「宇田川源流 日本万歳!」 中秋の名月をめでる日本人の風流心
「宇田川源流 日本万歳!」 中秋の名月をめでる日本人の風流心
月曜日は、「日本万歳!」をお届けしている。日本人が普段あまり意識しないですごいことをやっていたり、習慣的にやっていることが外国人から見ればとても真似をできるようなものではなかったり、また、日本人の心の持ちようで様々なことが変わってくる、そのような「無意識のすばらしさ」を解説し、その日本人のすばらしさを皆さんと共有しようということである。
毎週月曜日になると、土日の休みと気持ちを入れ替えなければならないのであるが、人間である以上なかなかできないものである。それも、土日が楽しく充実した者であればあるほど、疲れも取れないし、またなるべく長くその休みを取りたいと思うのがふつうである。それでもその休みを充実したものにするためには、平日の仕事の頑張りが必要であり、その頑張るということは、日本は当然に「心因的な強さ」が必要であることから、何とか自分たちの「誇り」や「すばらしさへの自覚」をすべきではないかという気がするのである。
とかく日本人は、自分の国やその歴史に関して自虐的でありすぎるところがあり、どうも自信喪失をしているし、また、日本人というのは「謙譲」という単語を間違って「卑下」という言葉と混同している部分があり、そのために、真実の自分たちの姿や功績をわからなくなってしまっている人が少なくないのである。また、「日本人に卑下をさせて、日本の技術や知恵を不当に低い価値に思わせて安く買い取ろう」というような悪い輩やたちの悪い輩に手を貸している日本人に利用されてしまっているのです。
そのようにならないために、日本人のすばらしさを再確認できるように、その内容を考えてみたいと思う。
さて、今回は、そのような「技術」のことではなう、日本人の「風流心」についてである。
中秋の名月は広い範囲でチャンス 関東も午後になり天気回復
今夜は中秋の名月です。午前中は雨が降っていた関東も午後になり天気が回復、西日本、東日本の広い範囲でお月見を楽しむことができそうです。
関東も天気回復し期待大
15時時点の衛星画像では西日本から東海にはほとんど雲が見られず、関東も一部に薄い雲が残る程度となってきました。関東の雲は東に離れていきますので、月が出る頃までにさらに雲は少なくなる見込みです。雲が多い北日本も、気圧の谷が抜けた後はゆっくりと回復に向かい、夜遅い時間ほど雲に隙間が増えてきます。雲の間から、名月が顔をのぞかせるかもしれません。昼間は少し暑さを感じられた西日本や東海も夕方以降は気温が下がり、空気が冷たくなってきます。お月見をする際は、冷えないようにお気をつけください。
中秋の名月とは?
中秋の名月とは、昔使っていた月の満ち欠けをもとに1か月の日付を決める太陽太陰暦(旧暦)の8月15日の夜に見える月のことを指します。もともと旧暦では1年を3か月毎に分けて、1月~3月を春、4月~6月を夏、7月~9月を秋、10月~12月を冬としており、秋の真ん中にあたる8月15日を中秋とし、その日に見える月を中秋の名月として愛でるようになりました。この中秋の名月を愛でる習慣は平安時代に中国から伝わったとされており、現在でも中国では中秋節として祝日とされ、重要な行事の一つとされています。このように習慣となった旧暦の8月15日に月を鑑賞する中秋の名月ですが、現在用いられている新暦では旧暦から約1か月ズレているため、9月や10月に中秋の名月を迎えます。
中秋の名月=満月ではない!?
中秋の名月の日は必ず満月と思っている方も多いと思いますが、実はそうではありません。むしろ満月ではない年の方が多いです。これは中秋の名月の日付を決めるもととなる旧暦と、実際の月の満ち欠けの周期が完全に一致していないためです。この先、中秋の名月と満月が重なるのは2021年で、2023年にかけて3年連続となるものの、その前は2013年なので8年ぶりのこととなります。また、2019年~2027年の10年間で3年しかありません。ただ、満月とは重ならないとは言っても、満月との差は1日~2日なので、毎年満月に近い明るい月を見ることができます。今年は10月2日(金)が満月で、中秋の名月とは1日ずれていますが、満月の瞬間は2日6時5分のため、今年の中秋の名月に見えるお月さまも、ほぼ満月の丸い月となります。
2020年10月1日 15時0分 ウェザーニュース
https://news.livedoor.com/article/detail/18985992/
日本人は明治6年から太陽暦を使うようにしている。それまでは「陰暦」を使っていたために、「閏月」などがあり、そのことで季節を調整していた。月の動きをもとに暦を作っていたので、月に関する暦などの言い方が非常に大きいのである。
「一日(ついたち)」=「月が立つ=月立」
「十四夜(よいまち)」=「宵待月」
「十五夜」「十六夜(いざよい)」「十七夜(立待月)」「十八夜(居待月)」「十九夜(寝待月)」そして「晦(つごもり)=月籠」というような言葉である。残念ながら天照大御神の国でありながら太陽とによる暦に関する言葉は少ないのである。そもそも「一月」「二月」というように「月」を使っているところがなかなか興味深い。太陽は「一日、二日」というように「昇って沈むまで」を一つの単位とし、月は「新月から満ちてまた神月に戻るまで」を一つの単位としているのである。このように、日本人は「自然」もっと言えば「太陽と月」を基準に生活を規定していることがよくわかる。そもそも三貴神は太陽の神天照大御神、月の神月読命、海の神須佐之男命であり、その太陽と月、そして須佐之男命の孫である大国主命によって国がなっているというのが日本書紀や古事記に書かれている内容ではないか。
さて、その月の中で最も美しいのが、陰暦の八月十五日、いわゆる「中秋の名月」といわれるものである。ちなみに言えば「中秋の名月」とは、必ずしも満月ではない。日本人というのは「完全に満ちているもの」「完全なるもの」ではなく「何か欠けているもの」に対して「自分の創造力や、これからの発展をもってすばらしさを感じる」という風習がある。そのために、もっとも縁起の良い数字は「陰の数字の最も大きい数の八」であり、「陽の数字の最大数九」ではない。それどころか九月九日は、陽が重なりすぎているということで「重陽の節句」といって、実はそんなに良い話ではなくこれから起きる不吉なことを払うというような節句になっているのである。
さて、陰暦と太陽暦で暦が異なる。そのために、現在の「中秋の名月」は8月15日ではなく、今年の場合は10月1日であった。それも、満月になるのは明け方近くであって、完全に満月ではない「中秋の名月」という、もっとも日本人の美意識にあった内容であったといわれている。
ここに日本人のすばらしさがある。
「自然とともにいること」「完全の一歩手前を最も美しく感じること」「宵(働く時間ではない時間)を大事にしている事」など、この「月見」ということに非常に日本人らしさを感じるし、また、そのことが日本人の風流を最もよく考えられるのである。そのように考えると、日本人の風流「雪月花」は、「雪=水の源」でありながら、実は働く時間ではなく、何もできない時間であり、また「花」も、花はめでるものであって食べるものでも働くものでも何もないのに、それを風流というように定義している。つまり「無駄」を「風流」とし、それを重用することによって「ゆとりを作ることを良しとし、働きすぎないことを推奨する」というようなことになっているのである。
さて、コロナウイルス禍で、どうしても働きすぎたり、不安を感じたりする人々は、このような時こそ「生活や仕事には直接関係のない風流新をもって、世の中を少し楽しむ」のはいかがであろうか。そのような心を大事にすることこそ、日本人のすばらしさであると確信している。