Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

じゅんじゅんホームページ

呑みオフ会

2020.12.11 09:16

※画像は下記。

昔の私。

目つきがとてもわるい。


23かそこらの頃、私はとにかく、酒代に困っていた。

午前1時過ぎまで勤務のリラクゼーションサロンを辞め、夕方上がれる仕事に転職した頃である。

それなりに稼いではいたが、家を借りたりなんだりで、貯金は無いに等しかった。

ちなみに前職の時は、仕事終わりに東中野からチャリを飛ばしてゴールデン街なぞに行っていた。

その時は、金はあったが、仕事の終わる時間に呑み屋がやっていなかったのだ。

なにかと呑むことに折り合いが付かず、やきもきしていた20台前半。

さてどうしたもんかいなと考えた挙句、オフ会に行く事にした。

オフ会とは、ネットで知り合った者同士がオフラインで集う会合である。

元々は趣味の合う者同士が募っていたはずのこのオフ会。

今では、会う事前提で募集をかけるものの方が多いような気がする。

その中の一つである"呑みオフ会"という、なんとも怪しい会合に行っていた。

呑みオフ会と称した合コンのようなもので、大抵女性の方が安い。

飲み放題1000円くらい。

安い時は500円。

なんじゃそりゃって価格。

その分男性は高い。

仕組み自体は、女性が無料で男性が有料という、今流行りの街コンや相席居酒屋みたいなものだろう。

相席云々の類いは行った事ないけども。


インターネットで募集している呑みオフ会に応募して、所定の店へ行く。

地図を見ながら歌舞伎町の雑居ビル内のBARに入ると、やる気のない店員さんが入店前にザッと説明をする。

伝える気ゼロだなという読み上げっぷり。

勤務前に読み上げる社訓の様な具合。

言葉にも聞こえない。

もはや呪文。

お金を払って中に入ると、これまたくたびれた客がぽつりぽつり。

サクラだと見てわかるギャルが、BOX席でスマホをいじっている。

呑みオフ会のHPには、大抵パリピ全開のギャルやギャル男で超満員の写真が上がっている。

しかし、あんなのはただのイメージであり、現実には6人いれば良い方という状況。

写真はイメージですと注意書きしても詐欺レベルである。

実際にパリピパーティーな現場もあるのかもしれないが、私の行っていたド底辺オフ会は総じて閑散としていた。


説明を聞き終えてお金を払い、空いている(ていうかほとんど空いている)席に着いて、ビールを頼む。

端の方の席には資材や酒の入った段ボールが無造作に積まれ、バーカウンターのボトルにも薄っすら埃が積もっている。

普段からあまり繁盛しているようには見えない店内を見て、ここの生は大丈夫だろうかと少し心配になったが、出されたビールは美味しかった。

生ビールはサーバーの洗浄具合などでガクンと味が落ちる。

一口でわかる。

初めての店では瓶ビールを頼むのが安牌。

ビール党の鉄則である。

ていうかこの店よく潰れないな。

どこかの奇特なお金持ちが出資しているのだろうか。

それとも持ちビルなのだろうか。

ここは歌舞伎町だから、何があっても不思議じゃ無いけれど。


サクラギャルと並んで、必ずと言って良いほど現れるキャラに、ギャルとお近付こうと思って来た冴えない大学生男子というのがいる。

前述のHPのパリピ写真と、「たくさん友達できるよ♪」的な文句を鵜呑みにして来てしまった模様。

大学デビューを逃して挽回する為に、という匂いがすごい。

このタイプは東京都外から来る人が多い。

そして自分の大学の学部がどこかやスペックの自慢話をやたらしてくる。

想像していたオフ会とだいぶ違うけどなんとか戦果をあげて帰りたいので頑張って話してくる。

が、かなりカラ回っている。

じまんばなしかよぉー、とツッコミを入れるほど盛り上がってもいないし、元々誰一人盛り上げる気がないので、彼一人で喋り続けることになる。

呑みオフ会あるある、道化師大学生。

悪口ではなく、あくまで客観的感想である。


サクラギャルと、あわよくばお持ち帰りたい冴えない男子大学生と、数合わせに呼ばれたであろう店員の友人(ホストみたいな風態)と、酒を呑みたいだけの私。

歳は皆二十前半だが、謎過ぎるメンツ。

結局その日は、当時超人気だったポケモンGOの話題で盛り上がり、なかなかアツい夜になった。

アイテムを使うと花びらが舞いポケモンが出没し易くなるのだが、ホストっぽい人が、

「明け方になると仕事終わりのホストたちで、歌舞伎町花吹雪になるっスよ!」

と、特に役に立たない情報を教えてくれたりもした。

全く違う人種なのに盛り上がれるポケモンGO、すごい。

なんだかんだで楽しい思い出になった。

そんな呑みオフ会に幾度か出入りした。

前述の通り、そこにはいろんな人がいた。

酒を呑む為の苦肉の策といえど、私にとっての日常だったので、心のどこかでみんなそういうところ行っていると思っていた。

でも違った。

おかしいだろ。

普通行かないだろ。

でもおかげさまで、面白エピソードをたんまり輸入できた。

今でも酒の席などで肴に話している。


ただの呑み会も厳しい今の世の中、あのオフ会は一体どうなったんだろう。

くたびれていて、やる気がなくて、でもなんだか楽しくなったりして。

ああいう夜は、繁華街から消えてしまったのだろうか。

今を嘆くより、過去を惜しむより、今尚、楽しかった時を楽しかったなと笑っていたいと思う。

そうやってまた新しく、たくさん楽しいを増やしていきたい。

今夜は千葉ANGA。

食べ物持ち込みOKとの事で、顔合わせ後速攻クロメと一緒に買い出しに。

帰りもの電車もたぶん一緒。

どんな大泥酔になるでしょうか。

たのしいたのしいよるにするぞ。