変わる家族 変わる食卓
長ネギが1束3本で128円。
店の外に出ている商品と値札を見て、初めて、その八百屋さんに立ち寄った。
昨日スーパーでは、1本98円だったので、これは大収穫!
お手伝い大好きの娘がネギを持ってレジへ行くと、
『ネギはお切りになりますか?』と訊ねられた。
一瞬悩んだ。
と言うのも、
夏石鈴子さんの「逆襲、にっぽんの明るい奥さま」を読んだばかりだったから。
作品の中には、スーパーでレジ打ちのパートをしている主人公が、
『レジを打っていると人間って二種類だと思う』と評する場面がある。
なんとその場面で、ネギを切る人は、見栄っ張りの人が多いとされていたのだ。
小さな子どもや赤ちゃんを連れている女性は切らない場合が多いとも・・・
でも、自転車のかごにネギを入れて帰ることを考えると、折れてしまうリスクもある。
だから、切ろう!と決断した。
半分にカットされたネギを見て、娘がえらく感激し、
『わ~、ありがとう、ばいばーい』と店員さんに、愛想を振りまいていた。
岩村暢子さんが、2003年に出された「変わる家族 変わる食卓」は、
食卓の激変ぶりを調査しまとめた作品。
私たちの母世代位までは、多くが、食事で生活のリズムを作っていたよう。
食事の場に家族がそろい、食事の支度をして決まった時間に食べるために
一日のスケジュールを組む。
でも、現代は、そのほかに大事なことがたくさんある。
さらに食事を簡単に済ませるための商品があふれている。
”時短”は、推奨されることで、”手抜き”ではないと考えられている。
この本は、「いまどきの主婦はこんなにもひどい。もっときちんと料理すべきだ」と
糾弾するためのものではないとのことだが、
食事を軽視していたな・・・と後ろめたい気持ちになった。
今私は、生活ときちんと向き合うことを目標に掲げているのだから、
”食”をもう少し大切に考えなくてはと思った。
安くゲットしたネギを使って、明日は何を作ろうか・・・