それでも、熱量とやる気(同じかw)さえあれば、商業映画と同じスクリーンで

流れるような作品作れるんじゃないかと当時の自分は本気で思っていた。

(浅はかでした…(⌒-⌒; ))

で、その為には一番何に気をつけるべきかを

その当時の周りに居た映像関連の友人達に相談したところ

とにかく『音』をちゃんと録って

ちゃんと仕上げるように言われた。

プロとアマの違いは『音』に出ると。


それで、予算の中の私なりに考えた音声さん分の予算で

その当時お世話になっていた技術系の会社さんに見積もりをお問い合わせしたところ…

映画の撮影全てに来て頂くには、その時自分が持っていた映画の総予算の

4/5が必要である事を知り、悶絶。

…周りの映像関連の学生さんなどもあたったが見つからず

色々思い起こし、当時アシスタントディレクターとして参加した

自分史上最大の地獄だった現場(あまりに辛すぎて、スタンドインしながら

我慢しても我慢しても涙が流れてしまうくらい辛かった)で

かなり怒らせてしまった録音部さんしか、

もうご連絡先を知っている方がおらず…勇気出して緊張MAXで電話で交渉。

どうしても撮りたくて、周り全てあたったが全員に断られた旨を伝え

「あなたが知っている、学生さんでもいいので紹介してほしい」

とお伝えしたところ

なんと!

その方自身が受けて下さった。

もちろん、その電話で泣きました。


そんなこんなでその方がもう1名優秀な方を連れて来て下さって

現場で録音した音を全て、録音部さんが持ち帰って下さり

セリフ以外を全部綺麗に聴きやすく整えてくださって(膨大な量)

その上から環境音を重ねる。


ロケ地のやむおえない状況で、後ろのカラオケの音が止められないとか

何かの音が止められず環境音がうるさ過ぎる場所での撮影分などは

全て後日、資料の山でとても女の部屋とは思えない(泣)私の狭いアパートで

セリフ部分をアフレコ(汗)


足りない音は音響効果さんが全て

わざわざ作って頂き(こちらまさにこの映画「ようこそ映画音響の世界へ」のようで

すごい感動の音たちでした!!)

全編に合わせた音楽を音楽家の方に作って頂き(こちらも感動の音楽!!))

決め手になる主題歌を憧れのシンガーソングライターさんに

作って頂いた。(この映画の為の主題歌を作って頂けた事も夢のようでした💓)


そして、全ての音をもう一度ミキシングスタジオで整音。

全ての映像をつなぎ、その尺に合わせた長さに音の全てを調整。

完成!!

映画が出来上がって行く工程はかなりエキサイティングでした。


映画は観客にとっては観ている2時間で終わり、

その後感想があり、またいつもの日常に戻っていく

ほんのひととき高揚感や、想いを巡らすものかもしれない。


しかし!!…作る側にとっては数年がかりでの大仕事。

いやぁ〜、映画って奥深い。

そして音って、本当に奥深く、すごくクリエイティブで豊かな世界です。