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妄想列島

少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口71-

2020.10.05 10:00

71 リンダとキャシー



「なんでここにいる?」


3等身の人形に尋ねられると彩里水が答える。


「あ、オレたち今ここから庭園の外、城の敷地の外に出たいと思ってるんですけど、場所がわかんなくて。行き方、知ってますか?」


「てめえ、あたしが先に質問してんだ。なんでここにいる?」



――こええ。なんだよー!可愛らしい人形かと思いきや、めっちゃこええ!不良!?スケバン的な!?



白兎が怯えている間に彩里水は答える。


「あー。・・・っと。オレたち、迷っちゃって。ここって入っちゃいけないとこだったりするんですか?すいません。」


「迷ったあ?」


3頭身の人形はものすごい形相で彩里水を睨み付けるように見ている。



――ひえええ。こえー!何なんだよ!何がそんなにあなたを怖い顔にさせるんですかー!?

白兎は3頭身の人形が彩里水から自分に視線を移さないように祈る。



「っっはは!・・・おもしれえじゃん!ここは誰でも簡単に入れる場所じゃねえ。でもおまえらは実際ここにいるんだから、入れたってことだな。」


「え?・・・はい?」


今にも殴りかかってきそうな勢いだった人形が急に笑い出したので、白兎は拍子抜けして答える。


「・・・おまえら、名前は?」


「あ、オレは彩里水って言います。こいつは白兎。・・・んで、コッチはキップとクップ、それにキャンドーです。」


彩里水は順に全員を紹介する。


「・・・ふうん。あたしはリンダ。コレはキャシー。」


3頭身の人形は自分と、先程のリカちゃん人形に似た人形の名前を紹介する。キャシーは可愛らしい笑顔でぺこりとお辞儀をする。


「さっきチラッと聞こえたけど、あんたたち2人は純型?」


リンダは彩里水と白兎を値踏みするように交互に見て尋ねる。


「はい。」


彩里水が返事をするとリンダは再び質問する。


「純型。・・・なるほどね。純型がなんだってこんなとこウロウロしてんだか。・・・で?そっちの3体はミックスだろ?ここがどこだか、わかってないのか?」


リンダにギロリと睨まれたキップとクップは彩里水の陰に隠れて震えている。キャンドーは答える。


「こちらの2人は初めて城の従業員棟の外に出たんです。私は遠い昔は外に出て降りましたが、長いこと出ておりませんので、近年この辺りがどのような状況にあるか知り得ませんでした。良かったらここがどういった場所か教えていただけますか?」


「・・・長いことってどのくらいだい?」


リンダはキャンドーの質問には答えず問い返す。


「・・・吏胡以降です。」


「・・・。」



――・・・リコイコウ?



キャンドーから出た聞き慣れない言葉に彩里水と白兎は顔を見合わせる。


「・・・なるほどな。大体わかったよ。迷い込んだってのもウソじゃあなさそうだ。そもそも、純人型の子供なんかこんなとこにいるなんてよっぽどだね。」



つづく