編み物と初毛糸染

My編み物道具の一部。

私は小さい頃から編み物が大好きで、毎年冬が近くと決まって編み物をする。

暖かい部屋でホットココアを飲みながら、編み物をする。

これぞ、至福のひととき。

去年、いつも通り中野の手芸屋さんつよせで毛糸を物色していると、ふと、毛糸玉になっていない生成色の毛糸の束に目が止まった。

毛糸まつり(という名のセール)のメインワゴンではなく棚の中下段あたりに並んでおり、メーカーのタグなどもちろん無く、グラム数と値段の書いた紙が細い針金で留めてあった。

はて、と思い眺めていると、店員さんが話しかけてくれた。

これは染める前の毛糸で、自分で好きな色に染めて使うのだと言う。

生成色が好きな方はこのまま編んだりもするのだとか。

染めていないものなので、その分値段も安い。

これはもう私のハンドメイド欲と節約性が反応しないわけがない。

自宅のシンクでも染められますよと、ご丁寧に説明の紙も添えて下さった。

接客して下さった年配の女性は、

「私はね、この毛糸とてもおすすめするわ。手間は勿論かかるけれど、もっと作ることを楽しんで欲しいのよ。」

と仰っていた。

作ることを楽しむ。

とても素敵だと思った。

毛糸まつりと称したセール会場の5階から1階へ行き、店員さんに尋ねながら染料を買う。

染めものは、沖縄の修学旅行で紅型体験したくらいである。

何色にしようか悩んで、深緑色の染料を買った。

まずは毛糸に付いているワックス的なものを落とすために、洗濯用洗剤でじゃぶじゃぶと洗う。

ワックスが水を跳ね返してしまって、結構大変。

絞って、陰干し。

なかなか乾かない。

乾いたらさあ染めの作業。

と、ここまでが去年の出来事。

そこから染めの作業に入る気力がないまま、今日に至った。

去年末は人生でトップ3に入る暗黒突入期だったし、しかたない。

秋になって天気も気候もよくなってきたので、ついに重い腰を上げ、先日初毛糸染。

100均で買ってきたバケツに、説明通り毛糸と染料をIN。

うおお、すごい。

黒く見えるけど、ちゃんと緑色に染まってる。

ちなみに80度のお湯で染めているので、とてもあつい。

ゴム手袋をして火傷をしないように、20分掻き混ぜ続ける。地味に疲れる。

その後20分放置したら、水で洗う。

最低10回はじゃぶじゃぶして、余計な染料を落とす。これも大変。水を吸った毛糸はかなり重量があるのです。

他にも何か染めればよかったなあと思いつつ、初めてなので毛糸のみで。

脱水は疲れがピークだったので洗濯機で。

本当は多分やっちゃダメなやつです。

どん。

お、おおう。緑。

一年放置していたせいなのか、私が洗濯機で脱水したせいなのか、随所がボブマーリーの毛髪みたいな塊になっていた。

これ、ドレッドヘアーやん。

もはやフェルト化してるやん。

大丈夫なのか。

毛糸からレゲエが聴こえてきそうだよ。

陰干し。

夜だったのでそのまま干す。

なんか。

すごい不気味。

なんだかわかんないもの。

隣の家のベランダに干してあったら二度見する。

あと、色的にも、物質的にも、あれっぽい。

ひー。

こ、こわいよー。

勿論、本物を見たことも触ったこともないけれども。

色味がそれっぽくてつらい。

私のはじめてのハンドメイド毛糸ちゃんがこんな姿に。

翌日、乾いて回収。

とても軽い。

更に乾燥大○っぽい。(※イメージです。)

あまりの変貌に、心が立ち直るのに数日かかった。

でもせっかくここまできたのだから、がんばって毛糸として編み編みしたい、と、昨晩ドレッドヘアーのような毛の塊と対峙することに。

ただ、少し眠たくなってきた午前1時にやらなくてもよかったのではといまだに思っている。

しかもベッドの上で始めてしまったから、このまま眠るわけにもいかない。

なんなの。計画性ゼロなの。

なんとか少しずつほぐす。

表面の繊維同士がくっついてしまっているドレッド部分をほぐす時、ベリベリベリ！という音がして、悲鳴のように思えてつらかった。

こんな御姿にして、ごめんよ、毛糸ちゃん。。。

いま楽にしてあげるからね。

ベリベリベリベリ。

特に力のいる作業ではないものの、2時間を超えるとさすがに引き剥がす腕が疲れてくる。

がんばれ、がんばるんだ。

そして私は早く眠りたいんだ。

ネットで、

"一度糸をどこかにくぐらせると延々とくぐらせなくてはいけなくなるので、がんばってほぐすのが吉"

と書いてあったので、ひたすらにほぐす。

そして意外と、冷静にがんばればほぐれる。

近道だと思って急ぐと取り返しのつかないことになる。

時間はかかっても、ひとつひとつ丁重にたどれば、きちんとほぐれていく。

人間関係も同じですね。

もう眠たいのと疲れたのとで、思考が飛んでしまっている。あかん。

途中、どうしても絡まってしまった一箇所だけハサミで切り、なんとか全てほぐし終える。

即席で作った芯に毛糸を巻きつけてゆき。

ついに完成。

わああああ。

すごい、すごいぞ、私。

あの乾燥○麻が、きちんと毛糸玉に。(※例え話です。)

まさに努力の賜物。玉だけに。

あとひと玉分程は残して午前4時就寝。

3時間、よく頑張りました。

いつもマフラーとかだから、セーターとかベストにも挑戦したい気持ち。

わくわく。

毛糸ほぐし中、ずっと聴いていたヒーリングミュージック。

2時間超えたところからは、さざ波の音を延々と。

眠る前とかによく聴く。

癒し系ミュージック、良きですな。

今日は絶対昼寝する。