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妄想列島

少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口66-

2020.09.29 10:00

66 思いの強さ?



2人がジャレているところに、キャンドーは再び説明を続ける。


「つまり2人のその思いの強さ、まず彩里水くんは当然のように我々が地中を潜り無事に塀の向こう側へ渡ることをイメージしていた。この“当然のように”というのは実は強く願うということよりかなり強力な実現力があります。そして、白兎くんはより強力に私たちに再会することを、追い詰められたことに寄よって逆に強くイメージしたのではないでしょうか?それによって、その白兎くんの思いと彩里水くんの思いが重なって、このような形となって現れたのだと思います。」


「ふーん。」


「先程私が説明した“根底に強力に信じてしまっていること”にも繋がるんですが、思いが強いことが実際に起こる、とか複数人の思いが絡み合えばその中で化学反応が起こり2人とも予想していない形だが2人の思いが叶う出来事が起こる、という仕組みです。」


「へえー、なんかおもしれえ。訓練したらマジで思い通りになるってことじゃん!」


白兎が言う横で彩里水は欠伸をしている。


「まあ、説明するとちょっと難しいですかねえ?」


キャンドーが苦笑いしながら彩里水を見ると、彩里水は言った。


「でも、信じたことが叶うってなら別にオレたちのいる世界だってそうじゃない?」


「えー?そうかあ?でもオレ、テストで100点取りたいって思っても、バレーボールのクラブチームで試合に勝ちたいって思っても、いつも思う結果になるわけじゃねえしー。」


「でも、キャンドーさんは思いの強さが関係あるって言ってたじゃん。だから100点本気で取りたければ取れるように勉強するし、試合に勝ちたいってのだってやっぱ勝てるように練習したり研究したりするし、バレーなら1人じゃないから勝つためにみんなを盛り上げたりとかさ。そういうのするのかどうかが思いの強さってことなんじゃない?」


「えー?まあそうかもだけど・・・。学校のテストなら確かにその範囲をいっぱい勉強すればいいのかもって気がするけどさ、バレーボールの試合だったりすると、オレら小学生が中学生のメチャクチャうまい人たちに勝てるかって言ったらそりゃ無理じゃね?」


「うーん。でもま、その時点で白兎はもう無理って思ってるから、それが叶ってると言えばそうなんじゃない?」


「・・・ぐ。確かにまあ・・・。」


「まあ、でもオレだったら勝ちたいから勝つためにいっぱい練習するな!んで、やっぱり同じく勝ちたいと思ってるやつ見つけるとか。そりゃ今日思って明日すぐ叶うわけじゃないこともいっぱいあるかもしんないけど、でも、やってみるよ!」


「・・・。ま、確かに彩里水ならそうしそうだな。でも、例えばこのチームで絶対勝ちたいと思ってたら?一緒に今まで練習してきた仲間だしさ。それに、自分以外は超つええやつでいいならそりゃ、そういうやつ集めればいいってことだし何かずるくない?」


「え?別にずるくないでしょ?だって、強いやつ集めるのだってそう簡単なことじゃない気もするし、本気で勝ちたいってつまりそういうことじゃない?例えば白兎の望みがこのチームで絶対に勝ちたい、なのかとにかくあの中学生チームにバレーボールで勝ちたい、なのか、そういうことによっても変わるよね。そこもハッキリさせないといけないのかもね。」


「・・・。確かになー。自分がとにかく勝ちたいのか、それともこのチーム勝ちたいのか、それによってもやることは変わってくるな。・・・なるほど、おまえ意外と頭いいんだな。」


褒めてるようでけなしながら白兎が言うと、彩里水は素直に照れる。


「なんだよ、急に褒めて。照れるだろ。」


「いや、まあ褒めてるって言うかさ・・・。いいんだけど。」



つづく