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【活動レポート】より良い人間関係を作るためのコミュニケーション講座「聴き方・伝え方」を開催しました!

2020.09.30 00:20

親子の関係、夫婦の関係、職場の人間関係など、人と関わる時にはコミュニケーションが欠かせません。特に、子育てをする中で、子どもとのコミュニケーションに悩んでいるママはMIRAISにもたくさんいます。

そこで、日本親子コーチング協会認定コーチ・認定ピットインカードマスターインストラクターの曽我部聡子 (そかべ としこ)さんこと”とこちゃん”にお越しいただき、「より良い関係を作るためのコミュニケーション」について、聴き方編と伝え方編に分けて、それぞれ詳しく教えていただきました。

曽我部聡子(そかべ としこ) さん
一般社団法人 日本親子コーチング協会認定コーチ
認定ピットインカードマスターインストラクター
アクセス・バーズ®プラクティショナー
絵本セラピスト協会認定絵本セラピスト
プロのコーチとして起業をした、21歳の娘を持つお母さん。

「いくつになっても大人可愛く!」をテーマに女性が自分らしく夢を実現していくための
お手伝いをされています。

Webサイト:https://www.reservestock.jp/pc_reserves_v2/courses/18271


傾聴・聴き方編

初日は、”聴き方”の大切さについて教わりました。

コミュニケーションをとるときに、しっかり相手の話を聞く「傾聴」が大切だとよく言われます。とこちゃんいわく、傾聴は「幸せな関係をつくる聴き方」。傾聴ができるようになると「この人なら安心して話せる」と思える信頼関係の土台をつくることができ、相手が自分の気持ちを話してくれるようになります。そうなると、スムーズにコミュニケーションがとれるようになり、関係が良くなったり、相手の自己肯定感が育まれる、という好循環が生まれるそうです。

話を聞くときの心構え

まずは、聴き方のテクニックの前に、相手の話を聞くときに大切にしたい心構えとして、

・必ず守秘義務を守る・相談者の一番の味方・何を言っても否定しない・聞き役が望ましいと思う答えに導かない・相談者の伝えてくれた想いを大切に

という5つのルールを守って、話を聴くことが大切だと言われました。
そのうえで、「相手の目を見て聴く」「あいづち・リアクションをする」という聴くときの態度に気をつけたり、「相手の言葉を言い換えずにそのまま返す」ことを意識すると、相手が安心して話しやすくなるそうです。また、相手の状態(ステイト)に合わせて自分の声のトーンを変えて話すことも大切で、例えば、落ち込んで元気がなくなっている人に対して、ものすごく元気に「そんなことがあったんだー!!!」と言うと、かえって逆効果になることもあるので、注意が必要とのことでした。

ヨコの関係を築く

そして、何よりも大切なのは、相手を命令や指示などで変えようとしたり、心配したり評価するような「タテの関係」ではなく、対等で協力し合える「ヨコの関係」を築くこと。たとえ相手が子どもであっても、尊敬し、信じることで、主体性が生まれ、自分で課題を乗り越えられるようになっていくので、ヨコの関係を意識して接するようにしましょう、とのことでした。

また、人の話を聴くためには、自分の心の状態を保つことも大切です。自分が満たされることで、自然とまわりの人にも優しくできるようになっていくので、まずは自分を大切にしてくださいね、という温かいメッセージをいただきました。


伝え方編

2日目のテーマは、”伝え方”です。ママとして子どもと関わるときや、妻として夫と関わるときに、伝えたいメッセージがより相手に届きやすくなる伝え方を学びました。


目的論で接する

とこちゃんのコーチングのベースとなっている考え方には、アドラー心理学の「原因論と目的論」という理論があるそうです。

原因論は、どこが悪いかを考え、それを直そうとする考え方。

目的論は、どうなったらいいかを考えるとらえ方。悪いところではなく増やしたいところを指摘する。

原因論で考えてしまうと、悪いところにばかり目が目に付くようになってしまいますが、目的論で考え、増やしたいところを見つけるようにすると、良い点ばかりが目に付くようになるそうです。また、増やしたいところを指摘された人はセルフイメージが良くなり、自信につながるので、指摘された行動が増えていきます。意識的に目的論で人を見るようにすることは、お互いにとってプラスになるのです。

また、誰よりも一番に目的論で関わって欲しいのは自分自身であるということも教えて頂きました。

Iメッセージで伝える

次に、相手に勇気づけを与えるメッセージについて、教えていただきました。

どんな自分を見せても否定せずに勇気づけをすることで、ありのままの自分を見せられるようになるので、特に子どもを相手にするときには、勇気づけを意識して伝えることが大切だそうです。

勇気づけを与える伝え方のひとつが、「Iメッセージ」と「YOUメッセージ」です。

例えば、相手に不満を伝えるときに、

YOUメッセージ:あなたの言っていることはおかしいよ。何でそんなこと言うの?
Iメッセージ:それを聞いて、とっても嫌な気持ちになったよ

というように、主語をI(わたし)にするか、YOU(あなた)にするかを変えることで、同じことを伝える場合でも、相手への届き方が変わります。ついつい使いがちなYOUメッセージは、そのつもりがなくても相手に責められているように感じさせてしまうことがあるので、できるだけIメッセージを使いましょう、とのことでした。


勇気づけるメッセージを伝える

その他にも「できていないことを指摘するだけではなく、次はどうしたらいいか考えるように促す」「成果よりも過程を認める」「成功だけではなく、失敗も受け入れる」など、相手を勇気づけるメッセージを色々教えてもらいました。また、反対に、勇気をくじくメッセージもあるそうです。例えば、褒めることは勇気づけではなく、場合によっては勇気をくじくことになる可能性もあるので、気を付けた方がいいそうです。


アドバイスでも同情でもなく、コーチモードで接する

最後に、相手の話を聞いたときに、どんな風に聞いたことについて返すの良いか、ワークを通じて実際に体験しながら教えていただきました。2人でペアを組み、片方が自分の今の悩みを伝えて、①アドバイス・指示・命令モードの接し方、②同情モードの接し方、③コーチモードの接し方、の3パターンで返してみて、どう感じたかをフィードバックするというものです。

アドバイスモードや同情モードも、相手のためを思って良かれという気持ちで接するアプローチです。ついやってしまいがちな伝え方ですが、実際に自分がされてみることで、どんな気持ちになるのかを体験でき、コーチモードで接することを意識しようと感じることができる時間でした。


最後に

実際に、教わった聴き方や伝え方を実践するペアワークをはさみながらだったので、体感的に学ぶことができました。また、とこちゃんの優しい口調が心地よく、講座の途中に次々出てくる質問ひとつひとつに丁寧に回答していただき、実際に直面している悩みや課題についてのアドバイスもいただけて、とても温かい時間でした。まずは何よりも自分を大切にし、自分に対して勇気づけをしていくことが、人との関係をより良くすることにつながる、という言葉にホッとさせられました。

MIRAISメンバーの中には、小学生や幼児を育てているメンバーも多いので、早速実践できる、とてもためになる内容ばかりでした。また、子どもに限らず、地域や職場などで人と接するときに大切な「聴き方」「伝え方」について、自分を見直すきっかけになった人も多かったと思います。とこちゃん、どうもありがとうございました!