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サロンマーケター岩田のキャリア&マーケBlog

お客様の要望は聞かない!ホントに欲しいものは〇〇

2020.10.03 13:02




例えばあなたが車のディーラーだとしましょう。



あなたのお店は色んなメーカーの色んな車種を取り扱っているので、ご来店されたお客様に沢山の種類の車を提案して、買っていただくことができます。



あるお客様(田中さんとしましょう)が来店して、自分の欲しい車を持ちかけてきました。



あなたはその要望を事細かくしっかり聞いてメモを取り、田中さんが求める事にしっっかり答えようと真摯に向き合います。



ひと通り要望を聞いた後、

商品(車)の知識が豊富なあなたは『それでしたら、こちらとこちらの車なんていかがでしょう?』と田中さんの要望に沿った車種を提案して、そのメリットやデメリットを説明します。




田中さんは自分の要望を理解してくれた事を喜び、その通りの車を提案してくれたあなたを信用して、紹介された車を購入することにしました。




その田中さんの要望を叶える車は、憧れのスポーツタイプの車でした。




予算の範囲内でしっかりとご提案し、購入を決めた田中さんもさぞかし満足そうです。






そして1年後。




実際にその車を購入した田中さんは、なぜかさほど満足感を得られず、その車を売ってしまう事になりました。



なぜでしょう?




自分の要望通りの、希望の車を購入できて嬉しいはずなのに、いざ購入してみると何だか思ってたのと違い、色んなギャップが生まれてしまったんです。





実は田中さんには妻と子供がいて、購入時には子供は1人しかいなかったのですが、

車を購入直後に2人目のお子さんが生まれたんですね。




そうすると、実際に子供を2人乗せられる広さの車が必要になり、買い物をするのにも荷物が沢山乗せられる方が使い勝手が良く、

ついには妻から『もっと大きい車がいい』『なんでこんな車買ったの』と言われてしまいました。



田中さんは確かに当時、自分の要望通りの気に入った車を購入することはできたんですが、

そんなに先のことなんて全く考えていませんでした。



いや、2人目が生まれることもわかってはいましたが生活スタイルも想像できず『何とかなるだろう』と安易に考え、いまとにかく自分が欲しい!と思うものを買ってしまい、



結局泣く泣くその車を売り、新しい車を購入することになったそうです。







さて僕がこの後なにを言いたいか...お気付きの方はいらっしゃいますか?




そうです。




お客様の要望だけ聞いてそれに100%応えようとする販売員は、三流です。




この話は僕の作り話ですが、実際にめちゃくちゃよくある事らしいです。





確かにお客様が言いたいこと、望む事を引き出してしっかりとそれにお応えし、最適な商品を提案するのは大事なことです。




でも、お客様は素人です。



言い方はキツイですが

素人の言う事を100%聞いても、プロの見立てには全くかないません。

お客様は自分が本当に必要とするものを知らないのです。



一流の販売員は、お客様の要望を聞きません。この車の件で言うならば、求められるスペックや車種は重要ではなくて『お客様の未来』を想像することに専念します。



つまり、

お客様が表面的に欲しいものではなく本質的に求めている物を掘り起こし〝気付かせてあげる〟んです。





お客様が『これが欲しい』『こんな物を求めています』というのは【健在ニーズ】と言い、これに答えて販売すると実は満足度が上がりにくく、リピートしづらいと言われています。




その反対に、

例えばお客様には『こんな未来が待っているので、実はこんなものが必要になりますよ』とプロの立場での見解でアドバイスし、本質的に求めている物を引き出す【潜在ニーズ】というものがあります。



この潜在ニーズに気付かされたお客様は、自分が本質的に求めている物を〝新しく発見できる〟ので、求めていたもの以上の感動を味わう事になり、幸福度が高くリピートもしやすいのです。




今回の車の件で言えば、

まずはお客様のライフスタイルや家族構成をお聞きし、奥様の意見も取り入れることを想定しながら車種をご提案した方が、長い目で見て総合的に〝満足できる買い物〟ができたわけです。





お客様は何度も言いますが素人ですので、その商品を購入した未来予測など、ほとんどできません。



〝今欲しいもの〟が欲しいとしか言いようがないのです。



でもそこで販売員がもし、その人の起こりうる未来を的確に予知して、その時に必要となるであろう条件やスペックをキチンとご提案できたなら...。



そこにお客様が納得する説明さえできたら、より一層満足度が高い、信頼度の高いご提案ができたのではないでしょうか。








お客様は、わがままです。



自分が望んだ通りのものが手に入ったとしても、何か物足りないんです。



それよりも

自分が予想だにしなかった提案をしてくれる販売員のほうが何倍も信頼してくれます。




これはまさに美容師も同じです。



指名客数が多くお客様に感動を与える美容師さんは、ある程度の要望を(一応)聞いた上でそれを100%遂行するのではなく、

お客様の潜在ニーズを掘り起こして提案します。




簡単に例をあげると、



美容師『お客様の髪質は実は〇〇なので、いつもカットして1ヶ月後くらいに〇〇になりませんか?』


お客様『あ、はい!確かに言われてみればそうなります!』


美容師『ですよね。これは、〇〇だからなんでふ。なので、こうしておいた方がその問題を解決できると思いますよ』


お客様『そうだったんですね、ではそれでお願いします!』




お客様の要望は、時には真逆のことを言ってきたりすることも中にはあります。



でもそれは、お客様が素人なりに一生懸命に考えて言葉にして伝えようとした、自分の真の要望のたった一部にしかすぎません。



美容師はそこを汲み取って、お客様が本当に求めているものは?想定されるニーズの本質は?と考えをめぐらせるべきなんです。




美容師は髪型を売る職業ではないと、僕は思ってます。『その髪型にした生活』を売っているんです。




細かい話になりましたが、お客様の求める本当の〝核〟になる部分をしっかりと掴み、うまく販売につなげていければ良いですね!