「どうぶつたちのおかいもの」「コロコロどんどん」「のぼっていったら」太田大八
子どもの頃に読んだ絵本は、普段思い出さなくて忘れてしまっているようでも、胸の底に沈んだまま残っていて、だから何十年も月日が経った後にまた同じ絵本に触れることがあると、絵本は底の方からふわふわと浮かび上がってきて、不思議な幸福な気持ちにしてくれます。
自分は、堀内誠一さんや太田大八さんの絵本でそういう体験をしたことが何度もあります。
最近も、太田大八さんの絵本「どうぶつたちのおかいもの」が入荷した際にパラパラと見ていると、あれ、この絵の感触、知っているような気がする、あれれ、この絵本は読んだことあるぞ、となっておりました。
太田大八さんの絵本は良いですよね。
色が好きです。色彩がありますよね。「どうぶつたちのおかいもの」なんて、まるでボナールです。
遠く、外国の動物園に行ってしまうカモシカの親子のために、色々な動物が商店へ繰り出して、プレゼントを買う、素敵なお話です。
先日更新した太田大八さんの絶版の絵本3冊のうちの、もう1冊「コロコロどんどん」も色彩のある絵本です。にわとりのたまごが、お母さんがちょっと離れたすきに、コロコロどんどん、世界を旅するお話。
その世界はやはり、太田さんの描く輝く色彩に溢れていて、とても楽しいです。ユーモラスな終わり方も良いですね。
もう1冊「のぼっていったら」は反対に色のほとんどない絵本です。
色とともに、文字もありません。
一人の男の子が目の前にあった梯子を登りだす。
梯子を登り終えると、階段があって、どんどん登っていく、その先にはエレベーターがあり、エレベーターを降りるとエスカレーターが、エスカレーターはゴンドラに接続していて、その次は長い長い螺旋階段が….。
どんどんどんどん登っていった先にある、素敵なラスト。
不思議の中に何処か寂しさもある、美しい絵本です。
どれも絶版で、やや手に入りづらい絵本になってしまっているので、気になる方は是非どうぞ。
オンラインストアの方でもご覧下さい。
当店の太田大八さんの絵本はこちらです。