Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

手料理と化学

2019.01.31 18:30


演出家 三浦香氏と創るオリジナル作品は、私にとって至極充実し、楽しさとクリエイティブ、そして皮肉と哲学に溢れてる。ゼロから紡ぎ出す物語。風景。キャラクター。正解はもちろん、脚本も担う彼女の頭の中にしかないのだけど、その正解を彼女からアウトプットしてみせるのがまた至難の技(笑)。キャスト同様、あの手この手で引っ張り出そうとするが、彼女はそれを楽しむかのように出したり引っ込めたりする。だから稽古場は2019年も相変わらずハテナが飛び交う。そして思う。

はて。最終的に正解は出たのか??

たぶん、香氏は正解なんて求めていない。このスタッフ全員とキャスト全員と七転八倒しながら創って行く過程こそが作品そのもの。だから、これに関わる人間誰一人として欠ける事は出来ない。誰一人欠けては、この物語を読み終えることは出来ない。
結局、美味しいマズイなんて個人の好みだし強制は出来ないし。だからこそ常に自分達が思う最高の料理を提供したい。お客様には、数あるお店の中からこの店のドアを選び、楽しいお喋りと美味しい料理を味わって、ここに来て良かったね!って言ってもらいたい。単純にそれだけ。それだけの為に自分と、時には何かと、闘う。それだけ。


相変わらず私は"振付師"という自覚がないままいつもみんなの邪魔をしているわけだけど、だって今日も野菜を新鮮に保つ水の冷たさを知りたくなっちゃうし、入ったオーダーをここ一番大きな声で叫びたくなっちゃうし、ネギが足りなければ隣の店までひとっ走りしてくるでしょ。ネギ、大事。
…ていう意味の分からん持論もそろそろ通用しなくなるか。。w

眠っている才能が覚醒していく様は、誰もが平等に持っている力だと思う。出て行くスピードや出方は人それぞれ。永遠のナゾである自分という存在と他者との奇跡的なマッチングでもってひょっこり顔を出す瞬間。希望や期待ではなく、才能の大小でもなく、そこにあるのはお互いに可能性を秘めた「己」を信じる力のみ。一人では叶わないことも、自分じゃない何かと化学反応を起こした時に目覚め、そして変化は起こる。これを信じる力のみ。


私は自分の中にある可能性を未だ信じている。アホみたいに。それと同時に抱く疑念。鬼みたいに。くるしい。けどこの2つが同居するから続けられるのかなとも思う。天使と悪魔。両方、わたし。
いつかこの事に力尽き諦めた時は、また土いじりに戻ろうと思う。うん。それも人生だと思う。

気が付けば、2019年も一ヶ月が過ぎてた。




踊り。音楽。

わたしの原点。

あらゆる芸術に敬意と感謝を。



本年もどうぞ、よろしくお願い致します。