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妄想列島

少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口67-

2020.09.30 10:00

67 確信するってどういうことなの?



キャンドーもまた会話に参加する。


「そうそう、思いが混ざり合ったりして化学変化を起こすなんて言うのはそういうことだったりしますよ。」


「例えば同じクラブチームの選手の子たちが全員本当に勝ちたいと思っているのかとか。本当はその中の1人の子は“勝ちたい”より、試合や練習の辛さや苦しさが、勝ちたいという気持ちよりも強い場合があります。本当は家で絵を描く方が好きなのに、周りのみんなの勢いに推されて、自分の望みは絵を描くことよりバレーの練習をすることだと思い込んでいるだけだったり。本人すら、自分の本当の望み気がついていない。それはとてもやっかいですね。」


「あー。なんとなくわかるような。」


白兎はクラブチームで上手い方だし真面目に練習するけど、中には、ウソをついているようには見えないけれど、その練習に対する熱量と言葉の熱量が伴っていない友人も少なくないことを思い出した。


キャンドーは続ける。


「それに“勝てる”と思っているのか。“勝ちたい”なのかそれとも“勝てる”なのかでも違ったり。これについては単に表現の仕方なのですが、一言に“勝ちたい”と誰かが言っていたとしても、その思いの中には“勝ちたいけど勝てない”と思っている場合もあります。でもまたある人にとっては“勝ちたい”という気持ちが“勝ちたいし勝つ”といろいろな状況や状態を分析した上で確信しているという場合もある。そういう場合、前者は勝ちたい人で勝てない人、後者は勝ちたい人で勝てる人になる、という具合です。」


「ふーん。要はそこに確信があるかってこと?」


「そうとも言えるし違うとも言えます。例えば本当に小さなお子さんが、自分はトランプのゲームをして親御さんに勝てると本気で信じているとします。それで、本気で信じていて、親御さんがわざと負ければ、それでもその子は勝ったということになります。」


「ふんふん。」


「でも、自分は確信しているにも関わらず負けることもあったりする。それはなぜかと言えば、そのお子さん以上に親御さんが確固たる確信を持って勝てると思っており、わざと負けたりしないという場合です。」


「あー、それが思いの強さってやつ?」


「そういうことです。相手が、いろいろな状況や環境という根拠を持っている場合、それは自信を持つ、確信を得るという大きな手助けになるんです。」


「ですから、お子さんは確信していたとしても、その確信は親御さん以上ではなかったということです。ただ、確信度などは目に見えて比べられるものではないのでね。もし白兎くんがその方法をマスターできれば、この不思議の国だけではなく、君たちの世界でも必ず君の大きな武器になりますよ。」


「おお!」


「それに、彩里水くんは今でも割と感覚的にそれができているようですし、それはとても素晴らしいことですが、知識として知っていると何かに躓いたときににも起き上がるのが早くなると思います。ここを上手く抜けることができたら、君たちが望めば順を追って説明しますよ。」


「おおー!知りたい!」


2人は声を揃えて言った。


「ええ。では、今は早くこの城を抜けましょう!」


「だね!」



つづく